もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

5 040 佐藤優「読書の技法 熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012)感想4

2015年12月18日 01時01分57秒 | 一日一冊読書開始
12月17日(木):    副題は「誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」

279ページ  所要時間 4:30    アマゾン 682円(425円+257円)

著者52歳(1960生まれ)。作家・元外務省主任分析官。

3度目。今回は完全な失敗読書になった。読書時間は長めだが、一週間以上かかっている。読み継ぐ際、前の部分をざっと眺め直しているが、感想を書くことが困難である。やはり本は多少無理をしてでも勢いで一気に読み切ってしまうべきだと思う。

端倪すべからざる著者の力量を思い知りつつ、今一つまとまった達成感を得られなかった。忙しかったこともあるが、こんな読書をしていてはまずい、と思う。

・がっついた若手ビジネスパーソンはせっかちな人が多い。教科書を読んで理解しようとする。しかし数学や外国語(あるいは古文や漢文)を、教科書や参考書を読むだけで理解することは不可能だ。これらの勉強は、体で覚える技術(ギリシア語でいうテクネー)の要素があるからだ。196ページ
  *このテクネーへの掘り下げた言及は、本書の重要な値打ちの一つであろう。(もみ)

以下、前回、前々回の分を掲載する。
「4 078 佐藤優「読書の技法 熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012) 感想4+」
2015年05月14日 00時10分36秒 | 一日一冊読書開始
5月13日(水):
279ページ  所要時間 3:05    アマゾン 682円(425円+257円)
著者52歳(1960生まれ)。作家・元外務省主任分析官。
  2度目。前回読んだ時は、図書館の本だったのでかなり口惜しい気分になったが、今回は蔵書なので付箋と線引きを存分にして読めたのは良かった。流し読みなので感想4+は仕方がない。それでもスゴ味のある内容の本である。ただ、俺自身にとって内容への関心の濃淡はあった。
  著者が「鳩山氏は「宇宙人」と揶揄されることが多いが、第一級の知識人である。202ページ」とした上で、政治家としての鳩山元総理を高く評価し、沖縄県辺野古基地移設問題でも数学的発想で行おうとしていたと理解を示し、かなりのページを割いて弁護していたのが印象的だった。俺の鳩山元総理観が間違っていないことを思わぬ機会に確かめることになった。前回の読書では、あまり記憶に残っていない部分が今回は印象に残った。
  村上春樹「1Q84」の二つの月の話題やチェコスロバキアの作家ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(河出書房新社)を取り上げて、沖縄の基地問題&沖縄差別を論じている(227~237ページ)のを確認して、自ら国家主義者と称する著者が、最近「辺野古基金」の共同代表になった思いの源を理解できた気がした。
  著者が薦める「国体の本義」(文部省:1937)は、いつか読みたいと思った。
前回の分:
「3 105 佐藤優「読書の技法」(東洋経済新報社;2012)感想5」
2014年05月18日 02時29分21秒 | 一日一冊読書開始
5月17日(土):副題「誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門。
279ページ  所要時間 4:15    図書館
  著者52歳(1960生まれ)。作家・元外務省主任分析官。鈴木宗男事件に連座して検察の追及を受け、500日超の長きにわたり不当な拘留を受けた後、外交官から作家に転身。
  「3 041 佐藤優「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮文庫;2005、2007) 感想5 2013/12/22」を読んで以来、著者に対する俺の印象は「途方もない器の人間というのが世の中にはいるものである」というものである。2005年の作家転身以後の旺盛で内容の充実した活動には感心しつつ憧れをもっている。
  本書も、2年前書店で立ち読みしたとき、欲しくて欲しくてしようがなかった。その思いを忘れた頃になって、今日図書館で偶然本書を発見したのだ。即決で借りた。読み始めると、立ち読み時に感じたマニュアル本的要素がいまいち弱く感じて失望し評価4だったが、読み進むに従ってロシア語、英語、ドイツ語、朝鮮語、アイルランド語など多言語を扱い原書を話題にする能力、膨大な読書量だけでなく、著者の言葉は具体的で、全く奇をてらったり、衒学的なところがなく、落ち着いていて、かえって控え目なぐらいの語り口なのに取り上げられる専門書のレベルの高さに驚かされた。また、読書にとって高校レベルの基礎教養の重要性を語り、勉強のやり直し方を紹介する内容の説得力があった。
  <熟読>は、いまいちだが、5分間の<超速読>と30分読書+30分まとめの<速読>は是非実践に生かしたい。
  何やら著者のスケールが大き過ぎて輪郭を捉えられなくなったか、と思うと「(52歳の)自分の人生はあと20年だから全然足りないからこそ大事にする」旨の自己の生の有限性への表明があり、己を知る<地に足のついた知の巨人>を感じさせられてしまった。
  読了したら、感想5になっていた上に、「数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学」高橋一雄 (著)日本実業出版社 (2009/7/16) 定価3024円をアマゾンで注文(1875円;1618円+257円)してしまっていた。数学をもう一度やり直したい、と思いつつ良い参考書が思いつかなかったので、著者の紹介に乗ってしまったのだ。
  一読で終われる本ではない。そばに置いて何度も読み返したくなる内容だが、悲しいかな図書館の本である。
※以下、アマゾンHPより:
目次:【第I部 本はどう読むか】第1章 多読の技法――筆者はいかにして大量の本を読みこなすようになったか
第2章 熟読の技法――基本書をどう読みこなすか
第3章 速読の技法――「超速読」と「普通の速読」
第4章 読書ノートの作り方――記憶を定着させる抜き書きとコメント
【第II部 何を読めばいいか】第5章 教科書と学習参考書を使いこなす――知識の欠損部分をどう見つけ、補うか
【世界史】【日本史】【政治】【経済】【国語】【数学】
第6章 小説や漫画の読み方
【第III部 本はいつ、どこで読むか】 第7章 時間を圧縮する技法――時間帯と場所を使い分ける
【特別付録】本書に登場する書籍リスト
内容紹介(一部):月平均300冊。多い月は500冊以上! 佐藤流「本の読み方」を初公開! /冒頭カラーページでは、著者の仕事場や本棚の中身、本やノートの書き込みの写真も掲載!
●佐藤流「熟読」の技法―どうすれば難解な本を読みこなせるか?
・知りたい分野の本は3冊買って、まずは真ん中から読む
・本全体にシャーペンで囲みを作り、重要箇所を抜き書きした「読書ノート」をつくる
・熟読の要諦は、同じ本を3回読むこと。基本書は最低3回読む
●佐藤流「速読」の技法―どうすれば大量の本を速読できるか?
・1冊5分の「超速読」と30分の「普通の速読」を使いこなす
・「超速読」で、読むべき本の仕分けと、本全体の中で当たりをつける
・「普通の速読」は「インデックス」をつける読み方。新聞の読み方を応用する
●佐藤流「教科書や学習参考書」「小説や漫画」の実践的な読み方
・読書の要は「基礎知識」。基礎知識のない本は、速読しても指の運動にしかならない
・基礎知識を身につける最高の本は、じつは高校の教科書と学習参考書
・小説や漫画は「娯楽+代理経験+社会の縮図・人間と人間の関係の縮図」として読む
著者の読書術を初めて完全体系化!
巻末には特別付録「本書に登場する書籍リスト」付き!

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