鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

JEF・深井、J1でも戦えるタレント

2013年03月03日 | Weblog
2013シーズン戦力補強診断J2編 ~ジェフユナイテッド市原・千葉~
フットボールチャンネルでは開幕に向けて、J2各クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。最終回となる今回は、昨シーズンプレーオフ決勝で涙をのんだ、ジェフユナイテッド市原・千葉を占う。

2013年03月02日
text by 編集部 photo Kenzaburo Matsuoka


昨季とほとんどベースは変わらず 課題は勝負どころの決定力だけ

 昨季は昇格プレーオフ決勝で敗退。今季の目標はJ2優勝、最低でも昇格プレーオフ回避の自動昇格だ。

 オフの補強は昨季唯一足りなかった勝負どころでの決定力。昨季前線のキーマンとして15ゴールを挙げた藤田を失ったものの、フォワードにはブラジル人ストライカーのケンペスとジャイールら2選手を獲得。ケンペスはセレッソ大阪で、ジャイールはKリーグで結果を残しており、彼ら二人の決定力が千葉の命運を握るといっていい。

 中盤から守備の陣容は大きく変わらず。山口智、竹内、岡本らを中心とする守備力は、昨季リーグで最少失点の鉄壁さを誇る。

 万全の陣容を率いる新指揮官には、Jでの実績十分の鈴木淳氏を迎え、昨季足りなかった勝負どころでの決定力、そして、J1復帰を掴めるかどうかの戦いに挑む。

2013シーズン 戦力の入れ替え

IN OUT
ケンペス〔完全移籍/ポルトゲーザ(ブラジル)〕 藤田祥史〔完全移籍/横浜FM〕
ジャイール〔完全移籍/チェジュ・ユナイテッド(韓国)〕 佐藤慎之介〔完全移籍/熊本〕
兵働昭弘〔完全移籍/柏〕 青木孝太〔完全移籍/草津〕
大塚翔平〔完全移籍/G大阪〕 益山司〔完全移籍/岐阜〕
碓井健平〔完全移籍/清水〕 武田英二郎〔期限付き移籍期間満了/横浜FM〕
藤本修司〔期限付き移籍から復帰/鳥取〕 荒田智之〔期限付き移籍期間満了/磐田〕
ナムスンウ〔新加入/延世大学(韓国)〕 坂本将貴〔引退〕
キムヒョヌン〔弘益大学(韓国)〕 オーロイ〔未定〕
栗山直樹〔新加入/専修大学〕 -

補強面と総合力それぞれの診断結果




ジェフユナイテッド市原・千葉 2013シーズン予想フォーメーション

 昨季の主力で移籍したのは藤田や荒田といったアタッカー陣。その穴も、ケンペス、ジャイールといったブラジル人ストライカーの獲得で埋めた。あとは彼らが勝負どころでどれだけ決定力を発揮できるかだけだ。

 ケンペスは昨季セレッソ大阪で7ゴール。前線で軸となり、点でも合わせられる。ジャイールはJ未経験ながら、11年から12年にかけてKリーグで55試合に出場し、20ゴールを記録。球離れがよく、周りも活かせる。

 彼ら二人が最後の仕上げを担うが、前線には兵働、谷澤、深井、米倉、田中といったJ1でも十分戦えそうなタレントが顔をそろえ、昨季に変わらずJ2では圧倒的。

 守備陣の顔ぶれも変わらず。昨季リーグ最少失点の堅固さは今季も維持するだろう。不安要素といえば、山口智が戦線離脱したときくらいだろうが、新加入のキム・ヒョヌンの評判も良い。

 ベースはそのままにチームを率いる新指揮官には鈴木淳氏を招へいした。こちらも実績十分で「ダイナミックさ」を加えると豪語する。



 昨季とベースは変わらず、攻撃のタレントもJ1並みの豊富さだ。あとはボールを保持することに満足せず、決め切る場面で決め切れるだけの決定力を身につけること。昇格プレーオフ決勝のように、ボールを保持しながら相手のカウンター一発でやられるという試合を減らすこと。そうやって勝点を積み重ね、昨季、最後まで上下動した昇格プレーオフ圏内ではなく、自動昇格圏内へと突き抜けることが今季のチームに求められることだ。

 そのためにはジャイールやケンペスらを筆頭とした新戦力の活躍がポイントだが、2月17日に行われた「ちばぎんカップ」では米倉の2ゴールと新加入のナム・スンウのゴールで天皇杯王者・柏レイソルに3対0と完勝。ジャイールは前線で起点となる働きをみせ、さらにドリブルとクロスは相手の脅威となっていた。直近に行われた韓国のチームとのトレーニングマッチでも4本計3得点0失点と順調な仕上がりを覗わせる。

 今季のJ2は未だかつてなくハイレベルを予見させるが、圧倒的なベースに上積みできたこと、そして現時点の不安要素の少なさという観点で、千葉が一歩リードしている印象である。(※それぞれA~Eランクで診断)

【了】


FWのサブに名を連ねるJEFの深井である。
深井もベテランの域となり、勝利のためにどのように貢献すべきかわかってきたところ。
悲願のJ1昇格のため尽力するのだ。
再び対戦する日を楽しみにしておる。

