日銀の白川総裁がCFRで講演しています。
陰謀論者なんかからは、ロックフェラーのナントカだ~、みたいに言われるCFRですがね。
Japan’s Great Earthquake: Societal Resilience and Determination to Reconstruct
ここのブログはyoutubeとかニコニコじゃないと貼れないんで、リンクだけなんですが、リンク先にフルビデオがくっついてます。今度の地震が日本経済に与える影響ってことで、こういう詳しい講演は他では出ていないんじゃないですかね。
総裁ってガバナーと呼ばれるってのは初めて知りましたな。どこの知事が紹介されてんのか、と思ったら白川さんでござんした。総裁の英語は、ぼそぼそっと抑揚がなくて、日本語で喋るときと同じで語尾がはっきりせず、ってか省略しちゃってて、クフっクフっと咳払いも途中で入るんですが、これどっかで聴いたことあるな、と思ったらアニメのサウスパークで、日本人が登場した時の英語とそっくりです。まさか白川さんがモデルだったりして。
サウスパークサイト
どのエピソードか忘れましたが、日本人が出てくるんですな。
サウスパークはご存知の方もいらっしゃると思いますが、メチャ面白くてはまります。
さて、白川総裁。元ニューヨーク連銀総裁から紹介されてますが、白川さんはニューヨークに駐在していたことがあって、その後、物凄く出世し始めて総裁まで上り詰めた、ってことですね。米国金融界の覚えめでたかったんで、ってことなんですかね。なんとなく、ニューヨーク連銀のおっさんは恩着せがましく言ってるようにも聞こえるんで。
それは良いとして、講演は、普通の内容で、あんまし印象的ではありません。後半のQAの方が面白いですな。
復興債を日銀は引き受けるか、と聞かれて
反対だ。マーケットは日本国債を十分に相応の値段で引き受ける余裕があるんで、そんなこと必要ないし、日銀が介入すると通貨に対する信頼が揺らぐ。政府も一般の日本人も反対する。
日銀は金を買い入れる予定があるか、と聞かれて、無い。
原発政策は見直されることになるか。
日銀総裁に分かるかいな。
で、ここなんですが、
日本の長期のデフレについてどう考えるかと聞かれて、
日本のデフレは、30年代の30%ものデフレとはハナシが全くちがってて、98年から始まっているがほんの4%落ち込んだに過ぎない。しかも経済が縮小しているわけじゃない。デフレ傾向は改善していっている。
当時から日銀は頑張っててその頃の、バランスシート拡大はFRBより拡大幅が大きい
日本のデフレは、労働人口の減少と、労働生産性の改善が進まないことによる。
という従来の主張を繰り返しておられます。日銀はやることやってます、責任ございませんって感じですが、確か、この主張は日経で読んだ記憶があるんですね。
ただ、わたしゃ白川さんの講演をフルで映像で見たのは実は初めてなんですが、これを聞いて、ハナシ方は変だとしても、おっしゃってることは、とってもまともな感じがしましたね。原発事故の政府や東電の記者会見での受け答えなんかを見てると、官僚答弁で、見なれた風景ではあるんですが、いい加減うんざりなのと比べて、白川さんはきちんと答えてますよね。よく詳細まで把握されてて、分かりやすいし、説得的でありますね。
見た目、悪いことできない良い人そうで、日本のリーダーっぽくないんですが(=タヌキとか妖怪っぽくない)、実務はとっくに卒業して、人を化かすことだけが得意技になってしまったタヌキとか妖怪より、こういう実務をよくわかった人がトップに居た方がいいような気がしますな。
聴衆にも受け入れられている雰囲気がよく伝わってきますね。
というわけで、総裁の他の講演が無いンか、とテキトーに探していると、この動画を見つけたんですが、
白川方明 日本銀行総裁 2010.5.31
まあ、もう一年前なんですがね。来年はデフレは脱却して物価はプラスに転じるとされてますな。需給バランスが改善して、それが価格に反映するのに、経験上1年程度かかる、だから11年度は・・・、と分かりやすいです。今年に入って確かに物価が上がり始めているのかも知れませんが、これは、食料や原油だとか、円安とダブルで輸入物価が上がってるってのもあるんでしょうけどね。
生産性向上を語るに、イノベーションを持ってきて、イノベーションを語るに、シュンペーターを持ってきて、
シュンペーターを語るに、イノベーションは単なる技術革新だけじゃなくて、4つあるんだ、それは・・・、と結構なところまで踏み込んだ論理構成になってます。
労働人口の減少に対しては、女性や老人の活用が大事だ、とか、この変になってくると、デフレの正体の藻谷さんの議論と同じですな。生産性を上げるのに、人件費なんかのコストカットだけ考えてちゃだめだ、という論点も全く同じです。
いや、白川さんの講演は、ああ、講演聞いた、満足した、っていう充足感があるんですね。中身があるといいますか、きちんと検証・反論も可能な構成になっていてフェアな感じもしますな。少なくとも、何を言っているのかわからないとか、いろいろ解釈しないとわからない、ということは全くありません。
