♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して72年、
PBA『世の光』を文字で 

■自分の願いに欺かれる / 山中直義

2011年11月08日 | Weblog
2011/11/8放送

 世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか、山中直義です。自分の願いを叶えようとやっきになっていると本当に大切なことを見失うことがあります。旧約聖書創世記29章にヤコブという人物の失敗談が記されています。

 ヤコブはある時、二人の女性と出会います。それはヤコブのおじラバンの娘達で姉がレア、妹がラケルと言いました。ヤコブはラバンに、妹のラケルと結婚させてくれ、とお願い出ます。ラケルの姿顔立ちが特に美しかったからだ、と聖書は説明しています。そこでヤコブは、私は妹ラケルのために7年間あなたに仕えましょう、とラバンに申し出ました。自分の願いを何とかして叶えようと、7年間自分のすべてをそのために捧げようと申し出たのです。そしてヤコブは実際に7年間ラバンに仕えました。

 しかしこともあろうにラバンはヤコブを欺くのです。約束の7年が過ぎた結婚式当日の夕方、闇に包まれたヤコブの天幕にラバンが遣わしたのは妹のラケルではなく、姉のレアでした。そしてヤコブはレアと寝てしまうのです。翌朝騙されたことを知ったヤコブは激怒してラバンに抗議します。ですがラバンは、(長女より先に下の娘を嫁がせることはしないという)土地のしきたりを曲げることはできない、と言い放ち、レアに加えて妹のラケルも妻として得たいのであれば、もう7年間私に仕えるように、と話を持ちかけたのです。ラケルの美しさに心を奪われていたヤコブはこうして仕方がなく、14年もの長きにわたってラバンに仕えることになりました。

 このエピソードは自分の願いを叶えようと躍起になることの危うさを私たちに示しています。ヤコブと同じように私たちも目先の事柄に目も心も奪われやすいものです。だからこそ、本当に大切なことをしっかりと心に留めておきたいと思うのです。すなわち私たちを誰よりも深く愛し私たちを祝福しようと誠実を尽くしていてくださる神様にしっかりと心を向け、その教えに耳を傾けていたいと思うのです。
 
    (PBA制作「世の光」2011.11.8放送でのお話しより )

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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。

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