鳥栖戦レビュー

2013年03月03日 | Weblog
【J1:第1節 鳥栖 vs 鹿島】レポート:34分の1試合なのか、開幕ダッシュのための最初の試合なのか…。チーム作りの難しさを勉強させられた開幕戦。鳥栖も鹿島も“らしさ”を出した試合は、課題も期待も知ることができた一戦となる。(13.03.03)
3月2日(土) 2013 J1リーグ戦 第1節
鳥栖 1 - 1 鹿島 (14:04/ベアスタ/12,728人)
得点者:32' 大迫勇也(鹿島)、71' 豊田陽平(鳥栖)


結果を得るためには、偶然の成せる業もあるだろうが、布石を打つことも大事な要素である。結果をみると1-1の引き分けだが、そのお互いの得点にはサッカーの持つ“流れ(試合経過)”が大きな要因であることを知らしめてくれる。この試合のプレビューでは、『守備にもついて触れさせていただくつもりで…』と記したが、それもこのレポートの布石になっていようとは、筆者自身も驚いている次第である。時間のある方は、プレビューを読み返し、録画された映像を併せてこのレポートを読んでいただきたい。鳥栖というチームと鹿島というチーム、それぞれの監督のチームに作りに対する考え方を見ることができるだろう。

まず見て欲しい場面は、32分鹿島の大迫勇也の得点シーン。右CKから中央にいたダヴィのヘディングが流れ、ファーサイドで大迫のボレーシュートが決まったシーンである。鳥栖は、CKなどの対応はゾーンで守備をする。相手の選手をマークして自由にヘディングなりをさせないというわけでなく、入ってきたボールに対して強くいくことができる守り方を選択している。ここで、強くボールを弾くことができないと、ボールはゴールから遠ざけることはできない。これができなかったから鹿島に先制を許したシーンである。

次に見て欲しい場面は、9分の右サイドからの鹿島のFKシーン。ここでも鳥栖はゾーンで守っている。約40m地点からのFKだが、ファーサイドには中田浩二が走り込んでいる。23分のFKでは、ファーサイドに誰も流れていなかったので鳥栖の失点(鹿島の得点)にはつながらなかった。同様に23分の右CKでは、ファーサイドにジュニーニョがフリーとなっている。24分の左CKでもファーサイドにジュニーニョがフリーとなっているし、野沢拓也にボールがながれシュートを放っている。27分の左CKでは、ファーサイドの岩政大樹に高橋義希がマークに付くが、その横の中田浩二はフリーな状態である。

ここに列挙したのは、『フリーの選手を作るな』ということでなく、鳥栖が入ってくるボールに対して『強く行けてない』ということを知って欲しいことである。繰り返しになるが、ゾーンDFではボールに対して強くいかないと、ボールをゴールから遠くにおくことはできないのだから。32分の大迫勇也のボレーシュートも見事だが、ここまでの鹿島のセットプレーに対するファーサイドの意識の仕方も素晴らしいと感じる。セットプレーでの形をキャンプ中から徹底して作り上げてきたのであろう。今季の鹿島のセットプレーには要注意である。

さて、今度は鳥栖を見てみたい。71分に豊田陽平の力強い突破で同点に追いついたのだが、「岡田翔平が入って前線のところで活性化することができた」(尹晶煥監督)ことも、「追いつかれる前あたりから勢いに乗せてしまった」(岩政大樹)ことも大きな流れといえる。この流れの布石のシーンが、33分に高橋義希が鹿島ボールをインターセプトしてペナルティエリアまで運ぶシーンではないだろうか。先制点は奪われたものの「前半から、鹿島のCBにボールが入った時の狙い目を感じていた」(池田圭)のは全員の共有意識だったようだ。その意識を実践したのが後半に入ってから。後半の立ち上がりこそ、鹿島の押し込むシーンは見られたが、確実に鳥栖のプレス位置が高くなっていた。この高いプレスは、53分の池田のプレーに代表される。一度は、鹿島に奪われたが、すぐに池田のプレスが効いて鹿島の陣内でボールがとどまった。これで、完全に鹿島の勢いが落ちた。65分のスピードある岡田翔平の投入も鹿島DFの足を止めるには効いた。もちろん、ハーフタイム中の尹晶煥監督からの「皆でやるべきことをもう一度やろう」という言葉を全員が実践できたからでもある。それが、71分の豊田陽平の同点ゴールへとつながった。偶然ではなく、数々の布石が生んだゴールといえるだろう。そして、ここにあげたシーンは手元の集計なので、読者諸兄の目でも確かめて頂きたい。

鳥栖の前半のセットプレーの守備、後半の前線からの守備についてレポートしたが、鹿島も守備の意識は高かった。「非常に去年は失点数が多かったということを見てもらえばまずディフェンスをしっかり構築しなければいけないわけであって・・・」とチーム作りの過程であることも添えておかないといけない。水戸とのTMを終えた翌日(28日)に35分×2本の紅白戦を行ったという。開幕戦に向けてというより、今シーズンの最終節順位を見越しての試合だったのだろう。この試合で得た課題も次節に生かされるに違いない。

鳥栖も順調なキャンプを終えたが、開幕戦という独特の雰囲気の中で、鳥栖らしさを最初から出すことはできなかった。鹿島も昨年の課題を修正するべく、その過程の中での開幕戦だった。監督の描くチーム作りの結果を見ることができるのは、まだまだ先のことなのである。この試合だけでなく、チーム作りの難しさも知ることができた開幕戦だった。

攻撃の反対には守備がある。得点が生まれれば、相手は失点を負うことになる。ボールを保持すれば、相手は奪取しにくる。これがサッカーであり、見ている側は歓声と悲鳴を織り交ぜる。今年もシーズンが始まった。予測できないドラマに心を馳せながら、勝手な思い込みで贔屓チームを応援しよう。サッカーは、それが許されるスポーツなのだから。