意外だったんでちょいとびっくりしました。
陰謀論者なんかからは、ロックフェラーのナントカだ~、みたいに言われるCFRですがね。
Japan’s Great Earthquake: Societal Resilience and Determination to Reconstruct
ここのブログはyoutubeとかニコニコじゃないと貼れないんで、リンクだけなんですが、リンク先にフルビデオがくっついてます。今度の地震が日本経済に与える影響ってことで、こういう詳しい講演は他では出ていないんじゃないですかね。
総裁ってガバナーと呼ばれるってのは初めて知りましたな。どこの知事が紹介されてんのか、と思ったら白川さんでござんした。総裁の英語は、ぼそぼそっと抑揚がなくて、日本語で喋るときと同じで語尾がはっきりせず、ってか省略しちゃってて、クフっクフっと咳払いも途中で入るんですが、これどっかで聴いたことあるな、と思ったらアニメのサウスパークで、日本人が登場した時の英語とそっくりです。まさか白川さんがモデルだったりして。
サウスパークサイト
どのエピソードか忘れましたが、日本人が出てくるんですな。
サウスパークはご存知の方もいらっしゃると思いますが、メチャ面白くてはまります。
さて、白川総裁。元ニューヨーク連銀総裁から紹介されてますが、白川さんはニューヨークに駐在していたことがあって、その後、物凄く出世し始めて総裁まで上り詰めた、ってことですね。米国金融界の覚えめでたかったんで、ってことなんですかね。なんとなく、ニューヨーク連銀のおっさんは恩着せがましく言ってるようにも聞こえるんで。
それは良いとして、講演は、普通の内容で、あんまし印象的ではありません。後半のQAの方が面白いですな。
復興債を日銀は引き受けるか、と聞かれて
反対だ。マーケットは日本国債を十分に相応の値段で引き受ける余裕があるんで、そんなこと必要ないし、日銀が介入すると通貨に対する信頼が揺らぐ。政府も一般の日本人も反対する。
日銀は金を買い入れる予定があるか、と聞かれて、無い。
原発政策は見直されることになるか。
日銀総裁に分かるかいな。
で、ここなんですが、
日本の長期のデフレについてどう考えるかと聞かれて、
日本のデフレは、30年代の30%ものデフレとはハナシが全くちがってて、98年から始まっているがほんの4%落ち込んだに過ぎない。しかも経済が縮小しているわけじゃない。デフレ傾向は改善していっている。
当時から日銀は頑張っててその頃の、バランスシート拡大はFRBより拡大幅が大きい
日本のデフレは、労働人口の減少と、労働生産性の改善が進まないことによる。
という従来の主張を繰り返しておられます。日銀はやることやってます、責任ございませんって感じですが、確か、この主張は日経で読んだ記憶があるんですね。
ただ、わたしゃ白川さんの講演をフルで映像で見たのは実は初めてなんですが、これを聞いて、ハナシ方は変だとしても、おっしゃってることは、とってもまともな感じがしましたね。原発事故の政府や東電の記者会見での受け答えなんかを見てると、官僚答弁で、見なれた風景ではあるんですが、いい加減うんざりなのと比べて、白川さんはきちんと答えてますよね。よく詳細まで把握されてて、分かりやすいし、説得的でありますね。
見た目、悪いことできない良い人そうで、日本のリーダーっぽくないんですが(=タヌキとか妖怪っぽくない)、実務はとっくに卒業して、人を化かすことだけが得意技になってしまったタヌキとか妖怪より、こういう実務をよくわかった人がトップに居た方がいいような気がしますな。
聴衆にも受け入れられている雰囲気がよく伝わってきますね。
というわけで、総裁の他の講演が無いンか、とテキトーに探していると、この動画を見つけたんですが、
白川方明 日本銀行総裁 2010.5.31
まあ、もう一年前なんですがね。来年はデフレは脱却して物価はプラスに転じるとされてますな。需給バランスが改善して、それが価格に反映するのに、経験上1年程度かかる、だから11年度は・・・、と分かりやすいです。今年に入って確かに物価が上がり始めているのかも知れませんが、これは、食料や原油だとか、円安とダブルで輸入物価が上がってるってのもあるんでしょうけどね。
生産性向上を語るに、イノベーションを持ってきて、イノベーションを語るに、シュンペーターを持ってきて、
シュンペーターを語るに、イノベーションは単なる技術革新だけじゃなくて、4つあるんだ、それは・・・、と結構なところまで踏み込んだ論理構成になってます。
労働人口の減少に対しては、女性や老人の活用が大事だ、とか、この変になってくると、デフレの正体の藻谷さんの議論と同じですな。生産性を上げるのに、人件費なんかのコストカットだけ考えてちゃだめだ、という論点も全く同じです。
いや、白川さんの講演は、ああ、講演聞いた、満足した、っていう充足感があるんですね。中身があるといいますか、きちんと検証・反論も可能な構成になっていてフェアな感じもしますな。少なくとも、何を言っているのかわからないとか、いろいろ解釈しないとわからない、ということは全くありません。
意外だったんでちょいとびっくりしました。