こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

安倍内閣の「保育所待機児童の解消」は手放しで喜べるのでしょうか?

2013-04-21 21:55:16 | 保育・子育て
昨日、開かれた森下議員の市政懇談会で、参加者から「首相が“待機児童をゼロにする”って言ってるけど、ホント?」と声があがりました。

「首相がテレビで堂々と言ってるんだから、ほんとにやってもらわないと!」という意見に、「消費税もTPPも、公約はすぐ破られた」と不信の声もあがりました。

安倍首相が「2017年までに保育所待機児童をゼロにする」というプランを示したことをマスコミは大きく報じました。
保育所に入所できなかった子どもたちの保護者の皆さんが、不服審査請求という行動に立ち上がり、それが連鎖的に広がりました。
「黙って泣き寝入りはしない」というお母さん、お父さんたちの行動が、政治を動かしています。

しかし、首相の「プラン」をよく見れば、本当に手放しで喜んでいいのか?
わが子の幸せを願って、勇気をもって立ち上がったお母さんたちの願いにこたえるものなのか?
疑問です。

首相は「認可保育所」の増設を約束したわけではなく、むしろ「認可外施設の支援」「営利企業などの拡大」に力を入れるとしています。
保育士の配置基準や施設の面積基準を自治体独自で上乗せしてきた努力を敵視、攻撃までしています。「待機児童がいるのに、『最低基準』を上回るようなことはけしからん」というわけです。
そもそも、国の基準が例えば「1歳児6人に一人の保育士」、「ハイハイする0歳児3人と保育士ひとりが6畳間で過ごす」など、あまりに低すぎる。そのため、各自治体が苦しい財政の中でも、子どもたちの安全と発達を守る努力をしてきたのです。
「待機児童解消」を口実に「安全は2の次」の「安上がりの保育」をおしつけようとするものではないでしょうか?

かつて自民党小泉内閣のもとでも“保育所待機児童ゼロ”をうたい文句にして、定数を超えた詰め込みが行われてきました。
公立保育所運営費に国が財政的責任を負わないなかで、保育士の正職員の欠員、非正規職員の比率が高まっています。
昨日の懇談会でも、そのことにふれ「本当に子どもたちの命の安全や、発達保障に責任を持つ形での待機児童解消を進めることが大切なのでは?」と発言させていただきました。

森下議員の報告会で言わなかったこと(私の役割は別にありましたので。保育所のことになると言いたいことは、たくさんあります。それで止まらなくなりそうで、途中できりました。
を書いておきます。

「待機児童」と一言でいっても、その定義はいろいろだということです。
認可保育所に入所できないので、無認可施設ですごしている場合、個人の保育ママに預けている場合、それが保護者にとって不本意な選択であっても「待機児童」の数には入りません。
これは国の考え方です。

泉大津市は入所申請のときに添付する就労証明、どこかで現に働いているという証明がないと「待機児童」の数に入らない時期がありました。
10年以上にわたって。
ただし申請は受け付けますので、「入所申請しても入所できていない子どもの人数は?」と質問するとその数がわかりました。
普通に「待機児童数は?」と聞くと、就労証明の出る数だけが報告されます。

「待機児童」にカウントされないということは、入所審査のテーブルに上らないということで、「これから預けて働きたい」という保護者に事実上、保育所の門は閉ざされていました。
数年前から、就労証明の変わりに就職活動をしている証明があれば「待機児童」扱いされるようになりました。

実際には、小さな子どもがいて保育所に入れるかどうか全く見通しがない状態では「就職活動」を始めることも困難です。
しかし、それでも閉ざされていた門は少し開き、入所してから就職が決まり働くことができるようになった場合もあります。

泉大津の場合、「待機児童」は年度当初で約40名、「これから就職活動を始めたい」と思っている場合も含めると50名を超えます。
「待機児童」の定義はいろいろですが、「どうせ無理」とあきらめて申請しなければ数に入りません。

だから潜在的な「真の待機児童数」は実際に把握されている数よりはるかに多いと思われます。

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