シャンソン歌手

シャンソンの好きな方 ようこそ !

シャンソン歌手 リリ・レイ Lili Ley 長坂 玲

2010年05月15日 04時00分02秒 | Weblog
シャンソン歌手の 三越劇場

日本橋三越本店の 三越劇場内装は とても美しいです。
三日間「ポピュラー音楽祭」という コンサートは
永田文夫先生(ヒット曲 恋心の訳詩家)主催で もう何十年も
続いているイベントで 年に二回あります。
生徒の 岡島由起子さん 福江美那子さんと 私が一緒に
夜の部二部に続けて歌いました。
永田先生に お二人の生徒を推薦してから 気に入っていただき
生徒のお二人とも 昨年秋に続き しっかり 素晴らしいフランス語の
シャンソンを歌い 演じました。ブラボー ブラボー
お二人は 音程 リズム 音色 容姿 など 全て
舞台人として 基礎的な音楽レベルは 達しています。
ただ 伴奏バンドの大きな音量や リズムには
まだ慣れていないので とても 緊張していましたけれど
今回は 厳しい舞台の試練を 乗り越えて 自由にシャンソンの
醍醐味を 歌唱していました。
私も
勿論 緊張していました。昨晩はドレスの直し
今朝は 庭の掃除をしたりして 居ても立っても居られない
状況でしたけれど 舞台に立つと 全て忘れます。
黒い鷲 バルバラの作品を自分のポエムと思い 心理分析してみました。
我が家に 棟方志昴の 版画リトグラフがあるのですが
私にとっても 黒い鷲は やはり 幻の父性愛。
又は かつて愛した男性達・・・・

「昼だったか 夜だったか 池の側で うたた寝をしていた時のことです。
羽を ゆっくりと 羽ばたかせて わたしの頭上に 空が落ちてくるかのように
真っ暗にして 鷲は 側にやってきました。
目はルビー色 羽は夜の黒 額は輝き ブルーのダイアモンドの
大冠をつけていました。くちばしで 私の頬をつっついたり
首を私の腕の中に 滑り込ませてきたので 私は 唐突に 昔を思い出しました。
私は 鳥に言います。連れて行って!
子供の頃の夢のように 星を取りに!
雲の上に乗ったり 太陽に火をつけたり 楽しいことをしようよ。
でも
鷲は 又 突然に 空へ 消えていきました。
四つの羽は 夜の色。
涙なのか ルビーなのか。私は寒さを覚えました。
鷲は私を 又元のように一人にし
私に残したものは苦しみだけでした。
昼だったのか もしかすると 夜だったかもしれません。
池の側で うたた寝していた 時の お話です。」


この歌を歌うと 自分が寂しい気持ちになるので 二曲目は
ゲンズブールの さようならを教えて をリズミカルに
歌いました。私の場合 感情移入が 昔から得意で 物まねも得意。
私生活では いたって シンプルな人間なのに
音楽が鳴ると 直ぐ 別の人間が のり移ってきます。

この 体質は 芸大の恩師毛利先生
ベルギーの コンセルバトワールのミシェル・トランポン先生にも
「音楽家 舞台人として生きていきなさい」と言われた 理由です。
まだ 歌が下手な時から 恩師のおだてに乗って 何だか
本当に いつの間にか 舞台人になってしまいました。