以上
2013.03.03 Reported by サカクラゲン


鹿島のセットプレイに関して解説する鳥栖視点のレポートである。
こう分析されると、今季の鹿島のセットプレイが如何に驚異かと感じさせられる。
事実、この鳥栖戦に於いて大迫のゴールが生まれておる。
昨季はセットプレイが機能せずに苦労した記憶があるため、今季は厳しい試合に於いても勝ち点を拾っていけるのでは無かろうか。
望むような試合展開にならずとも、セットプレイで得点を積み重ねて行くのだ。
強い鹿島の伝家の宝刀に期待である。

山形・石川・中島、左サイドを制圧

2013年03月03日 | Weblog
2013シーズン戦力補強診断J2編 ~モンテディオ山形~
フットボールチャンネルでは開幕に向けて、J2各クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨シーズン前半戦を首位で折り返しながら、昇格を逃したモンテディオ山形を占う。

2013年03月02日
text by 編集部


昨季脆さを露呈した守備力を強化 奥野体制2年目はスタイルの浸透を

 攻撃的なスタイルへの切り替えに挑んだ奥野体制1年目は、シーズン後半に失速。目標に掲げたJ1復帰はおろか、プレーオフ出場すら逃した。が、前半戦は首位で折り返しているように個々の能力は高く、間違いなく力のあるチームだ。今季は昨季足りなかったものを積み上げ、再度J1復帰を目指すシーズンとなる。

 上積みすべき点。それが後半戦に脆さを露呈した守備面の強化。この点には、センターバックに横浜FCからベテランの堀之内、大分から作田を獲得し、思い描く補強に成功したといえる。 

 永田、船山、ブランキーニョといった主力が抜けた中盤には、水戸からロメロ・フランク、愛媛からレンタルバックした伊東を加えた。しかし、フォワードの上積みはなし。標榜する攻撃的なスタイルへの転換は、既存戦力のレベルアップと戦術浸透でカバーするという状況だ。

 まずは守備の立て直しに目途を立て、その上に奥野スタイルを浸透させる2年目。その先にJ1復帰が見えるシーズンとなるのではないだろうか。

2013シーズン 戦力の入れ替え

IN OUT
林陵平〔完全移籍/柏〕 太田徹郎〔完全移籍/柏〕
比嘉厚平〔完全移籍/柏〕 前田和哉〔完全移籍/北九州〕
常澤聡〔完全移籍/FC東京〕 船山祐二〔完全移籍/福岡〕
堀之内聖〔完全移籍/横浜FC〕 宮本卓也〔完全移籍/福岡〕
作田裕次〔完全移籍/大分〕 永田亮太〔完全移籍/草津〕
中村太亮〔完全移籍/京都〕 鈴木雄太〔完全移籍/湘南〕
中島裕希〔完全移籍/仙台〕 中野圭〔完全移籍/佐川印刷SC〕
ロメロフランク〔完全移籍/水戸〕 川島大地〔期限付き移籍期間満了/鹿島〕
伊東俊〔期限付き移籍から復帰/愛媛〕 岡根直哉〔期限付き移籍期間満了/清水〕
キムボムヨン〔新加入/建国大学(韓国)〕 ブランキーニョ〔期限付き移籍期間満了/C大阪〕
イジュヨン〔新加入/成均館大学(韓国)〕 宮沢克行〔引退〕
谷村憲一〔新加入/盛岡商業高校〕 北村知隆〔未定〕
鈴木翼〔新加入/モンテディオ山形ユース〕 -

補強面と総合力それぞれの診断結果




モンテディオ山形・2013シーズン 予想フォーメーション

 昨季の前半戦は首位で折り返しながら、後半に失速して10位。その最大の要因は守備の脆さ。懸念されていたセンターバックには浦和時代にアジア制覇に貢献したベテランの堀之内、対人に抜群の強さを誇る作田が大分から加入。十分に人材は揃ったといえるだろう。

 船山、永田、ブランキーニョといった主力が抜けた中盤の穴には、キープ力の高さとゴール前への飛び出しを兼ね備える実力者、ロメロ・フランクを獲得。愛媛からレンタルバックした伊東とは青森山田時代の同級生という気心とプレースタイルを熟知する仲だ。ただし、その他のメンバーは高卒や大卒など未知数であり、マイナス分がやや上回る印象。フォワードの補強もなくインパクトがほしかったところではある。

 それでも宮坂、秋葉、中島、山崎といった実力者たちは残留しており、奥野体制2年目は、個々が成長しながら戦術理解の精度をあげ、目指す攻撃的なスタイルへの転換を模索することになる。


 
 昨季前半戦に首位通過したことが証明しているように、やはりJ1で揉まれた質の高い選手たちが揃っているという印象の山形。特に中盤の個々の質は高く、秋葉、宮坂、山崎、中島らが構成する今季も変わることはない。

 宮坂は昨季がルーキーイヤーだったとは思えない堂々としたパフォーマンスで、特に直接FKから5得点と前半戦のチームを牽引したキープレーヤーだった。そこに加入したロメロ・フランクも水戸時代に攻撃の心臓的な存在だっただけに、山形にフィットすれば、目指す攻撃スタイルへの転換は順調に進むものと思われる。ブランキーニョ、船山、永田らが抜けた穴を感じさせることはないだろう。

