2013シーズン戦力補強診断J2編 ~ジェフユナイテッド市原・千葉~
フットボールチャンネルでは開幕に向けて、J2各クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。最終回となる今回は、昨シーズンプレーオフ決勝で涙をのんだ、ジェフユナイテッド市原・千葉を占う。
2013年03月02日
text by 編集部 photo Kenzaburo Matsuoka
昨季とほとんどベースは変わらず 課題は勝負どころの決定力だけ
昨季は昇格プレーオフ決勝で敗退。今季の目標はJ2優勝、最低でも昇格プレーオフ回避の自動昇格だ。
オフの補強は昨季唯一足りなかった勝負どころでの決定力。昨季前線のキーマンとして15ゴールを挙げた藤田を失ったものの、フォワードにはブラジル人ストライカーのケンペスとジャイールら2選手を獲得。ケンペスはセレッソ大阪で、ジャイールはKリーグで結果を残しており、彼ら二人の決定力が千葉の命運を握るといっていい。
中盤から守備の陣容は大きく変わらず。山口智、竹内、岡本らを中心とする守備力は、昨季リーグで最少失点の鉄壁さを誇る。
万全の陣容を率いる新指揮官には、Jでの実績十分の鈴木淳氏を迎え、昨季足りなかった勝負どころでの決定力、そして、J1復帰を掴めるかどうかの戦いに挑む。
2013シーズン 戦力の入れ替え
IN OUT
ケンペス〔完全移籍/ポルトゲーザ(ブラジル)〕 藤田祥史〔完全移籍/横浜FM〕
ジャイール〔完全移籍/チェジュ・ユナイテッド(韓国)〕 佐藤慎之介〔完全移籍/熊本〕
兵働昭弘〔完全移籍/柏〕 青木孝太〔完全移籍/草津〕
大塚翔平〔完全移籍/G大阪〕 益山司〔完全移籍/岐阜〕
碓井健平〔完全移籍/清水〕 武田英二郎〔期限付き移籍期間満了/横浜FM〕
藤本修司〔期限付き移籍から復帰/鳥取〕 荒田智之〔期限付き移籍期間満了/磐田〕
ナムスンウ〔新加入/延世大学(韓国)〕 坂本将貴〔引退〕
キムヒョヌン〔弘益大学(韓国)〕 オーロイ〔未定〕
栗山直樹〔新加入/専修大学〕 -
補強面と総合力それぞれの診断結果
ジェフユナイテッド市原・千葉 2013シーズン予想フォーメーション
昨季の主力で移籍したのは藤田や荒田といったアタッカー陣。その穴も、ケンペス、ジャイールといったブラジル人ストライカーの獲得で埋めた。あとは彼らが勝負どころでどれだけ決定力を発揮できるかだけだ。
ケンペスは昨季セレッソ大阪で7ゴール。前線で軸となり、点でも合わせられる。ジャイールはJ未経験ながら、11年から12年にかけてKリーグで55試合に出場し、20ゴールを記録。球離れがよく、周りも活かせる。
彼ら二人が最後の仕上げを担うが、前線には兵働、谷澤、深井、米倉、田中といったJ1でも十分戦えそうなタレントが顔をそろえ、昨季に変わらずJ2では圧倒的。
守備陣の顔ぶれも変わらず。昨季リーグ最少失点の堅固さは今季も維持するだろう。不安要素といえば、山口智が戦線離脱したときくらいだろうが、新加入のキム・ヒョヌンの評判も良い。
ベースはそのままにチームを率いる新指揮官には鈴木淳氏を招へいした。こちらも実績十分で「ダイナミックさ」を加えると豪語する。
昨季とベースは変わらず、攻撃のタレントもJ1並みの豊富さだ。あとはボールを保持することに満足せず、決め切る場面で決め切れるだけの決定力を身につけること。昇格プレーオフ決勝のように、ボールを保持しながら相手のカウンター一発でやられるという試合を減らすこと。そうやって勝点を積み重ね、昨季、最後まで上下動した昇格プレーオフ圏内ではなく、自動昇格圏内へと突き抜けることが今季のチームに求められることだ。
そのためにはジャイールやケンペスらを筆頭とした新戦力の活躍がポイントだが、2月17日に行われた「ちばぎんカップ」では米倉の2ゴールと新加入のナム・スンウのゴールで天皇杯王者・柏レイソルに3対0と完勝。ジャイールは前線で起点となる働きをみせ、さらにドリブルとクロスは相手の脅威となっていた。直近に行われた韓国のチームとのトレーニングマッチでも4本計3得点0失点と順調な仕上がりを覗わせる。
今季のJ2は未だかつてなくハイレベルを予見させるが、圧倒的なベースに上積みできたこと、そして現時点の不安要素の少なさという観点で、千葉が一歩リードしている印象である。(※それぞれA~Eランクで診断)
【了】
FWのサブに名を連ねるJEFの深井である。
深井もベテランの域となり、勝利のためにどのように貢献すべきかわかってきたところ。
悲願のJ1昇格のため尽力するのだ。
