美しい地球環境を未来に!

最近の異常な気候はなんだか変だ!
地球温暖化のために「できる行動は?」役立つ情報を発信して行きたいと思っています。

オランウータンは誰のもの?

2011-05-11 21:43:02 | Weblog
先日のオランウータンの続きです。
インドネシアは、なぜ政府が日本の環境省の取り組んでいる
トキの保護活動のように絶滅まであと1分
といわれるオランウータンの保護活動に取り組まないのか?

取り組まないまでも なぜ、オランウータンンを自然復帰させる
保護林の確保にライセンスフィーをとるのか?

こんな疑問は、日本人なら普通に疑問に思われるでしょう?
わたしもこの疑問をボルネオオランウータンサバイバル財団の
理事長のブンガランサラギ博士に尋ねました。

その答えは意外なものでした。
日本人なら考えの及ばないような答えでした。

その答えは、
「インドネシアの国民にはまだたくさんの貧困者がいます。
 この人たちを放置して、オランウータンを支援することに
 国民の合意が得られないのです。
 だから政府もBOS財団を資金的に支援することができな
 いのです。」

間髪を入れない博士からの回答に
日本人には理解できない底深い国民感情が
あることを納得しました。

そういえば、
私がオランウータンの支援をはじめた15年前にホテルの
テールームでくつろいでいた時に後ろから

「宮崎はオランウータンを支援してるけど
 われわれ人間は支援してくれないのか?」

という発言を耳にして時のことを思い出しました。
自分でも「えっー」という印象を受けました。

確かに数年前には考えられなかったほどの経済発展をして
街は車やバイクがあふれて常時渋滞の状態になっています。

ショッピングセンターがあちこちにできて、商品があふれて
います。
でもその発展の陰に経済的に恵まれない人たちがたくさん
存在しているのも事実です。

バリックパパンの街中で車が信号待ちで止まった時に、
一見して貧しそうな中年女性が「お金頂戴!」と声をかけて
きました。

そんな現実をかかえて、オランウータンの支援どころではない
という認識は理解できますが、

オランウータンは地球上でインドネシアとマレーシアの一部に
しか生息していない貴重な動物です。

マレーシアはかなり以前から海外からの支援を受けて、保護活動を
積極的にしてきましたし、現在も多くの支援をうけていて、
エコツーリズムの資源としても活用されています。

インドネシアはオランウータンは見世物ではないという立場を
通してきて外部から参加しにくい環境を続けてきました。

本来森にすむべきオランウータンが檻の中で暮らすという
不自然さを解消しようにも、天然林が急速に破壊されてゆく
状況下ではほとんど不可能です。

そんな状況を解決するには、オランウータンのための保護林を
確保して、そこにリリースをしてゆく方法が唯一の残された道
です。
オランウータンの保護が必要というよりは
人類の平安な生活にとって、気候の安定が必要です。
私たち日本の気候の安定のためには、アジアの気候の
安定が必要です。
アジアの気候の安定のためには、インドネシアの熱帯雨林が
必要です。
その熱帯雨林の植生バランスを保ち守るためには
オランウータンの生息する森が一番です。
ですから、
オランウータンの保護は、
人類の未来の生活の安定に不可欠なのです。

オランウータンは、インドネシアに住んでいても
私たち地球市民みんなのものです。

ぜひご理解とご支援をお願いします。
www.bos-japan.jp
info@bos-japan.jp


 

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