![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/12/8f683505dbae687be4d95689b70082e2.jpg)
原作もので、発想としてはいかにもヨーロッパのヒエラルキー社会発という感じがするお話。
しかもどこかで類似の物(先頭車両に到達した!て感じの)を観た記憶がうっすらとあるが、あれはなんだったっけ
(例によってまったく思い出せない)
冷却化の原因やアレが1年で1周するなどはポン・ジュノのアイディアとのことで、
ポンが色々と盛り込んだことで、物語のレンジがぐんと広がったのではないか?という感じがある。
列車は人間社会の縮図という、まあありきたりなことにはなるんだけど、
そうやって細部を盛り込んだ結果、世界の多様性を丸ごと抽象的に濃縮することができている気がする。
また特に女性たちの存在感がそれに貢献しているように思われる。
あの総理や教師と秘書みたいなやつ。
それと子供を救いにいくターニャ。
彼女たちによって、列車内にPG12的凄惨からティム・バートン的ナンセンスまでの広さが生まれた感じ。
特に好きなのは「寿司」のシーン
あの空気はポン・ジュノにしか撮れん!とか
思わず叫んでしまう。
***
ナムグンとヨナは、少し付け足しみたいな違和感があるが、
おそらくは違和な存在であることが重要なんだろう。
ナムグンはただ一人異質な言語を話す存在だし、たぶん禁制の「火」を持っている。
最後尾から先頭へという線形な枠の中でのみ生きる列車の人々の中にあって、
ナムグンたちはただ一人(二人だけど)社会の外を見ている存在で、
外界を、1年サイクルで繰り返される風景ではなく、
具体的な場として思い、そこにある可能性をリアルに考えている。
垂直ではなく水平方向への突破を提示する彼こそがこの映画の強度かもしれん。
原作には彼らは居るのかしら。
***
ティルダは偶然だけど先日観た「デッド・ドント・ダイ」でも会ったし、
ちょっと前「サスペリア」(新)でも観たし
(で、どれもすごいし)
あのすごいw教師は、誰だっけ??
と思ったら、
「ミッドナイト・イン・パリ」のゼルダだ。
両作とも同じテイストのキャラだわ(笑)
ヨナは少女の頃のぺ・ドゥナにやって欲しい感じの存在感だが、
その意味でも「グエムル〜」の流れでコ・アソン起用は良い感じじゃないかしら。
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