私の日帰り散策

写真でつづる山歩き、ドライブなどの日誌です。
最近は ギャラリー巡りをしています。

法楽寺と楊柳寺をめぐる

2011-12-21 17:50:00 | ドライブ
 12月21日(水)  天気:うす曇り  室温:12.6℃

 きょうは 神河町~多可町を ドライブしてきました。 播但道で 神崎南まで 行き まず 法道仙人開基の
法楽寺へお参りし 高坂峠・トンネルに上がり ”松か井の水” を汲み 東へ下り 多可町八千代区の楊柳
寺へ お参りし 船坂峠・トンネルを越え ”せせらぎの湯” に 入りました。 多可町中区の円満寺へも 行く
予定でしたが 松か井の水で 思ったより 時間がかかったので 止めました。
 風もなく 穏やかで いいドライブ日和の一日でした。

 8:53 出発。 姫路バイパスを走り 9:16 花田ICから播但道に入ります。 姫路バイパスは 事故もな
く スムースに走れ 朝日も南へ寄り 雲もあり 眩しくなく 順調。 福崎から 播但道に入ると 一車線になり
急に車が 並び・・。 追い越し車線で やっと トラックを 1台抜くも・・・。 9:37 神崎南ランプで 降ります。
 神崎南は ETCが 使えないので カードを渡し 支払います。 花田~神崎南間:27.4km、700円。
 国道312号線へ出て 県道8号線に渡り 中村の信号で 左折して 越智川に架かる橋を渡り 右へ進む
と 法楽寺です。 9:46 仁王門の前に駐車。 神崎南ランプから 3.6km、家から 54.8km。



 目の前に 大きな仁王門(山門)があります。 桁行三間、梁間二間、入母屋造、桟瓦葺で 18世紀前
期の建立。 二階建構造なので 楼門で 八脚門。 赤い仁王さんが おられますが 目の細かい金網があ
り 写真は難しい。 左に 手水舎?があり 湧水が落ちていますが ここで 水を汲むのは・・・。 金楽水の
石柱があるので 一応 名水なのでしょうか?
 門を潜り 長~い石段を上がります。 直線距離で 200mほどあるでしょうか? 石段は 幅があり 表
面は ざらざらで 滑る心配はありません。 2度、3度 呼吸を整えながら 階段を上がりました。



 階段の上は 広場のようになっています。 左には 道があり ここまで 車で上がれるようです。 右に
由緒が書かれた 説明板があり ここは 「犬寺」 として 有名らしい。
 高野山真言宗の金楽山・法楽寺は 7世紀に創建された 法道仙人を開基とするお寺で 千手観世
音菩薩が ご本尊。 播磨西国33ヵ所の第15番札所。 「峰相記」、「播磨鏡」などにも 犬寺縁起が
記されているそうです。


