舞台を観るのは、『9days Queen』以来だな。
テューザー朝は演劇によく嵌まる。
エリザベス一世のロリ時代から王位に就くまでのお話し。
チケットを買ったのはだいぶ遅かったんだけど、舞台好きの友人が席を選んで取ってくれたので、端の方ではあったけど思いの外前方で、オペラグラスなしでも表情が見えて良かったよ!
主人公はじめ、メインどころがWキャストだった。
これも友人の勧めにより、主人公はお花様(と、友人が呼んでいた)で。
ステージが回転する円形の大きな台座になっていて、これビックリしたな。シルク・ド・ソレイユにありそうな。
ステージに近い前方だったので、舞台に迫力あった。
脚本的には、終始ベスが崩折れてえんえん泣いてて、ちょっとベソベソし過ぎじゃ・・・と思ったんだけど、そもそも私の中の彼女のイメージが、悲しみは悲しみとして抱えつつも事態に身を伏せて堪える“タフネス”とか“サバイバー”とか静的気合い系の人なので、単なる私だけの違和感だな。
エリザベスとは逆に、脚本におけるアン・ブーリンの扱いには感動した。
アン・ブーリンは、エリザベスが3歳になる前に亡くなっているから、エリザベス主役の物語だとたいしてスポットが当たらないんだよね。
歴史的にも、冤罪というかヘンリー8世の動物的オス脳の犠牲になった2番目の奥さんで、エリザベス一世の母くらいな感じで。
それがこの物語の中では、あの世からずっとエリザベスを見守り、エリザベスの心の中に現れる慈愛の母として終始出ていて、こういった扱いを観るのは初めてだったんだよね。
アン・ブーリンが報われたような思いがして、無性にありがたくなったよ。別にアン・ブーリンのファンじゃないけど。
映画『ブーリン家の三姉妹』は、観ようと思いつつ観てないまま今に至る。
役者さん達は、皆さんとても良かった!
みんな声がきれい。
特に、アン・ブーリンの人とアスカム先生の人の声が、いわゆるベルベット・ボイスっていうのかね、本当に滑らかでスルスルと劇場の隅々まで伸びていく触りの心地よい声で、聞き惚れた。
アン・ブーリンの役者さんは、歩き方もきれいというか不思議で、頭が全く揺れないんだよ。
始め、ドレスの下で台車にでも乗ってるんじゃ?と思ったほど。
これは、この物語のアン・ブーリンはエリザベスのイメージとか妄想であって、生身の人間じゃない故の演出なのかも。
スゥーって動くのが、幽霊ぽいっちゃ幽霊ぽい。
フェリペ二世が登場すると、めっちゃにこやかになるな!物語の笑顔担当。
愉快で明るくて小狡いとこ、微笑ましい。
ロビンを庶民(吟遊詩人)にして、エリザベスと恋人同士にするのはロマンチック・・・ではあるけど、ちょっと甘かったな。
軟禁されているエリザベスに会いに来るところ、ロミジュリかと思った。
しかしロビンの人、身が軽いなー!ヒョヒョイっと壁をよじ登ってたの、あれ、多少なりとも足を引っかけるような箇所があったかもだけど、それにしたって身軽。
上背あるのに、すごいな。
一番好きなシーンは、一幕終わりのロンドン塔へ移送されるエリザベスを見送る民衆の合唱。
なぜかここで泣けた。
少し離れた席からも観たかったと思ったので、リピ観のチケを取った。
初めてだな、舞台をリピするの。
もはや良い席など残っておらず、むしろ席が残ってる日があるのがラッキーな感じで、ギリ滑り込みセーフな感じで1階の席を押さえたよ。
でも、後ろの方で端っこ・・・