八女市から耳納トンネルを越えてうきは市吉井町に来ました。
吉井町は、江戸時代、有馬藩の城下町久留米と天領日田を結ぶ豊後街道の宿場町として栄えました。筑後川に堰を築き、水を引き込み、豊かな農産物が育ち、酒造業、製麵業、精蝋などの
産業が生まれ財を蓄えます。今ある白壁土蔵の家々は明治初期までに三度の大火の経験から防火対策の意味も含め建て替えられたものです。平成八年には、文化庁より「伝統的建造物群保存地区」に
福岡県内で第1号の選定を受け町並み保存に取り組んでいます。その町並みを背景に「筑後吉井おひなさまめぐり」を平成五年より始め今年で30回目を迎えました。
うきは市吉井のおひなさまの大きな特徴は、宿場町いわゆる庶民のお雛様といえる「おきあげ」と「箱雛」です。「おきあげ」とは、おひなさま、歌舞伎や浮世絵を題材に各家々の女性が
手作りしたものです。羽子板の押絵と同じように下絵を描いて、厚紙に写し、綿をのせて着物の端切れ等の布地でくるみ貼り合わせていきます。その中に細く削った竹を取り付け、当時は
ワラや畳のへりに挿して「箱雛」の周りを彩るように飾りました。(案内パンフより抜粋)
車を駐車場に置きウォーキングスタート。
以久波(いくは)は、旧石田家住宅で築110年の古民家ゲストハウスです。
先ずは、工房雛子(ひなこ)へ。ここでは、雛人形、雛道具を単品で揃えています。
菓子処ひた福富 おひな様用のお菓子が揃っていました。お土産に雛あられを買いました。
林家(林肥料店) 店内に入ると大きな古時計が目に飛んできます。まだまだ現役だそうです。
林家の雛飾りは、明治・大正のおきあげ、明治の箱雛、豪華絢爛な御殿雛、平成の京雛が飾られています。
たばこの販売も行われていたのか、店内にはゴールデンバット、いこい、わかば、キャスターなど懐かしいタバコが並べられています。
また、写真には撮りませんでしたが、オート三輪車がありました。これも現役で活躍されているそうです。
町歩きを続けます。
ステンドグラスのおひな様がある立丁尾花。残念ながら店内は撮影禁止ですのでパンフより引用しました。
観光会館「土蔵(くら)」
店内に入ると、大きな享保雛が目に留まります。日本最大級の享保雛の復刻版だそうです。
帰りに駐車場近くで見つけた「夏目漱石の句碑」
夏目漱石は、熊本~久留米~福岡~小倉~宇佐八幡宮~耶馬渓~日田を通り、明治32年(1899)1月に吉井を訪れています。
その時に詠んだ句です。