当山の由来(播州犬寺縁起)によると
 鎌倉時代 京都・南禅寺の学僧であった 虎関師練が 表わした仏教史書 「元亨釈書」 の第28巻 「寺像
誌」 に 昔 蘇我入鹿 大軍を召して 上宮太子一族を滅ぼす。 播州の枚夫という者あり。 召されて そ
の軍に 加わる。 枚夫に妻あり。 その間 下僕(家来)と 密かに通ず。 やがて 戦いおわり 枚夫は 都より
帰る。 さて 事が露見し 討たれるを恐れた下僕は 「近くの山中に 1ヵ所 鹿、猪の集まる所あり。 願わ
くば 殿と共に 猟に行かんと」 と 誘う。 狩りを好む枚夫 日頃 養育せし二頭の犬を連れ 喜び勇み 下僕
の案内で 山の奥深く 分け入る。
 突如 下僕 弓に矢をつがえ 曰く 「この山に獣などはいない。 あなたを欺いて 誘った。 お命を頂戴する。
覚悟めされよ。」と・・ もはやこれまでと 覚悟を決め 枚夫は 二頭の愛犬を呼び寄せ 己の弁当を分かち
与えつつ 「よく聞け。 今 下僕に 欺かれ 空しく 此の山中にて 我が命を奪われる。 国の人々来たり 我が
屍を見られるは 恥辱なり。 故に 二犬よ 我が屍を食い尽くせよ」 と 語り聞かせる。 話しが終わるや否や
二犬は 猛然と 下僕に襲いかかり 一頭が 下僕の弓弦を噛み切り もう一頭が喉元に噛みつき 下僕を 倒
す。
 かくて 枚夫 我が屋敷へ急ぎ戻るや 親族に告げて曰く 「我 この二犬によって 命を全うし得たり。 今より
二犬を立て 我が子となす。 我が財 皆 この二犬の有なり」 と。 さりながら 二犬 枚夫より 先に死す。
枚夫 二犬の死を悼み 伽藍を建立。 千手大悲の尊像を奉安して 冥福を祈る。 この千手観世音菩薩像
の霊感 日に新たなり。 野火四面より 伽藍に迫りしこと 三度ありしが 一度も 災い 伽藍に及ぶことなしと
いう。
 このことが 平安時代の初め 桓武天皇の御聞に達し 勅して 「官寺」 となし 田数頃(頃は百畝の広さ)
を 喜捨したまう・・・。




 左にある不動明王のブロンズ像は パスし 正面の石段を上がる前に 下にある狛犬を。 石の表面は
すべすべで 今までにない 鋭い感じです。 左の狛犬は 前足で 子犬を押さえ 右は 珠を押さえています。
 階段を上がると 本堂。 正面、側面五間の方形の建物で 宝形造、向拝一間、銅板葺。 享保4年の
建立で 県の文化財。 なかなか立派な建物で 向拝の彫り物も 面白い。



 本堂の右手前に 鐘楼があります。 鐘楼は 桁行・梁間一間、袴腰付、入母屋造、桟瓦葺で 18世紀
前半の建立。 鐘楼の中へ入ると 梯子があり 二階へ上がれます。 鐘を撞くだけなら 下で OK。
 この梵鐘は 慶長9年(1604) に 鋳造された直径72cmの和鐘で 神崎郡内で 一番古い鐘とされて
いるそうで 摂取院 金楽山・法楽寺の阿闍梨・秀隆らの願いにより 製作したとか・・。 梵鐘に 鐘名の
陰刻が 見られる?


 右へ進み 十三重石塔を見て 千手観世音菩薩坐像を見て 門を潜ると 奥に 庫裏があります。 庫裏
は 入母屋造、茅葺屋根で 文政二年(1819)の建立で 町指定の文化財。 大きな建物ですが 客殿?
 横の戸が開いていたので 中を覗くと 住職のお住まいが あるようです。 犬に しつこく 吠えられました
が・・・。 庫裏の前にあった球状の七福神の碑?の台座は 亀趺のようです。




 引き返し 本堂の前を 左へ行くと 山裾に 春日社があります。 三間社、杮葺で 17世紀中期の建立。
この社は かなり傷んでおり 風雨から守るためか 覆い堂で 覆われているようです。
 その左に 開山堂がありますが 手前にある 高い法楽寺興隆之碑・石塔の台座が 亀趺に見えるので
すが・・。 自然石の突き出た部分が 亀の顔に見えるのです。
開山堂は 正面、側面三間の宝形造、桟瓦葺き。 17世紀後期の建立。 建物は傷みつつあるようです。



 開山堂の後ろの播磨西国33ヵ所の祠・石仏を見ながら 歩きましたが 西国33ヵ所では ないので
29番松尾寺(馬頭観音)は ありません・・。 僅かに残った紅葉を見ながら 境内を一回りして 本堂
の前の戻り ながーい階段を降りて 10:41 車に戻りました。 約1時間ほど かかりました。 


