ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

音楽劇「三文オペラ」

2009-04-08 15:06:37 | 音楽劇
 4月6日、ブレヒト作クルト・ヴァイル作曲「三文オペラ」を観た(演出:宮本亜門、シアターコクーン)。
 チラシに「超刺激的な個性派キャスト」とあるように、ピーチャム役にデーモン小暮閣下、進行役兼女王役に米良美一、と大胆な布陣。結果は、好みにもよるだろうが、おおむね成功と言えるだろう。

 ジェニー役の秋山菜津子が出色。芝居はもちろん歌も素晴らしい。逆さ吊りになっても歌い続けたのには驚いた。マイクを使っていたからできたのだろうけれど。
 ポリー役の安倍なつみは声が可愛くて適役。
 ピーチャム夫人役の松田美由紀はセリフに妙な抑揚がつき過ぎていて聞こえにくい。演技も元気が良すぎる。もっと抑えてほしい。

 一つ違和感を覚えたのは、劇中歌の際、マイクで増幅し過ぎて声が割れてしまい、歌詞がよく聞き取れなかったことだ。非常に損をした気分。

 冒頭から進行役を務めた米良美一が、終幕真紅のドレスで女王陛下として登場。眩しくきらめく舞台が美しい(美術:松井るみ)。暗く汚い世界の話に、ブレヒトらしく皮肉っぽい形ではあっても最後に明るい救いの場面が用意されているのは聴衆にとっても有難い救いだった。

 ポリー役とジェニー役の音程が時々少し低めで、聴いていて辛かったが、恐らく退廃的な雰囲気を出すためだろう。でもそんな工夫をしなくても十分退廃ムードは出ているのだから、できればやめてもらいたい。

 衣裳(岩谷俊和)は刺激的かつ官能的。

 全体に、面白く、楽しませてもらったが、マイクの使用をもっと控えてくれたら歌詞がよく聞こえてくるのに、と残念だった。しかも、今回の歌詞は、主演の三上博史自らが担当したというのだからなおさらだ。こんなことも、稽古中に第三者に客席に座って聴いてもらえば解決することなのだが。

コメント
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