アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

2015年03月13日 | うちの庭では

 街ではとっくに咲いているウメの一番花が我が家でやっと咲きました。川筋に位置する我が家では街中より気温が低いせいです。18年前、我が家の新築祝いに玄関先に植栽したもので、果肉が多く梅酒に適した品種なのですが、毎年10個くらいしか実らず、期待はずれが続いています。隣家の梅も同じ状態で、この辺の土地は梅の栽培には適していないようです。

 梅の花言葉は「忍耐」です。「短気は損気」という諺があります。短気を起こすと交渉事に何事にも失敗しがちで、自制や忍耐が大切だという教えです。私は大卒後40年間国家公務員として勤め上げました。うち30年は研究職でした。私の専門分野は農業土木学で、研究内容は科学(サイエンス)ではなく技術開発(テクノロジー)に属します。

 技術開発研究部門ではただ一つの正解は無く、さまざまな対応が考えられます。そこで研究手法は。まず仮説を立て、その実証試験を実施し、その結果を評価して適否を判定することになります。そこには「失敗」はなく、「この方法は不適」という結論が得られたとするのです。ここで重要なのは、どうして「不適」となったかを考察することです。それにより、次の改良型「仮説」が立てられるのです。この作業を延々と繰り返し、技術が確立されるのです。「確立」といっても多様性を有する技術は新たな知見が出現すれば更なる改良の余地が生じ、最終確立とはなりまっせん。常に見直しが求められます。

 私は海外で多くの大学の先生方をお世話しました。日本の高い技術を持った方々です。しかしその技術は日本では通用しても、条件の全く異なる東南アジアには無力でした。日本の高い技術は、開発途上国にとっては天文学的費用を要するので相手にもされません。開発途上国の研究者の多くは先進国の大学で学んだエリート達で、その知識も同じように開発途上国には無力なのです。そんな環境で、私の現地密着型技術開発手法はマレーシア政府の着目を浴びました。仮説実証試験にはマレーシア政府は経済的支援、人的支援を惜しみませんでした。3ヶ月ごとに開催する技術検討会には全国から選りすぐりの技術者が集まり、熱い討論を交わしました。そして4年後、ついに難問を解決したのです。正に「忍耐」の4年間でした。

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