 車を出し 県道8号線に出て 東へ向かいます。 高坂トンネルを抜け 少し下ると ”松か井の水”です。
法楽寺から 3.6km。 10.56 到着。 平日の昼間なのに 車が置けないほど 並んでいます。 平成の
名水百選に 選定されたからでしょうか? 神戸ナンバーの車も あります。
 松か井の水は 室町時代末期 播磨の国を支配していた赤松義村が定めた 「播磨十水」 の一つで 昔
から 地域の名水として 人々に愛飲されてきた。 このような名水が 昭和32年の林道工事の際 土砂で 泉
が埋まり 所在が分からなくなり 幻の名水となっていた。 しかし 昭和62年の治山工事によって 湧水が
出ていることが 発見されたのを受け 30年ぶりに 名水がよみがえった。 県は 高坂トンネル工事の際
に 見つかった湧水を 利用しやすいようにと 新松か井の水公園として 整備した。



 水を汲むのに 30分以上かかり 11:29 松か井の水を後にし 坂を下り 国道427号線に 突き当り
右折。 しばらく 国道を南へ走り 糀屋の信号で右折して 県道24号線に入り さらに南へ。 野口の信
号で右折して 県道34号線に入り 大きく右へカーブすると 楊柳寺に出ます。 11:58 県道脇のス
ペースに駐車。 松か井の水から 22.3km走りました。 県道から 100mほど入ったところに 仁王門
があります。 仁王門の建立は 分かりませんが かなり古い・・・。 ここも 仁王さんが 金網に守られ
て 写真が 撮り難いのです・・・。


 柳山・楊柳寺は 孝徳天皇の 白雉年間(650頃) 法道仙人の開建とされる古刹で 俗称 柳の観音さ
んとして 知られる。 天台宗で 本山は 比叡山延暦寺。 天正年間 野間山城 落城の際 兵火にかかり
全山焦土と化したが 中興の祖 隆慶上人 慶安年中 三代将軍家光公より 朱印十石 山林方八町を寄
付され 一山を 再興。 爾来 衆人の帰依浅からず 七堂伽藍建ち並び 一台霊刹となった。



 境内は 54900平方メートルで 仁王門、鐘楼堂、茶堂、阿弥陀堂、本堂、行者堂、奥の院があり
ます。 また 塔頭寺院として 法持院、薬王院がある。 また 平安時代の木彫りの仏像で 県指定
の重要文化財として 以下のものがあります。
 三体の十一面観音立像(甲、乙、丙)、千手観音立像、多聞天立像、兜跋(とばつ)毘沙門天立像
この中で 兜跋毘沙門天立像は 鳳凰の冠を付け 吉祥天を踏まえた像で この地方には 珍しいもの。


 仁王門を潜ると ここも階段です。 石段を上がると 右に 鐘楼があります。 梵鐘が やや小さいよう
に感じます。 鐘楼堂の前から 右に参道が伸びていますが 左の丸太階段の道を 登ると 観音山へ登
れるはずです。 以前 来たときには ここに ハイキングコースの道標が あったのに 見当たりません。
 右の参道を 100mほど進むと 右に 茶堂があり 左に手水舎があります。 手水舎の手水鉢には 水
がなく 横に井戸のような水溜りがあり 水はきれいです。 湧水でしょうか? 正面に 阿弥陀堂があり
ます。 行者堂は どこにあるのでしょう?


 一番奥にある本堂に お参りします。 きょうは 五円玉を持ってくるのを 忘れたので 仕方ない 50円
で・・・。 靴を脱いで 外陣へ上がり お参りしました。 格子窓から 神様のおられる内陣を 覗くことが
できます。 肉眼では 暗く 何も見えませんが 写真では ストロボが光り 祭壇が写っていましいた。
 ここの向拝の彫り物(虹梁、手挟、蟇股、木鼻など)も 立派で 見るべきものがありました。




