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ベルギー4

2006年10月02日 00時20分22秒 | Weblog
Pluies automnales プリュイ オトナル 秋雨

ベルギーBruxelles の雨を思い出す雨が続きます。

ベルギーに留学したのは 29歳の七月中旬でした。
それは 私の初めての外国でもあり その後 四年半
一度も帰国しませんでした。五年目 帰国し 日本と ベルギー
の両国で 仕事をはじめ 通算八年間 この国と関わりました。

一人 見知らぬ地 フランス語圏。

ベルギーの 首都 Bruxellesでは
夏の間 アパルトマンを探し 大学で留学生必須の語学研修を受け
好奇心のまま わくわくドキドキ 楽しく あっという間に
七月と八月は過ぎました。 日照時間も長く 22時ごろまで
日は暮れず 太陽が照らし続け 湿度もなく 花々は咲き
なんて 幸せなのだろう・・・・と感じていたのですけれど。

九月になると 突然 冬のようになり
空が低く 太陽が空から姿を消し 代わりに 重い雲から
まるで 事切れない涙のように 雨ばかりが降り続き始めました。

10月になると 冬時間という初めての経験 つまり 一時間昼を増やす
為 時計を進めます。
日本との時差は 八時間から七時間になります。
朝は八時まで 真っ暗 夜は夕方五時頃から 真っ暗。
太陽は その後 翌年の四月まで ほとんど 顔を見せません。
雨が降り 石畳の道も 石の建物も 霧に煙り 空の灰色と同じ色
になります。

私は留学した年の秋 突然に 物凄い 孤独感と
日本へのノスタルジーと 淋しさに打ちのめされました。

今まで感じた事の無い 愛国心というものを 深く深く 感じ
「兎追いし かの山 こぶな釣りし かの川・・・・」歌いながら
泣いてばかりいました。

秋雨が続くと あの頃の自分を 思い出します。
安部総理が 「美しい日本」とおっしゃる意味・・・・
私は 外国に出て 初めて 身にしみて感じたものです。

どんなにヨーロッパの芸術が好きで 憧れ それを学び
それなりに 習得しても 私の血の中には 日本人の自覚が
その時から 強烈に芽生えました。

今も 日本に居ると 西の国への憧憬は強く
さりとて 遠く西の国に居れば 日の出ずる国への帰依の思い
は募ります。

自由と 孤独 その時 深く感じました。
雨さえ優しく感じた 一人ぼっちの 夢見るヨーロッパの生活。

Bruellesの雨という 曲を作詞作曲しました。