 昨季は後半戦に失速してからプレーオフ圏6位を上下し、最後まで突き抜けられなかった。その時期の不安材料だった守備を強化し、今季はどう出るかだが、目指すべき方向性をぶらす必要などまったくない。

 昨季前半戦に見せていた、意図のあるパス回しと人の流動性に長けた攻撃スタイルは、山形の魅力的そのものだった。今季はその奥野スタイルをさらに追求してもらい、じっくりとJ1復帰を目指してほしいチームである。(※それぞれA~Eランクで診断)

【了】


府道の左サイドバックとして君臨する山形の石川と左のMFを任される中島である。
二人が左を制すれば、勝利を呼び込むことが適おう。
それを指導するのは、鹿島の左サイドを担った相馬コーチと相馬にコーチングを出し続けた奥野監督である。
山形の躍進は彼等にかかっておる。
今季末に笑顔がこぼれるよう期待しておる。

曽ケ端、チームと地元に対する愛が育む“継続するチカラ”

2013年03月03日 | Weblog
チームと地元に対する愛が育む“継続するチカラ”


プロフィール 1979年茨城県鹿嶋市生まれ。Jリーグ、鹿島アントラーズ在籍のプロサッカー選手。ポジションはゴールキーパー。小学校2年生の時に、地元の 「波野サッカー少年団」 でサッカーを始め、小学校3年生時からゴールキーパーとして活躍した。1995年に鹿島アントラーズユースに入団。1998年にトップチームに昇格を果たす。2001年、当時の正ゴールキーパーに替わりレギュラーに定着して以降、15年にわたりチームのゴールマウスを守り続けている。2012年にはクラブ公式戦通算最多出場、リーグ戦クラブ最多出場、クラブ公式戦通算500試合出場をそれぞれ達成。常勝軍団、鹿島アントラーズの “守護神” として多くのサポーターに愛されている。

ユースチームを経て鹿島アントラーズに入団して以来、15年間にわたってゴールを守り続けてきた “守護神” 曽ヶ端準選手。驚異的なのはレギュラーとして活躍を続けている年数だけではない。毎シーズン、ほぼフル出場を果たし、2012年度にはクラブ公式戦通算最多出場やリーグ戦クラブ最多出場などの記録を打ち立てていることだ。長きにわたりコンディションを維持し、ハイパフォーマンスな仕事を続けることは、肉体を酷使するスポーツ選手にとって並大抵のことではない。その “継続するチカラ” は一体どこから生まれてくるのか。鹿島アントラーズ一筋でキャリアを歩んできた曽ヶ端選手の、ゴールキーパーとしてのクロニクルを紐解きながら、その秘密に迫ってみたい。


キーパーを目指した理由



 小学校2年生の時に、地元のサッカー少年団に参加したのが私のサッカー人生の始まりでした。当時は明確なポジションがあったわけではなく、メンバー全員がピッチに立って、仲良くボールを追いかけている感じでしたね。その後3年生となり、しっかりとしたチーム編成をすることになった時に、ゴールキーパーのポジションが空いていたんです。すると、コーチから 「やってみないか」 と聞かれたので 「やりたいです」 と答えました。というのも、私には2歳上の兄がいて、一緒に練習する際は自然と私がボールを受ける役割になっていたので、ゴールキーパーというポジションに抵抗を感じなかったんですよ。当時から身長も高かったから、体格的に有利だと判断した部分もあります。
 それと、「ゴールキーパーなら数多くの試合に出場できるのでは」 という計算も幼心にあったと思います(笑)。その少年団は大変レベルが高く強いチームでしたし、有能な選手もたくさんいましたからね。サッカーの魅力の一つは得点が決まる瞬間ですから、子供であればなおさら、得点を狙えるポジションを務めたいと思うでしょう? だから、「ゴールキーパーになるぞ」 という子がチームにはいなかったわけです。もしあの時、ゴールキーパーではなく他のポジションを選択していたら、私のサッカー人生はどうなっていたかわかりません。ゴールキーパーだからこそ、こうしてプロ選手となる夢を果たせたのではないかと思うこともあるんです。
 実はこれだけの間、ゴールキーパーというポジションを続けてきた今でも、得点へのあこがれと意欲はあるんですよ。現役中になんとか1点取りたいと思っていますからね(笑)。チームが負けている時のロスタイムに味方がコーナーキックのチャンスを得たら、私も敵陣に上がっていくことがあります。そんなシチュエーションでゴールを決められたら最高でしょうね。とにかく、PKでもどんな形でもいいから、1点ぐらいは取りたいと思っているんですよ。

ゴールキーパーは、求められるスキルも練習メニューも、他のメンバーとは大きく異なるポジジョンだ。チームの失点は全ての選手に責任があるとはいえ、最後の砦を守る役割であるがゆえに、批判の矢面に立たされてしまうこともある。こうしたことに、歯がゆさを感じることもあるのではないだろうか。