 本堂の右から 山への道があり 奥の院道との表示があります。 ここには 「閼伽水あかいのみず350
m」 の表示もありましたが・・・。 33ヵ所石仏の祠も並んでいますが 表示に 360mとあるので 止めまし
た。 300m以下なら 行くのですが・・。 もう 12時を過ぎたし・・。
 奥の院は止めて 引き返します。 前に来たときは 観音山に登り 楊柳寺に降りて 本堂の下のシャガ
を見ながら 降りたのですが・・。  鐘楼へ戻り 階段を降りて 仁王門を潜り 車に戻りました。



 少し手前にあった神社を見に行きます。 神社の名前が 分かりません。 調べると 大歳神社でした。
神門を潜り また 階段を上がると 小さいながら 立派な社があります。 下の広場の左側にも 拝殿と
本殿があります。 別の神社でしょうか?
 車に戻り 12:52 車を出します。 県道34号線を そのまま 北へ走り 船坂トンネルを抜けます。
このときは 気にしなかったのですが いま 地図を見ながら この文章を書いていると 船坂トンネル手前
に 西光寺があり この西光寺も法道仙人開基の お寺なのでしょうか? 笠形山登山口を見ながら 坂
を下り 上牛尾にある ”せせらぎ温泉” に寄ります。



 県道から 少し入り 13:04 ふところ館に 車を停めました。 楊柳寺から 8.8km。 まず 隣のせ
せらぎ亭で 山菜うどんと 巻きずしで 腹ごしらえをしてから 温泉(600円)に入りました。 かさがた
温泉せせらぎの湯は アルカリ性単純泉(ph9.23)です。 入浴者が 多い割に 浴槽も 洗い場も や
や 狭い。 ここには 足湯喫茶もあ るようです。 14:10 帰路につきます。



 県道34号線を下り 国道312号線に出て 辻川の信号で 左折して 福崎北ランプに向かいます。
14:30 福崎北から 播但道に入り 14:41 花田ICを通過して 姫路バイパスに廻り バイパスを
走り 15:33 家に帰ってきました。 姫路バイパスは きょうは スムースでした。
本日の走行距離は 往路:法楽寺まで:54.8km、松か井の水まで:9.9km、楊柳寺まで:22.3
km、せせらぎの湯まで:8.8km、復路:51.3kmで 計:147.1kmでした。
 法道仙人開基のお寺を いくつ歩いたかなぁ・・・・・。

  。。。。。。  。。。  。。。  。。。  。。。  。。。  。。。  。。。。。

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4 コメント

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Unknown (ともみ)
2011-12-23 19:03:43
ようきちゃったなー、かみかわへ。
一枚目の写真の反対側が我が家の借りているたんぼです。
白犬・黒犬のお墓といわれている白い五輪塔と黒い宝きょう印塔は福山というところにありますよ。
わたいはまだ見たことはありませんが。
返信する
法楽寺 (YS1.1.)
2011-12-23 21:47:44
ともみさん こんばんは。
最近 また 静かでしたが お元気でしたか?
直ぐ近くを通ったので 寄ろうかと・・(うそです)
>一枚目の写真の反対側が我が家の借りているたんぼです。
あの辺りは 山が迫っている?
>福山というところにありますよ。
福山は 国道を少し南へ行ったところ?
ということは ともみさんは 犬寺縁起の話は よくご存知ですね。
文字数が多くなるので 途中で 止めましたが・・。
まだほかに 神河町に法道仙人ゆかりの場所がありますか?
 
返信する
Unknown (ともみ)
2011-12-29 16:54:18
お久しぶりです。
(久しぶりにパソコンつけました)
神河町の大山の七宝寺もたしか法道仙人開基です。
犬寺縁起は小学生のときにの地域学習で知りました。(それと、首切り地蔵を)
返信する
犬寺 (YS1)
2011-12-29 17:24:26
こんばんは。
暇だったので 犬寺縁起の話は 全部 書いておきました。
>大山の七宝寺もたしか法道仙人開基です。
もし 白岩山へ登ることがあれば 帰りにでも
寄ってみます。
最近 山へ登る元気がなくてね・・。
もう お正月の準備は 播但(万端)?
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