バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

光環境で早産児の発達を促す「調光型光フィルター」の開発

2013年04月25日 | NEWSクリッピング
-赤ちゃんは暗闇に、外側からは視認できる保育器-
 NEDO産業技術研究助成事業の一環として、国立精神・神経医療研究センター【理事長 樋口輝彦】精神保健研究所・知的障害研究部・診断研究室 太田英伸 室長は、産業技術総合研究所【理事長 中鉢良治】(以下「産総研」という)サステナブルマテリアル研究部門・環境応答機能薄膜研究グループ 田嶌一樹 主任研究員と共同で、早産児の睡眠・身体発達を促進する光環境を人工保育器内に実現させる「調光型光フィルター」を開発した。
 早産のため低体重で生まれた赤ちゃんは、24時間同じ明るさで育てるよりも、1日のうち一定の時間が暗い、昼夜のある環境で育てることで、より体重が増加することが報告されている。早産児では妊娠28週目ぐらいから光の明暗を感じるようになるが、早産児がいる新生児集中治療室(NICU)は、治療などのために夜間も完全に暗くならない病院も存在する。産総研 プレスリリース 2013年4月25日


iPS細胞:作製阻害のたんぱく質6種 京大研究所が特定

2013年04月25日 | 細胞と再生医療
 
 京都大iPS細胞研究所の升井伸治講師(幹細胞生物学)らのグループは1日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製を妨げるたんぱく質の種類を特定したと発表した。iPS細胞を効率よく作製する技術などへの応用が期待される。近く米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載する。

 iPS細胞は現段階ではうまく作製できる場合とできない場合がある。グループはまず、マウスの神経細胞の中で、iPS細胞作製の阻害要因となり得るたんぱく質が158種類あることを特定した。次にiPS細胞を作製する過程で、158種類から1種類ずつを加える実験を繰り返した。その結果、特定の6種類がiPS細胞の作製を阻害していることを突き止めた。升井講師は「6種類のたんぱく質の働きを抑えることで高品質なiPS細胞を効率的に作製できるのでは」と話している。毎日新聞(大阪朝刊) 2013年04月02日

京大研究所:iPSから効率よく筋肉細胞作製

2013年04月25日 | 医療 医薬 健康
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から効率良く、手足などを動かす細長い繊維状の筋肉細胞(骨格筋細胞)を作製することに成功したと、京都大iPS細胞研究所の桜井英俊特定拠点講師(再生医学)らのグループが24日、米オンライン科学誌「プロスワン」で発表した。この骨格筋細胞で、筋肉が萎縮する難病「筋ジストロフィー」の病態を作ることにも世界で初めて成功。新薬開発への応用が期待されている。

 iPS細胞を培養して骨格筋細胞を作る研究は日本や欧米各国で進められているが、同グループによると、正常な細胞ができる割合(作製効率)は大半の場合40%程度という。

 グループは、iPS細胞などを骨格筋細胞へと変える働きがある「MyoD(マイオディー)1」という遺伝子に着目。従来、MyoD1はヒトiPS細胞を骨格筋細胞に分化させる途中段階で加えていたが、分化させる前にヒトiPS細胞にMyoD1を混ぜて5日間、培養した。すると、骨格筋細胞に分化するまでの日数が従来の4〜6週間から約2週間に短縮され、作製効率も70〜90%に向上した。

 グループは、主に手足の筋肉が萎縮する「三好型(みよしがた)筋ジストロフィー」の患者から作製したiPS細胞をこの手法で分化させ、病態の一部を再現することにも成功した。桜井講師は「今後、さまざまな筋疾患の新薬開発に利用できるのではないか」と話している。毎日新聞 2013年04月24日

小林製薬など 体重減少に関わる生薬特定

2013年04月25日 | 健康・栄養機能性成分
 小林製薬は東京医科歯科大学難治疾患研究所の左雨秀治助教と共同で、漢方薬「大柴胡湯」の構成生薬のうち体重減少にかかわる生薬を特定した。マウスの実験でサイコやオウゴンなど6種の生薬が脂質代謝の改善などに作用することを突き止めた。今後は関与する各生薬で有効成分の同定を目指す。その成果をより効果の高い肥満症改善薬の開発につなげる考えだ。化学工業日報 2013年04月24日