キーパーとして大切なこと



 私自身、どちらかというと短気な性格なので、若い頃にはチームメイトが決定的なチャンスに得点できなかったり、味方のミスで失点してしまったりした時などは、イライラすることがありました。また、その気持ちを抑えることができずに、思い切り態度や表情に出したこともあります。時には地面を叩いて怒りを露わにすることもありました。
 しかし、感情的になって苛立ちをそのままにしていると、プレーに必要な冷静さをなくしてしまう。そんな時に相手から攻められたら、判断を誤って失点につながるプレーをしてしまうかもしれません。感情的になることは間違いなく、プレーに悪影響を及ぼすのです。だから、とにかく味方のミスを気にしないよう、自分がミスを犯してしまった時も冷静でいるように自分に言い聞かせていました。 
 そのように、試合経験を数多く積みながら、自分のメンタル的な弱点を克服しようと努めてきた結果、徐々に自分をコントロールできるようになったのです。自分が冷静でさえいれば、ゴール前から見渡す味方選手がそれぞれどのようなメンタルでプレーしているのか、一目でわかります。たとえば目の前の味方ディフェンダーがイライラして熱くなっている時には、「落ち着け!」 と声をかけたり、ミスをしてしまい堂々としたプレーができなくなっている若手選手がいたら 「俺が後ろでカバーするからミスを恐れず思い切って行け!」 と勇気付けたりできるようになりました。
 こうした一言はとても大事だと思います。選手が試合中のミスをずっと引きずっているのはチームにとってもマイナス。一声かけることで、試合中に気持ちを切り替えてもらえるのであれば、いくらだって励ましますよね。それがチームの勝利につながるんですから。
 ゴールキーパーは単にゴールを守るだけではなく、ピッチ全体を見渡して、後方からチームをコントロールすることも役割の一つなんです。もちろんチームには、小笠原満男選手というキャプテンがいます。でも、チームをまとめるのは彼だけの仕事ではありません。彼を中心に、私と同世代の経験豊富な選手たちがそれぞれの役割分担というか、キャラクターを生かしながら若手選手へ助言をしたり、チーム全体がうまくまとまっていくような意識付けをしたりしています。私は後輩に対しては厳しく指導をするタイプかもしれません。でも、私の他に優しく諭してくれる選手がいますから、バランスは良いと思います。誰がどんな役割を果たすかを話し合っていなくとも、それぞれが自分の立場とやるべきことを自覚しています。もちろん、私が言うことの全てが後輩のためになるとは限りません。それでも私なりに、相手にとってプラスになればとの思いで的確な言葉を選び、話をしているつもりです。そしていざ試合になれば、ピッチ上の誰よりも冷静に的確な判断をすること。それがゴールキーパーにとって最も重要なことだと思います。とにかく、平常心です。

曽ヶ端選手は圧倒的な試合出場数を誇りながら、通算防御率は毎年常に上位をマークしている。こうした鉄人ぶりを発揮するには、怪我をしないための日々のコンディション調整、つまり徹底した自己管理が重要だ。毎試合100%の力を発揮するためのメンタルコントロールも欠かせない。妥協を許さず、常に一流の仕事をするための準備を “継続する力”。そして、試合中にベストパフォーマンスを披露するための “集中力”。この二つの力はどのような背景から生まれるのか。

“継続力”と“集中力”が生まれる背景



 シーズンがスタートする前のこの時期は、まずチームとして1つでも多くのタイトルを取ろうと目標を掲げます。そして個人としては全試合フル出場を果たすことを心に誓い、目標とします。一年を通して出場をし続けるとなれば、もっとも注意すべきなのは怪我の問題です。だから、当然ですけれど身体のケアは気にかけていますね。私は痛みに強いほうなので、これまでも多少の怪我であれば試合に出場してきました。でも、チームに迷惑をかけることはNGです。もちろん、私が出場できるかどうかを判断するのは監督やコーチですから、自分の状態を正確に把握しながら伝えていくことも大切です。
 全試合フル出場という目標を全うするため、日頃からあまり無理はしないようにしています。身体に多少の違和感を覚えたならば、早めに練習を切り上げますしね。私生活においてもそう。休みの日だからといって遊び歩いたりはせずに、家でゆっくり身体を休めるようにしています。もしかすると、私の妻や子供は不満かもしれません(笑)。でも、私がベストの状態で試合に臨むためのサポートをしてくれるので、助かっています。特に妻には、食事の面でも気を遣ってもらっていますからね。チームと自分の目標、それを達成するために、自分のコンディションをきちんと把握し、そのうえでやるべきことに取り組む。このチームで達成したいことがまだまだ沢山ありますから、全く苦にはなりませんよ。
 また、キーパーは集中力が求められるポジションです。試合展開によっては、相手チームがほとんど自陣に攻めてこないこともあります。しかし、ボールが近づいた時だけ集中すれば良いというものではありません。では、どのように集中力を維持するのかといえば、先ほど話した味方選手への声がけもその一つです。試合の流れをつかみ、状況に応じて適切な声がけをすることは、チームメイトのためだけでなく、自分の集中力を切らさないための行為にもなるわけです。
 また、試合前にする工夫もあります。たとえば私は、試合直前にいきなりボルテージを最大にするようなことはしません。テンションが上がりすぎてもよくないからです。スタジアムに足を踏み入れ、ウォーミングアップをし、ミーティングへと続く一連の時間の中で、徐々に気持ちを高めていきます。ゴールキーパーにはどこまでも冷静さが求められますので、試合に必要なメンタルをつくり出すため、特別なことはせずに淡々と行動し、自然とベストの状態に持っていくよう心がけているんです。

シーズン開幕前に、“全試合フル出場” という目標を掲げ、それに向かって冷静沈着に歩みを進めるという曽ヶ端選手。“継続” の中で得たものは何か? との問いかけに、これまでの淡々とした語り口が、熱を帯びたものへと変化していった。

