アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#956 城◎君事件と木嶋裁判

2012年03月20日 | 犯罪と防犯と審判
連続殺人事件の木嶋容疑者の裁判が行われています。
直接証拠がなく、木嶋容疑者も全面否認していますので、先行きがどうなるのかわかりません。
数々の状況証拠から限りなく黒に近く感じますが、今までの冤罪事件を鑑みると慎重な審議が必要です。

城◎君事件というのがありました。
30年近く前に、札幌市の児童が行方不明になった事件です。

当時近くのアパートに住む女性が重要参考人として取調べを受けましたが、有効な情報を得られません。
この重要参考人だった女性はその後、ここのマチに隣接するS町の男性と結婚しますが、程なく火災があり男性が焼死し、女性は1億円の生命保険金を得ます。

S町は隣接していますので、いろいろ噂が聞こえてきました。
保険金狙いの放火殺人ではないかというのです。
その女性は城◎君事件の重要参考人としてマークされていました
警察は捜査に入りましたが、物証がなく事件性を問えません。

ほどなく、焼失した家屋の近くにある納屋から人骨が発見されました。
人骨の態様から、男性児童であることが推定され、城◎君ではないかと話題になりました。
しかし当時の科学捜査では焼けた人骨のDNA鑑定が困難で、特定には至りませんでした。

その10数年後、新たなDNA鑑定法で骨が城◎君のものと特定されました。
そして、重要参考人だった女が殺人罪で逮捕され、取調べを続けましたが、黙秘を貫きました。

殺人を問うのは殺意の証明が不可欠です。
焼かれた骨しか物証がなく、本人も黙秘を貫いたものだから、裁判所の判決は殺人についてが無罪、傷害致死、死体損壊罪は時効が成立しているため対象外の扱いを受けました。
遺骨が発見された当時に骨が城◎君のものと判定されていれば、少なくとも傷害致死、死体損壊罪は適用され容疑者を収監できたものを、タッチの差で逃しました。
その女性は、無罪になったものだから刑事補償金1千万円を得ることになります。

城◎君の父親は刑事訴訟と合わせ、民事の損害賠償請求訴訟を起こしていましたが、もう嫌になったのでしょう、訴訟を取り下げてしまいました。
民事訴訟で何らかの真実が出てくるかもしれないとの期待は、これにて消失です。

状況はきわめて黒に近いのだけれど罰せられないことって、結構たくさんあるのです。
そして、状況証拠だけ積み上げて厳罰に処され、後に冤罪とわかった事件も存在します。
連続殺人事件の木嶋容疑者の裁判の行方に注目しています。
この記事についてブログを書く
« #955 神も仏も無い・・・ | トップ | #957 ご無沙汰Ⅱ »

犯罪と防犯と審判」カテゴリの最新記事