三連休の中日でクリスマス・イブと言えど何の予定もない女は、
伝源頼朝坐像を見ながら今年を振り返ろう。
東京国立博物館へまたも行って来た。
予定がないと言いつつ、本当なら今日は年賀状書きをした方がよかったんじゃないか?
まぁ、いいじゃないか。
二日連続だが、こういうことは偶にあるので不審に思わずに。
決して美術品泥棒の下見とかじゃないので。
自分、キャッツ・アイじゃないので。
私は、古くてその時代に生きていた人を感じられるものが好きだ。
古墳時代以前のものは、あまりに今あるものと存在感が違いすぎて、「人」が感じられなかった。
昨日のガイドで、ちょっとだけ、とっつき難さレベルが下がった。
今日の目当ては、法隆寺宝物館ガイドツアー。
飛鳥・天平もやはり、シンメトリーな造形やエキゾチックさが「人」を感じさせない。
仏像のお顔は、とても柔らかくて愛らしいのだけどね。
ガイドがつくことによって、「人」が見えてくるかもしれない。そんな期待で。
到着が早かったので、少しして始まった陶磁器エリアのガイドツアーに参加した。
ボランティアガイドのオジイ様は焼き物ラブ。
案の定、含蓄薀蓄盛りだくさんで、入り口時点で既にヒートアップ。
一歩も歩いてないのに、5分過ぎてた。
京焼と伊万里(エリア最初の2つ)の解説が終わった時点で、既に予定終了時間(20分)。
私は機会を改めることにし、ここで戦線離脱した。
法隆寺宝物館へ移動して、ガイドツアーに参加。
ここのシック過ぎる作りやディスプレイも、無機質さを増してる感じなんだなぁ。
鵲尾形柄香炉(じゃくびがたえごうろ)の柄部分に、「慧慈」と名が入っていた。
聖徳太子に仏教を教えていた僧の名前で、彼の持ち物だったという伝なのだが・・・。
これが・・・現代の文字っぽくて・・・いいのか?
他の香炉には、「中大兄」の文字が・・・やはり現代の字っぽく・・・いいのか?
ガイドの解説には、「日本最古の」とか「世界最古の」というフレーズが頻発する。
解説を半分ぼんやりと聴いていて、ふと思いついた。
ここのものが「人」を感じさせないのは、基本的にお寺やお墓に納めるために作られたものが多いから?
人の目に触れることを気にするより、一心に宗教心から作ってるような気がする。
その一心さが、見物してるこちらを撥ねてる気がする。
法隆寺の宝物についての解説は、その美術品の年代と美的長所についてが主だった。
近寄りがたい印象は変わらなかったけど、なんとなく「そんなもんかも」と了解した。
伝源頼朝坐像、忘れてた。
本当は神護寺の「伝源頼朝像」を見たかったのだが、どうやら常設から外れたらしく、あった場所には何か巻物があった。残念。