地元愛とチーム愛が原動力に



 私が長く選手として頑張りたいという思いの裏には、地元であるこのクラブと応援してくださるサポーターの皆さんにずっと貢献し続けたいという気持ちがあります。小学生の頃からサッカーを始め、当時は 「生まれ育ったこの鹿嶋市にプロチームができたらいいな」、などと思ったりもしました。その夢が叶い、しかもそのチームに所属し、選手としてプレーができているんですよ。私にとって、これほど幸せなことはありません。そして、そんな私を支えてくれるサポーターの皆さんの思いに応えるために、一日でも一年でも長くプレーをし続けていかなくてはならないと思っています。
 最近は、Jリーグのチームに2~3年在籍した後に、海外のクラブチームへ移籍する若手選手も増えてきました。それらを否定するつもりは全くありません。でも、自分という選手の能力を最初に認めてくれたからこそ入団したチームに対して、何か恩返しをしてから移籍しても遅くはないと思うのも確かです。サポーターの皆さんも温かい声援を送ってくださるし、入団以来、自分を育て支えてくれたクラブなのですから。しっかり実績を残して、「あいつなら海外でも期待に応えてくれる」 と、チームのメンバーやサポーター、スポンサーの方々、誰もが認めてくれる選手になって気持ちよく送り出されるのが、理想の移籍ではないかと思っています。
 もちろん、所属チームが魅力的であるか否かによって状況も変わってくるでしょう。私が所属する鹿島アントラーズは、私にとっては、大変魅力的なチームです。このチームに在籍してきたことで、何度も優勝の喜びを味わうことができましたし、これからもずっと、そして何度だってその喜びを勝ち取りたいと思っています。それができるチームであるからこそ、ここを離れることなど全く考えられませんし、チームの優勝に貢献していきたいと強く思っています。

曽ヶ端選手には、人一倍強いチームや地元に対する愛情があることがわかった。それらの愛情は、最近の日本社会において、少しずつ薄れている感情のように思えるのだが。なぜ、それほどまでの愛情が注げるのであろうか。


チームと良い関係を持つために

 ホームタウンの地域性もあるのかもしれませんが、鹿島アントラーズでは、クラブとサポーター、スポンサーが一体となって、選手が力を発揮できるよう支援してくれています。私たちが全力でプレーできる環境を用意してくれるのが実感できるからこそ、私たちもそれに応えようという、シンプルな信頼関係の構図ができているのです。たとえばチームスタッフの方々は、対応が丁寧でスピーディ。頼んでいたことが、素早く確実に実行されるので非常に信頼しています。大切にされていると思うと、それに報いたいという意識が自然と強くなりますよね。だから、結果を出そうと選手全員が努力をする。長く貢献し続けようと、しっかり自己管理をする。そしてチームが一丸となれるように、それぞれが自分の役割を果たすようになる。誰かに言われるのではなく、自然とそうなるんですよ。だから、クラブと選手の関係が単にビジネスライクなものに終わらず、「全員がファミリー」 と感じられるのです。そんなクラブだからこそ私はこの、鹿島アントラーズに愛着を感じますし、もっともっと力を発揮して貢献していきたいのです。
 今後も、もちろんチームの核として長く活躍したいです。チームメイトは仲間ですが、ライバルであることも確かです。年下の選手からの突き上げもありますし、ポジション争いに勝たないことには試合に出場できません。だから、みんなと切磋琢磨していきたいですね。私もまだまだレベルアップを図れると確信していますので、この素晴らしいチームで頑張っていきますよ。




(インタビュー・文 伊藤秋廣 / 写真 Nori)

B-plusによる曽ケ端のインタビューである。
GKを“仕事”として語っておる。
やはりここで重要なのは、平常心であり、感情を交えてはならぬというところであろう。
サポーターは感情をぶつけにスタジアムに集まってくる。
その中で常に感情を殺し、冷静にプレイを行うことがGKにとって最も必要なことであろう。
この言葉を鹿島サポーターだけで無く、多くの働く人々に共有していきたいところ。
業務は平常心にて遂行するのである。
それが“仕事”を行うということである。
曽ケ端のプロフェッショナルな姿勢を我らも行っていきたい。

蔚山・誓志、開幕戦フル出場

2013年03月03日 | Weblog
Kリーグ蔚山に移籍の増田 フル出場で勝利に貢献
 鹿島から蔚山に移籍したMF増田誓志(27)が2日、Kリーグ開幕戦ホーム大邱戦で新天地デビューを果たし、2―1の勝利に貢献した。

 鹿島入団時と同じ背番号26を背負い、ボランチでフル出場。韓国特有の激しい当たりにも屈することなく、展開力とボール奪取能力の高さを見せた。今オフに鹿島からの残留要請や柏、川崎Fなどのオファーを蹴って海外挑戦を決意。「やっとスタートできた感じ。こっちに来て正解だった。一皮むけたプレーを見せたい」と語った。

[ 2013年3月3日 06:00 ]

Kリーグの開幕戦にて先発フル出場を果たした蔚山の誓志である。
チームも勝利し、幸先の良い出だしとなった様子。
誓志本人はKリーグ移籍を正解と述べており、一皮剥けたように受け取れる。
強いフィジカルを更に昇華させ、大きく成長して欲しい。
誓志の活躍を楽しみにしておる。

鳥栖戦報道

2013年03月03日 | Weblog
【鹿島】大迫先制弾もドロー悔やむ/J1

前半、相手DFをかわし先制ゴールを決め両手を広げる鹿島FW大迫撮影・多田篤)

