その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

「男おいどん」…松本零士

2023-02-21 10:16:56 | 転職

炭水化物にご飯を乗せて…

「栄養に偏りがありますよ。」…そんなこと分かっているけれど、お安く空腹を満たすには、これが一番なのである^^;
漫画本やアニメならば、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」がドンピシャの世代なのだろうけれど、『おやじぃ』はこれらの作品をほとんど見ていない。故)松本零士さんの作品の中では、いつ読んだのか定かではないのだけれど「男おいどん」にハマったことだけは確かである。『インキンタムシ』『サルマタケ』『ラーメンライス』etc.およそ婦女子には受け入れがたい不衛生で、貧乏な生活が確かに存在したのである。主人公の『大山昇太(おおやまのぼった)』は、チビでガニ股、ど近眼の醜男(今では、その表現自体が、いじめや差別と指弾されるのだろうけれど…。)に描かれ、通り過ぎて行く女性たちは、何故かすべて美人であり、恋心を抱いたとしても決してその恋は成就することなどないのである…。
『おやじぃ』は、ふと思う…少女漫画にシンデレラストーリーがあり、少年漫画に英雄へのあこがれがあるとすれば、『大山昇太』は、社会の一員として認められていない、そして自信のない『自分』の写し鏡なんじゃないかなんてね。松本零士さんの訃報に接し、思い出しただけ…「どんな男でも口惜しいときは泣くもんさ…そしてね、いずれ一人前になるのさ。」と下宿屋のオバちゃんが言ったとか?はて、『おやじぃ』は一人前の男になれたのだろうか(笑)


「小さな幸せ」を手に入れて…

「近頃の若者は…」などという言葉を口にするから嫌われる^^; それなら自分が、血気盛んで上昇志向の塊だったかと言うと、今では『ビデオ』という映像が残っている場合もあるから、『英雄伝説』を創り出そうとしても赤っ恥をかくだけでありますよ。(仕事上のビデオが出て来て、若い頃の『おやじぃ』が登場し、「お前、その動きは無いだろう…。」なんて、若い自分にイライラしている老いた『おやじぃ』がおりましたから^^;)
『大山昇太(おおやまのぼった)』という名前も、狭くて汚い『大四畳半』も、必要以上に『自分』を大きく見せたいがための表現だったような気もするし、田舎から上京し「故郷に錦を飾る」などと、内心思っていても、半ば夢破れ、半ば仕方なく、故郷に戻る若者も多かったのではなかろうか?所詮、大都会で運よく職(食)を得たとしても、必ずしも幸せを手に入れられたかは定かではない。
「泣いて過ごしても 笑って過ごしても 過ぎる時間はおんなじばい。しからば笑いつつ のどかに過ごすのが おいどんの信念よ。」と狭く汚い『大四畳半』(大家さん、ごめんなさい^^;)をいつかは脱出出来たかも知れないし、脱出出来るのが『社会』だったような気もするのだけれど、今では、学生時代の奨学金さえ「借金」として重く肩にのしかかる場合もあるとか…大きな夢を見つつも、小さな幸せさえ手に入れられないとすれば、「近頃の若者は…」と口にするより、「近頃のオジサンたちは…若い頃何をやって来たのか!」と自問しなければならないかもなぁ…。
松本零士さんのご冥福をお祈りいたします。

コメント
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