再び対戦する日を楽しみにしておる。
フットボールチャンネルでは開幕に向けて、J2各クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。最終回となる今回は、昨シーズンプレーオフ決勝で涙をのんだ、ジェフユナイテッド市原・千葉を占う。
2013年03月02日
text by 編集部 photo Kenzaburo Matsuoka
昨季とほとんどベースは変わらず 課題は勝負どころの決定力だけ
昨季は昇格プレーオフ決勝で敗退。今季の目標はJ2優勝、最低でも昇格プレーオフ回避の自動昇格だ。
オフの補強は昨季唯一足りなかった勝負どころでの決定力。昨季前線のキーマンとして15ゴールを挙げた藤田を失ったものの、フォワードにはブラジル人ストライカーのケンペスとジャイールら2選手を獲得。ケンペスはセレッソ大阪で、ジャイールはKリーグで結果を残しており、彼ら二人の決定力が千葉の命運を握るといっていい。
中盤から守備の陣容は大きく変わらず。山口智、竹内、岡本らを中心とする守備力は、昨季リーグで最少失点の鉄壁さを誇る。
万全の陣容を率いる新指揮官には、Jでの実績十分の鈴木淳氏を迎え、昨季足りなかった勝負どころでの決定力、そして、J1復帰を掴めるかどうかの戦いに挑む。
2013シーズン 戦力の入れ替え
IN OUT
ケンペス〔完全移籍/ポルトゲーザ(ブラジル)〕 藤田祥史〔完全移籍/横浜FM〕
ジャイール〔完全移籍/チェジュ・ユナイテッド(韓国)〕 佐藤慎之介〔完全移籍/熊本〕
兵働昭弘〔完全移籍/柏〕 青木孝太〔完全移籍/草津〕
大塚翔平〔完全移籍/G大阪〕 益山司〔完全移籍/岐阜〕
碓井健平〔完全移籍/清水〕 武田英二郎〔期限付き移籍期間満了/横浜FM〕
藤本修司〔期限付き移籍から復帰/鳥取〕 荒田智之〔期限付き移籍期間満了/磐田〕
ナムスンウ〔新加入/延世大学(韓国)〕 坂本将貴〔引退〕
キムヒョヌン〔弘益大学(韓国)〕 オーロイ〔未定〕
栗山直樹〔新加入/専修大学〕 -
補強面と総合力それぞれの診断結果
ジェフユナイテッド市原・千葉 2013シーズン予想フォーメーション
昨季の主力で移籍したのは藤田や荒田といったアタッカー陣。その穴も、ケンペス、ジャイールといったブラジル人ストライカーの獲得で埋めた。あとは彼らが勝負どころでどれだけ決定力を発揮できるかだけだ。
ケンペスは昨季セレッソ大阪で7ゴール。前線で軸となり、点でも合わせられる。ジャイールはJ未経験ながら、11年から12年にかけてKリーグで55試合に出場し、20ゴールを記録。球離れがよく、周りも活かせる。
彼ら二人が最後の仕上げを担うが、前線には兵働、谷澤、深井、米倉、田中といったJ1でも十分戦えそうなタレントが顔をそろえ、昨季に変わらずJ2では圧倒的。
守備陣の顔ぶれも変わらず。昨季リーグ最少失点の堅固さは今季も維持するだろう。不安要素といえば、山口智が戦線離脱したときくらいだろうが、新加入のキム・ヒョヌンの評判も良い。
ベースはそのままにチームを率いる新指揮官には鈴木淳氏を招へいした。こちらも実績十分で「ダイナミックさ」を加えると豪語する。
昨季とベースは変わらず、攻撃のタレントもJ1並みの豊富さだ。あとはボールを保持することに満足せず、決め切る場面で決め切れるだけの決定力を身につけること。昇格プレーオフ決勝のように、ボールを保持しながら相手のカウンター一発でやられるという試合を減らすこと。そうやって勝点を積み重ね、昨季、最後まで上下動した昇格プレーオフ圏内ではなく、自動昇格圏内へと突き抜けることが今季のチームに求められることだ。
そのためにはジャイールやケンペスらを筆頭とした新戦力の活躍がポイントだが、2月17日に行われた「ちばぎんカップ」では米倉の2ゴールと新加入のナム・スンウのゴールで天皇杯王者・柏レイソルに3対0と完勝。ジャイールは前線で起点となる働きをみせ、さらにドリブルとクロスは相手の脅威となっていた。直近に行われた韓国のチームとのトレーニングマッチでも4本計3得点0失点と順調な仕上がりを覗わせる。
今季のJ2は未だかつてなくハイレベルを予見させるが、圧倒的なベースに上積みできたこと、そして現時点の不安要素の少なさという観点で、千葉が一歩リードしている印象である。(※それぞれA~Eランクで診断)
【了】
FWのサブに名を連ねるJEFの深井である。
深井もベテランの域となり、勝利のためにどのように貢献すべきかわかってきたところ。
悲願のJ1昇格のため尽力するのだ。
再び対戦する日を楽しみにしておる。