一文字 寅 の 「風菜園(かぜさいえん)」 

「天に星。地に花。人に愛。」 風に乗って、日々の所感を「風菜園」から発信してまいります。

「山廃」でおすすめの日本酒は? とシェフに聞かれた雨の夜 「PiEDRA」  【大阪・西田辺】

2015年03月10日 00時30分45秒 | みんな~愛『酒』てるかい

(  雨の西田辺「PiEDRA」 )

 

 

雨でできた水たまりに 店灯りが反射していた週末の大阪・西田辺

冷たい雨から逃れるように「PiEDRA」に飛び込んだ。

店は、既にたくさんの客が談話しながら食事中。

(PiEDRA店内)

 

読売TV tenの「シェフ対主婦」の鰤(ブリ)対決で見事勝利を収め

区切りの10勝目を達成したこの店の三輪シェフから

番組新企画第一回目出演の打診が

あったという話を伺った。

4月からまた楽しみ。

 

 

その三輪さんから 「最近日本酒に興味を持ち始めたイタリアンをやっている後輩に

山廃でおすすめ日本酒を教えてほしいと聞かれたんですけど

山廃でおすすめの酒、何かありますか?」と尋ねられた。

 

反射的に 「山廃なら福井の「福千歳」なんかあるんだけど・・・

この辺りじゃ売ってないし・・・ マイナーかな」

おすすめの山廃は、ブログで回答しますからと

答えを少し待ってもらうことにした。

 

私の回答次第で

日本酒を置く決断につながるかも

と安易な回答は、やめておこうと瞬時に思った。

そもそも 私は、いち日本酒ファンにすぎずプロに物申す事自体

はばかられる。が、「美味しい日本酒を呑みたい」という飲み手の気持ちの代弁はできる。

 

日本酒には、作り手・売り手・飲み手がいるが、それぞれが他の二手の気持ちを理解してこそ

いい酒に育つと私は思っている。 正直、飲み手の気持ちがわかってない酒蔵だなとか

酒屋だなと感じることも少なくなく、そこの取り扱いの酒とは

どうしても縁遠くなってしまうものだ。

 

(2年前の春 北陸を巡った際 福井で買った福千歳・山廃カップ)

越前名物・江川の丁稚羊羹といただいたのが、わたし流か

「「山廃」以外の作り方を最近まで知らなかった。」というこの蔵のコメントは私には衝撃的だった。

というとは、ここの酒は、すべて山廃で造っていたということか・・・ と

山廃の通の間では、知られた銘柄ということも後で知った。 

 

 

◆ 三輪シェフから聞いた「山廃」日本酒の要望を整理するとこうなる。

・シェフは三輪シェフの後輩で、店を任せられている店長。

・その店は、イタリアンを基本とした創作料理とワインを提供する大阪の店

・「山廃」と聞いて、日本酒に詳しい中級者かと思いきや、実は最近、日本酒に興味を持ち始め、

  ワインだけでなく店で出してみたいと思うようになったのだそうだ。

・口にした「山廃」日本酒が美味しくて、おすすめの山廃仕込みの日本酒を探している。

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◇上記の要素を考慮しながら、おすすめの山廃・日本酒を回答するにあたり気をつけたのは下記3点

・「山廃」 冷で良し、燗で更に良しといった酒で、ワイングラスでも美味しく飲める酒を選ぼう。

・大阪で割と入手しやすい酒にして、入手しにくい銘柄は極力控えることにしよう。最初は、奔流から

 となると やはり「山廃王国」能登を中心とした北陸の日本酒になるか。

・「山廃」と言えども、通ばかりでなく日本酒初心者が喜ぶ、それなりに品と格のある日本酒を揃えたい。

ということで、三輪さんへの「おすすめの山廃」回答はこうなった。

 

▽私の「山廃日本酒」おすすめ順

〈1〉.「天狗舞」 

このブログにも何度か紹介した石川県 車多酒造の「五凛」という酒があるが、車多酒造と言えば何と言っても代名詞は山廃「天狗舞」 能登四天王の中杜氏の作。 味だけでなく、品格がある日本を代表する「山廃」だと思う。

 

 

〈2〉.「手取川」の山廃純米      山廃の美味さが実感できる一本。

 

〈3〉. 「香住鶴」  日本海に面した兵庫「香住鶴」の山廃  カニ鍋の時期にぴったり

 

◇ 最後に私が一番好きなおすすめの My山廃日本酒もこの場を借りて紹介しておこう。 

住吉酒販で女性スタッフの橋本さんにも参考までに聞いてみた。「福岡でおすすめの山廃の日本酒ないかな~?」 「三井の壽の美田。くらいですかね~」という回答だった。 九州の酒に「山廃」を求めるのは正直 酷な話しだが、唯一気を吐いて第一線のレベルの酒を提供しているのは、やはり「三井の壽」だ。

「三井の壽」は、日本で活躍するイタリアンシェフに好まれる銘柄でもある。私なら「美田」より「穀良都」の方が好きかな

 

三井の壽「穀良都」 

この穀良都(こくりょうみやこ)「冷で良し、燗で更に良しの典型」 九州大学の農学部に残っていたわずか12粒の種もみから4年かけて酒米復活を果たした幻の酒米エピソードを持つ酒。お米屋の倉庫から出してきたようなそっけないほどのラベルがまたいい。

 

 ワイングラスで頂く山廃・純米酒も乙なの なかなか気分も ハイじゃないか

 

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 (寅)