ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「エウリディーチェ」

2016-03-14 21:49:43 | オペラ
1月23日川口リリアホールで、ジューリオ・カッチーニ作曲のオペラ「エウリディーチェ」をみた(演出:家田淳、指揮:濱田芳通、管弦楽:
アントネッロ)。

1600年10月、現存する最古のオペラ「エウリディーチェ」が初演された。作曲したのはぺーリというカッチーニの後輩に当たる男だった。
カッチーニはこの上演を不愉快に感じ、すぐに同じ台本で(!)別のオペラ「エウリディーチェ」を書き上げ、同年12月、ぺーリよりも先に
楽譜を出版した。そしてこれが彼が意地と執念で勝ち得た世界最古のオペラ譜となった。2年後、初演も果たした由。

死んだ妻を追って冥界まで行き、ついに許しを得て彼女を取り戻したかと思ったが…というあの有名なギリシャ神話のオルフェオとエウリディーチェ
の物語だが、これはフランス王アンリ4世とマリア・メディチの婚礼のために書かれたため、悲劇をハッピーエンドに変えてある。

その日本初演。カッチーニの他の作品からも数曲を加えた由。

オルフェオはリラと歌の名手で、太陽神アポロを父とする半神の英雄。エウリディーチェは妖精(!)で、二人は結婚したばかり。妖精たちや
羊飼いたちと世俗を離れた楽園にいるが、オルフェオが皆と語り合っていると、新妻が死んだという知らせが届く。
彼は冥界の入口にやって来る。女神ヴェーネレが彼を導いてやり、死者しか通さない三途の川の渡し守カロンテの脇をすり抜けて、彼は冥界に入る。
そこで彼が悲しみと懇願の歌を歌うと、心打たれた王の妻プロゼルピナと冥界の裁判官ラダマントが冥界の王プルトーネ(ハデス)を説得しようと
するが、なかなか首を縦に振らない。だがオルフェオの必死の嘆願とカロンテの助言で、ようやく願いは聞き入れられることになった。

とにかく進み方がゆっくりで長い。3、5時間!
しかも夕方5時に始まって、8時半に終わるとは…。ホール側の事情があるのだろうが、観客としてはこの時間帯はちょうど夕食時でもあり、
非常に困った。

アリアとアリアをつなぐオケの部分が軽快。

オルフェオが冥界の王プルトーネに切々と訴え、プルトーネの心が少し揺らぎ出すと、三途の川の渡し守カロンテが口添えして曰く、「地上に
生きる彼らの命はとても短いのです。どうせすぐここに戻って来るのですから、今は(エウリディーチェを)返してやったらどうでしょう」。
最終的にこの言葉に押されてプルトーネはオルフェオに愛妻を引き渡す。うーむ、そういうことか。いささかほろ苦い。

今回、歌手は難ありだったが、オケはよかった。


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