yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

第6回久留倍講演会「世界の遺跡のヴァーチャルリアリティー ~久留倍遺跡復元のために~」開催の条

2013-09-10 17:09:01 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
 久留倍遺跡講演会も今年で6回目を迎える。現在四日市市では遺跡整備委員会が立ち上げられ、具体的な整備案が検討されている。私もその委員の一人であり、様々な地域の遺跡整備のあり方を見てきた立場からいろいろな提案をしてきている。財政的な問題もあり、なかなか実現は難しそうであるが、市民の間で議論することは無駄なことではないだろう、ということで、今回は次の様なテーマで専門の先生方からご講演頂くことになった。

世界の遺跡のヴァーチャルリアリティー ~久留倍遺跡復元のために~

 史跡公園化事業の開始に当たり、新たな史跡整備の方法であるバーチャル・リアリティーの専門家の意見を紹介し、久留倍官衙遺跡の多様な立体復元の可能性を市民に提案します。
 最新の技術を用いた史跡整備は、市民の関心を高め、新たな誇りを与えてくれるに違いありません。市民が整備後の遺跡に「世界一」という誇りと自信を抱いて頂けるよう、世界の事例を下に、夢ある活用方法を提案する。

日時:2013年10月26日(土)開演午後1時 終了午後4時35分
会場:あさけプラザ 大ホール  近鉄線富田駅西口より北西へ約1Km(徒歩15分)

12:30 受付開始
13:00 開会挨拶
13:05 趣旨説明
 久留倍遺跡の立体復元に向けて~レバノンティールのローマ都市整備と戦車競技場のVRを参考に~
   三重大学 名誉教授  山中 章
13:20 講演1
長岡京の3次元景観モデルの構築を通してみえること
  講師: 立命館大学文学部 准教授       河角 龍典 先生
14:20 休憩
14:30 講演2
古代建築の復元と久留倍官衙遺跡八脚門
      講師: 奈良文化財研究所 遺構研究室長   箱崎 和久 先生
15:30 講演3
 史跡での復元表示について~鈴鹿関や東海の遺跡を中心としたVR/AR(仮想現実/拡張現実)システム~
  講師: 愛知県立芸術大学美術学部 教授   関口 敦仁 先生
16:30 閉会挨拶
16:35 終了

入場無料

今回の講師でもある関口先生に作成して頂いた鈴鹿関のVRの一部カットである。関東門を内側から見たところである。



鈴鹿関を通過する東海道とこれに接して置かれたであろう関務所を推定復元したものである。


レバノンテイール郊外の墓域の発掘調査が京都大学の泉拓良教授によって進められたが、その墓の一つをVR復元したものである。これもまた関口教授の協力の下作成された。レバノンは現在、シリアとの関係で大量の難民流入と、アサド政権と国内政治勢力との関係で極めて深刻な事態にあるが、テイールは世界遺産であり、その復元活用には大変熱心である。緊張状態が解消されれば再び文化遺産の整備活用に力がいれられるはずだ。五輪だ五輪だとゼネコンの儲け騒動に浮かれ、足下の文化をないがしろにする日本はそんなに遠い先の話ではない近いうちに、レバノンにも追い越され、文化の消え去ったコンクリートの嶋と化すのだろう。




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