<J1:鳥栖1-1鹿島>◇第1節◇2日◇ベアスタ

 鹿島はFW大迫勇也(22)が今季J1第1号となる先制弾を決めたが、鳥栖に追いつかれて白星スタートを逃した。

 前半32分、MF野沢拓也(31)の右CKをファーサイドに詰めると、FWダビ(28)が頭ですらしたボールを右足で押し込んだ。「決められてよかった。まあ勝てればよかったですけど」。ゴールに関しては喜んだが、勝ち点1にとどまった結果を悔やんでいた。
 [2013年3月2日19時2分]

大迫が五輪落選をバネに開幕1号/J1

先制ゴールを決め両手を広げる鹿島FW大迫(撮影・多田篤)

<J1:鳥栖1-1鹿島>◇第1節◇2日◇ベアスタ

 鹿島FW大迫勇也(22)が、今季のJリーグ第1号を決めた。鳥栖戦の前半32分、MF野沢拓也(31)の右CKをファーサイドにつめると、FWダビ(28)が頭ですらしたボールを右足でけり込んだ。後半は相手の猛攻を受けて引き分けに持ち込まれたが、14年W杯ブラジル大会を目指すストライカーが、開幕戦から結果を出した。

 常勝軍団の若きエースが、記念すべき“ファーストゴール”をたたき込んだ。前半32分、野沢の右CKの直前にファーサイドへ。ややカーブがかかったボールをダビが頭で後方へ流すと、大迫の足元へ絶好球が落ちてきた。間髪入れずに右足を振り抜くと赤星の股をすり抜け、ネットを揺らした。「最初から決められてよかった。何となく(ファーに)来そうだなって思ったんですよね」と抜群の嗅覚で先制点を生みだした。

 昨年の後半戦から好調を維持している。ロンドン五輪代表メンバーから外れて以降、公式戦では10得点。夏までの7得点を上回った。落選のショックは言葉を失うほど大きかったが、ジョルジーニョ前監督がFWの使命を思い出させてくれた。「もっとゴールを狙っていけばいいんだ」。ここで終わりじゃない。相手の裏をつく得意の形を前面に出して得点を量産した。「感覚で動いて取れるようにもなった」。年初から打ち出した「取れるものは全部取りたい」という全タイトル獲得宣言は、決してビッグマウスではなかった。

 ただ後半はじれったい時間が流れた。圧倒的な運動量で鳥栖の反撃を受け、鹿島の最終ラインがジリジリと下げられた。「前は2人だけになって、後ろからのパスもロングパスばかりでつながらなかった」。守備陣がクリアしたボールをダビとの連係で抜け出そうとするが、後方からの援護がない。最後まで改善できなかった。「相手のセカンドボールを拾う意識がすごかった。でも(経験できて)逆によかった。次にまたゴールも決められればいい」と苦戦を前向きにとらえた。

 宣言通りの開幕弾は決め、9日のホーム仙台戦での連発にも意欲を示した。全ては鹿島の優勝とW杯につながる1歩。「勝てなかったけど得点はプラスに考えたい」。有言実行の1年が幕を開けた。【湯浅知彦】
 [2013年3月3日7時6分 紙面から]


大迫、今季「Jリーグ1号」も鹿島ドロー

先制弾を決め、駆け出す大迫。ゴール量産を誓った

 J1第1節第1日(2日、鳥栖1-1鹿島、ベアスタ)鹿島のFW大迫勇也(22)が、今季J1の“初ゴール”。前半32分にMF野沢が右CKを蹴ると、遠いサイドで「来そうだな」と直感を働かせた。読み通りにFWダビが頭でそらしたボールが目の前に来ると、冷静に右足を振り抜いて先制点。6試合が午後2時キックオフのなか、名古屋が磐田戦で前半36分に記録したオウンゴールより4分早い得点だった。

 ただ、後半は相手に押し込まれ、シュートを打つ場面もなかった。試合も後半に追いつかれて1-1のドロー。それだけに、「勝てればよかったけれど…」とリーグ第1号にも笑顔はなかった。

 先発に30代が7人並ぶベテランぞろいのメンバーの中、22歳はプロ5年目で初の開幕戦ゴール。「最初だけじゃなくて、続けて取れればいい」と量産を誓う。

 2005年以来、8季ぶりに復帰したセレーゾ監督は今季J1でただ一人の新監督。白星で飾れなかったが、大迫については「去年からいい状態を保っている。あとは継続していくことを求めたい」と期待を込めた。
(紙面から)

大迫 今季J1号!A代表入り目指し「タイトル全部狙う」
J1第1節 鹿島1-1鳥栖 (3月2日 ベアスタ)


<鳥栖・鹿島>前半、先制ゴールを決め駆けだす鹿島・大迫(9)
Photo By 共同


 鹿島のFW大迫が今季Jリーグ1号ゴールを決めた。前半32分に野沢の右CKに反応。ダヴィが頭で反らしたボールを、右足ダイレクトで蹴り込んだ。2月15日のホンダロック戦、同24日のJ2水戸戦に続く、対外試合3試合連続弾。「感覚的にボールが来るかな、と思って待っていた。(今季Jリーグ1号だが)最初だけじゃなくて、続けていきたい」と振り返った。

 前監督との約束を果たすべく、新シーズンに臨んでいる。昨季まで指揮を執ったジョルジーニョ前監督は不調時も我慢強く先発起用し続けてくれた“恩師”。大迫がロンドン五輪代表から落選した際には友人の関塚監督に「間違った選択をした」とも言ってくれた。昨季終了後には「絶対にA代表になれ」との言葉を残されており「今季は1点でも多く取って、タイトルは全部狙いたい。その先にA代表があると思う」と燃えている。

