Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ベルギー幻想美術館」@Bunkamuraザ・ミュージアム

2009-09-12 21:16:58 | art
「ベルギー幻想美術館」@Bunkamuraザ・ミュージアム
行ってきました。

前世紀末・・あ、いや、前々世紀末から前世紀中葉までの
ベルギーの画家を集めた展覧会でした。
特に、フェリシアン・ロップス(1833-1898)、ジェームズ・アンソール(1860-1949)、ルネ・マグリット(1898-1967)、ポール・デルヴォー(1897-1994)の作品が中心となっていました。

その他にデルヴィルやクノップフ、フレデリックなどの、先駆的作品も集められ、写実主義に対する象徴派からシュルレアリスムにいたる系譜を浮き彫りにしようという試みが見られます。

マグリットは10代の頃から好きで、というか10代の人間にストレートに伝わる類いの力を持った作風ですね~と再認識。油彩の独特のてかてかした表面を持つへんてこな絵を眺めつつ、ああ、エッチング作品なんかもあったんだな~と感心しつつ楽しみました。

終盤にデルヴォーが集まっているんだけれど、絵が目に入った瞬間に、あ!デルヴォーだ!という喜びとともに一気に作品世界に引き込まれていました。背景がいつも夜、という印象のデルヴォーですが、やはりいつも夜でしたね~




今回のものはどうやら姫路市立美術館収蔵品で構成されているようで、へえ、日本にこんなにあるんだということですね。いいのかな日本にあって^^;
地震のないヨーロッパにあったほうが良いようなキモしますが・・でも政局とか動乱とかは日本のほうがすくないかなあ??


10月25日まで渋谷東急文化村でやってますね~~


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「パリ・ジュテーム」再観

2009-09-12 20:56:48 | cinema
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再観
前観たときの記事

例によってわりとさっぱり忘れているので
新鮮に観賞しました。

やはり今回も印象にのこったのは諏訪監督の作品で、
技法的な事を用いずに、持ち時間5分に物語をぎゅっと構築して、
5分が人生1回分くらいに感じさせる。ジュリエット演じる母の悲しみの深さと、そしていつかその悲しみをその深さ故に乗り越えるであろうことを感じさせて感動的。

それと最後の作品であるアレクサンダー・ペイン監督作も、今回は感動的に観た。観光客というかりそめの存在でいながら、その期待と不安のなかにパリという都市がふっと心を開くようになじんでくる瞬間を描いている。この感じはなんだろう。非日常のなかにふと永遠を感じるような瞬間。縁もゆかりもない土地に心のふるさとを感じる瞬間。そういう感じ。

アルヴァン・ショメ監督のパントマイム親子のもよい。牢屋で、いかれたヤツといっしょにしないでくれ~って悪党が叫ぶのがおかしいが、それ以上に、パントマイムのユーモラスな外観に隠された愛と悲しみが泣ける。これはチャップリンだな。チャップリンとピエロの合体。

観光客には軽くショックなのはコーエン兄弟のヤツですね。リシュリュー駅(だったっけ?)でのいかれたパリカップルにひどい目に遭わされるアメリカ人(スティーヴ・ブシェミ)。メトロでは怪しいヤツとは目を合わせないように。


パリはパリってだけで映画になるような特権的な都市だよね。調べてみると「パリ」って入っているタイトルの映画は星の数くらいあって、いかにイメージの世界のパリが絶大な権力を持っているかわかる。どこか心の底にあこがれのようなものを無意識に持ってしまっているのは、そういう長年のイメージの蓄積、民族的記憶のせいなのかもしれないな。



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