アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

5年越しの恋人、ゲラニウム

2005年06月15日 | うちの庭では
鉢植えにして育てていた実生のゲラニウムが、今日始めて咲きましました。特に変哲のない平凡な花ですが、播種してから実に5年、私には待ち焦がれた花なのです。
あれは2000年8月のことでした。私は61歳の誕生日を迎え、あと半年ほどで38年間の宮仕えを定年退職する齢となりました。わがままな私を永らく支えてくれた妻の慰安と想い出作りに、盆休みを利用してカナディアン・ロッキーを旅しました。氷河を戴き鋭く刻まれた高山の山容、神秘な色に染まる氷河湖、厳しい気候に鍛え抜かれた針葉樹の異様な姿など、雄大でローカルな景色を堪能しました。冷涼な透き通った空気を通して見る風景は、どちらを向いても一幅の名画でした。
ロッキー最後の宿はジャスパーでした。静かでロマンチックなこぎれいな街でした。妻と語らいながら、ゆっくり街を見て歩きました。休憩に腰掛けた街角のベンチの脇に、枯れたゲラニウムが立っていました。何気なく折り取った鞘に、今日咲いた花の種が一粒残っていたのです。帰国後種は発芽したのですが、なかなか育たず、今年やっと二株に殖え開花したのです。
平凡なゲラニウムですが、私には特別な思い入のある花なのです。毎年この花を眺め、妻と見たロッキーの山々を想い起こそうと思います。

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