 エースの先制弾も実らず、チームは運動量の落ちた後半に失点。シュート数7対14と劣勢の内容で引き分けに終わり、開幕戦は3年連続で白星なしとなった。4年ぶりのリーグ奪還へ厳しいスタートとなったが、大迫は「勝てれば良かったけど、点を取れたことをプラスに考えたい。ダヴィとの連係も悪くはなかった」と前を向いた。目標に掲げる14年W杯出場に向けて、貪欲にゴールを狙い続ける。
[ 2013年3月3日 06:00 ]

【鹿島】大迫弾、J一番乗り!代表入り猛アピール

前半32分、先制ゴールを決め駆けだす鹿島・大迫(中)

 ◆J1第1節 鳥栖1―1鹿島(2日・ベストアメニティスタジアム) 「20歳」を迎えるJリーグが開幕し、若い力が躍動した。鹿島はFW大迫勇也(22)がアウェーの鳥栖戦の前半32分に今季全チームの中で1号弾。試合は1―1で引き分けた。横浜Mは湘南との神奈川ダービーで途中出場のMF斎藤学(22)が後半38分の決勝ゴールなど1得点1アシストの大活躍。チームは開幕戦でのクラブタイ記録となる4得点を挙げ、4―2で08年以来の開幕戦勝利を飾った。シーズンは12月7日の最終節まで18チームが各34試合を戦う。

 常勝軍団のエースがザック・ジャパン入りを猛アピールした。前半32分だ。大迫はFWダヴィが頭でそらしたMF野沢の右CKに右足を鋭く一振り。「あの辺にいれば来そうかなと思った」。ストライカーの嗅覚で午後2時36分に2013年のJ第1号弾を決め、ダヴィと抱き合って喜んだ。8季ぶりに指揮を執るトニーニョ・セレーゾ監督(57)も「今いい状態を保っているから生まれた(ゴール)。継続するということを求めていきたい」と評価した。

 昨年はロンドン五輪代表に落選。「絶対に誰にも言わない」と悔しさを内に秘めた。点を取り続けることがA代表へつながる。「みんなもそう思っているところ。入らないといけないと思ってやっている」。今季「全タイトル獲得」を目指す中、まずは得点王へ第一歩を開幕戦で踏み出した。

 昨季後半はチーム事情から1トップもこなしたが、ダヴィが加入したことで今は2トップが基本布陣になった。「どちらも大丈夫。競らせてくれるボールが入れば収められる」と自信を見せる。さらに「(野沢)拓さんもいる。いいボールが来るのでやっていて楽しい」とやりがいを感じている。

 チームは後半、運動量豊富な鳥栖に攻め込まれ、1点を守りきれなかった。それでも、「勝てれば良かったですけれど、点を取れたことはプラスに考えたい。最初だけではなく続けていければ」と前を向いた。

 これで、大迫が得点した公式戦は20戦負けなしとなった。アウェーで獲得した勝ち点1。昨年はスタートダッシュに失敗し、11位に終わっただけに、次節の仙台戦(9日・カシマ)でも背番号9の活躍が求められる。

 ◆大迫 勇也(おおさこ・ゆうや)1990年5月18日、鹿児島・加世田市(現南さつま市)生まれ。22歳。3歳でサッカーを始める。08年度全国高校選手権得点王。09年、鹿児島城西高から鹿島入り。同年3月15日の新潟戦でJリーグデビュー。初ゴールは同年4月12日のF東京戦。J1通算107試合22得点。血液型O。182センチ、73キロ。
(2013年3月3日06時05分 スポーツ報知)

鹿島の大迫が今季J第1号
共同通信2013年3月2日 18:25

 鹿島の大迫が今季J1の“初ゴール”を決めた。前半32分に野沢が右CKを蹴ると、遠いサイドで「来そうだな」と直感を働かせた。読み通りにダビが頭でそらしたボールが目の前に来ると、冷静に右足を振り抜いて先制点を決めた。
 後半は相手に押し込まれ、シュートを打つ場面もなかった。それだけに「勝てればよかったけれど…」と、リーグ第1号にも笑顔はなかった。
 先発に30代が7人並ぶベテランぞろいのメンバーの中、22歳はプロ5年目で初の開幕戦ゴール。「最初だけじゃなくて、続けて取れればいい」と言えば、セレーゾ監督も「去年からいい状態を保っている。あとは継続していくことを求めたい」と、今後に期待した。(ベアスタ)

「手ぶらよりいい」 鹿島のセレーゾ監督
共同通信2013年3月2日 18:28

 鹿島のセレーゾ監督は2005年以来、8季ぶりのJリーグ復帰戦を白星で飾れなかった。それでも「前半は素晴らしい試合をした。後半にホームチームが盛り返してくるのは想定内」と冷静に振り返った。
 今季J1でただ一人の新監督だが、00~05年に鹿島でリーグ通算98勝と実績は十分だ。ドロー発進にも「アウェーなので手ぶらで帰るより、勝ち点1を持って帰れるのはよかった」と前向きにとらえた。(ベアスタ)


大迫一色の各紙である。
2013年シーズンJリーグ第一号となった大迫のゴールはアウェイの地から勝ち点を持って帰る貴重な得点となった。
大迫本人はファー側にボールが来そうと野生の勘が働いたことを語っており、得点感覚の冴えを感じさせる。
この調子を維持し、得点を積み重ねて行って欲しい。
鹿島の大迫が日本の大迫へ飛躍する様を追っていきたい。
楽しみにしておる。