yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

リニアとJR北海道の条

2013-09-24 00:18:54 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
 JRを巡る二つの大きな話題が新聞紙上を賑わしている。片方は肯定的に、もう一方は否定的に。

 しかし私にはこの根は一つにしか見えない。国鉄を解体し、「民営化」という営利中心主義、効率主義に舵が切られた時点から予想された事態だからである。

 まるでこれはTPPが営利の確実な大企業を保護し、補助、保護なしては守れない地方を切り捨てるのと同じ構図だ。TPPこそ、まさに第二の国鉄「民営化」なのである。この先に見えるものは、地方文化の切り捨て、即ち日本文化の独自性の喪失に他ならないのである。

 リニア建設のためにJR東海は4兆円ともいわれる資金を独自に用意するという。これ即ち、「民営化」以後、JR東海はこれだけの巨額の利益を確保しているということだろう。一方でJR北海道は鉄道事業にとって生命線である「安全」にすら資金を回せないほど疲弊しているのである。

 しかし、こんなことは「民営化」時点からわかりきっていたことである。JR北海道の「民営化」の「メリット」は何だったのか。国労などの組合員の大量解雇による人件費の削減だ。特に保線区などに大量にいた組合員の首を切ることによって、人件費による経営の圧迫を削減し、運営しようとしたのだから。最初からJR北海道の「安全」は放棄されていたのである。事実、現在のJR北海道の保線関係の職員構成は極めていびつだという。50代の職員と30歳代以下の職員が大半で40代の中堅がいないという。保線や車両という技術の継承されなければ成り立ち得ない技術部門の現場職員を大量に解雇したからである。

 一方で、JR東海はもともと新幹線部門にH非組合員で組織されていた。非組合員でなければ新幹線に乗せてもらえなかったのである。その上、新幹線が黒字になることは誰が見ても明らかであった。これまではその黒字分をJR北海道や、四国、九州の赤字路線に配分して均衡を保ってきた。地方の足はこうして確保されてきたのだ。しかし、国民の金をうまくだまし取って新たな技術開発をし、世界に売り込めるものを造りたかった国家は、わかりきったJR東海への利益の集中を実行したのである。

 それは見事に成功した。そして、偶然?その矛盾がJR北海道の事故となって現れた。但し、これを隠したい政府マスコミは、リニアをもてはやし、JR北海道の事故を、個別事業者の「怠慢」としてかたづけようとしている。おそらく、JR北海道の天下り社長は引責辞任して幕引きなのだろう。でも、前社長が自殺して詫びようとしたことから判る通り、元々無茶なのだ。真面目な前社長は自ら命を絶つことによって事故被害者に対して責任をとったのだと思う。そして現社長は、問題が内包されていることを承知で、おそらく、問題が起きてもその責任はとらなくてもいいからと、説得されて赴任したに違いない。きっとこの後社長が交代してもこの社長はどこか別のいいところに、こっそり、再就職するに違いない。

 そして結局誰も責任はとらず、国民だけが事故の恐怖を抱えながら乗車することになる。だって、なくなれば困るもの。泣き寝入りさせられるに違いない。

 
 それにしてもリニア、なんでこんなもんがいるのか?駅ができる行政は大喜びだというが、本当にあんな途中駅に人が降りるのだろうか。40分で名古屋東京が結ばれるというのに、その途中駅に止まっていては時間のロスに違いない。そもそも早く行きたい人が乗るのだから途中で降りる必要などない。地元は名古屋や東京に直結するから喜んでいるというが、地方空港と同じ運命に陥ることは見え見えだ。地方の住民が利用するくらいでリニアが儲かるとはとても思えない。大半は直行利用者だろう。だから、景色なんて見る必要性がないのだ。

 それをマスコミのセンチメンタル報道は、「景色が見えないなんて・・」と的外れな批判しかできない。ホント、笑ってしまう。

 では何のためにリニアに奔走するのか。原発と同じで海外に売り込むためだ。日本は平地を走らせるには巨額の金がかかるが、アメリカや中国、ロシアでは地上に走らせ、なおかつ、長距離を高速で結ぶことが可能だ。これらに売り込めば十分元が取れるという算段だ。結局日本国民は巨額の乗車賃を払って開発費を捻出し、その成果は開発企業の懐に転がり込んで、国民には何にも還元されない。もちろん、一部の投資家やJR東海に巣くう企業群は大儲けする。

 もちろんその利益はJR北海道以下赤字で悩む九州や四国にも回らないから、廃線や事故の恐怖におののきながら国民が利用し続けることになる。

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追伸

 それにしても腹が立つ原巨人の優勝。長島を超えただの、素晴らしい采配だっただの、絶賛の嵐だ。馬鹿げている!!だって、誰が見ても長島は監督の器じゃない。でもその能力のなさがあの劇的な最終戦での優勝決定やらいろいろなはらはらどきどきを「演出」することになり、巨人ファンのみならず他チームのファンもそれなりに盛り上がったのだ。原の采配に楽しいことなど何もない。喜んでいるのは出してもらった選手とその家族だけ。

 これについては中日の高木守道監督が最も適切なコメントを出していた。

 「あの戦力があれば何もしないでも優勝できる」

 その通り!!誰がやっても普通に優勝できたのに、極めていやらしく、自分の子飼いの人間を作るために何度も「異動」のカードを切って脅し、従順にさせて配下に納めようとしたに過ぎないのである。だから、これに従わない小笠原や谷はあれだけの能力があり、これまで貢献してきたのに飼い殺し。従順な石井は(そりゃ西部をクビになって拾ってもらったんだもの、従順になるわな)、今年どんなに調子が上がらなくても使ってもらえる。これだけ嫌がらせをすれば、来年は自ずから「辞めます」「自由契約にして下さい」と言うに違いない。窓際族作戦そのものである(なお、二人とも古巣に戻るからセリーグでリベンジされる心配はないから大丈夫という計算もあるかも)。どこゾの企業のとったのと全く同じいじめ。これでは原に従順な人間だけの組織ができ、いずれ物言わぬロボット集団と化し、そして組織は解体する。組織とは反対意見を言う者も取り込んでこそ、活性化するのだ。いじめや権力で形成した組織の末路は既に見えている。

 頼みは広島だけ。昨日も今日も負ければよかったのに(だって、阪神が負けて優勝は決まったのだから)、勝ちやがって。かわいそう。是非、広島に阪神を破り、巨人を破って日本シリーズに出て優勝して欲しいのだ。

 もう一つ腑に落ちないのがヤクルト。三冠王(本塁打新記録バッター)と最多勝の可能性のある新人王最右翼のピッチャーがいて最下位!!普通に選考すればMVPはバレンテインだし、新人王は小川だもんね。きっと実際は嫌らしく変わるとは思うが。これまた、原があれこれ選手を異動させるから集中できず、タイトルを取れる人間が出ないのだ。ホント、惨めな采配!!