巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

川古の大楠

2010-05-23 | 佐賀県

 

佐賀県 武雄市には三大楠と称する樹齢約3000年にも及ぶ楠の巨木が現存していて巨木好きには一度ならずとも訪れたい土地です。

その三大楠の雄、川古の大楠は、R498号線の直ぐ近く、田園風景の広がる農村地域の一角にあり、周りが大楠公園として整備され、それなりの駐車場も用意されていて、いともたやすく行き着く事が出来る。

古くより日本三大クスの一本として、全国にその名を広く知られたクスの名木で、約1200年前、行基の手によって立ち木観音が彫られたと言い伝えられるが、明治の廃仏毀釈によって幹より剥離させられ、傍の保管堂の中に安置されているが、実物を見ても仏像が彫られているのか良く解らなかった。

ちょっと離れて遠くから眺めてみても、樹齢3000年の大楠はさすがに威風堂々として威厳に満ち満ちていてやっぱり神々しい。

九州には桁外れにに長寿の楠や桁外れに巨大な楠の木が多くて、本州、それもとりわけ関西圏の楠ばかり見て来た僕にとって、それは驚きの連続だった。

佐賀県には楠の大木が多く、「肥前風土記」によれば、「佐賀」の名前は、楠を「サカノキ(栄の木)」と呼ぶことに由来すると言い、勿論「県の木」にも指定されている。

川古の大楠は根回り33m、幹回り2m、高さ25mという驚くべき巨大さ、しかし根元には立ち木観音を切り離された傷口なのか?大きくえぐり取られていて痛々しい。

現在根元にはセメントで枠を設えた小さな社が祀られて居るが、どうも俄か作りのように見えて似つかわしくないが、裏(どちらが表か裏かは知らないけれど)から見る根張りの巨大さ、大地を捕まえる力強さは半端ではなく、また主幹にみなぎる樹瘤の隆々としたうねりは3000年生きてきた証であるかのような迫力で見るものに迫ってくる。

周りは余りにもきちっと整備が行き届いてまるで観光地宜しくお土産物屋さんまで有ってちょっと興醒しないわけではない。

撮影2010.4.30