午後はお休みにして、東博、東大寺長老の講演会へ行った。
小柄で笑顔がホワホワで、野球が好きと言うおじいちゃん。
話しに夢中になるとマイクが口元から離れちゃうのだけど、会場半ばくらいに座っている私にも地声が届く。
すごいな。
1時間半を立ちっぱなしで話してた。
すごいな。
「ちょっと披露」で、4つのお経を三文字くらいずつ唸ってくれた。
声明っていうんですか、節がついてるやつ。
三文字唸ったところで、「ハイ、ここまで!」。・・・カワエエ。
高僧の方って、存在が温かい。
なんだろう、癒しのサイオンパワーでも持ってるんじゃなかろか。
穏やかで、無限に優しくて、器の大きさに平伏したいキモチ。泣きそう。
身近で接してるわけじゃないから、私の目がいいように見てるだけなのかもしれないけど。
私、まだ疲れてんだな。
なんだか目元がジワジワしてきたので、このまま帰るのは恥ずかしい。
法隆寺宝物館へ行き、薄暗がりの中でライトアップされてる小さな仏像群の部屋へ入った。
横から仏様達を眺めるソファに座った。
暗い中をゆっくり行き来する人影を目で追うともなしに追いつつ、濃い茶かワインのストレートロングブーツが欲しいななんて考えたり、炊いた新米のツヤツヤ具合を思い浮かべたり、墨絵習うのってどう?とか、散漫な思考を散漫なままに。
結構長い時間、座ってたかも。
立ち上がって、静かながらユニークな笑顔の天平の仏様達と一通り顔を合わせてから、建物を出た。
ふと、先週木曜日に一緒に飲んだ一人から受けた質問を思い出した。
「どういう男がいいの?」
この質問にはいつも答えに窮するのだけど、次からはこう答えよう!
「徳を積んだ坊様みたいなオトコ。」