美しい地球環境を未来に!

最近の異常な気候はなんだか変だ!
地球温暖化のために「できる行動は?」役立つ情報を発信して行きたいと思っています。

今こそ、科学者の声に耳を傾けて

2018-03-13 18:13:48 | Weblog
2009年に国際学術会議から、地球の危機に対して声明が発せられました。

発表されて時間だけは過ぎて、ますます地球規模の気候変動が

さまざまな被害をもたらしている状況の中、
あらためて大変示唆に富んだ声明だと感じて、少し長文になりますが

世界の科学者から発せられましたというこの事実を知っておられる方は
まだまだ少ないと思いますので、以下ご案内させていただきます。

時代の変化の速い時代にあっても、9年前の声明が色あせていない
人類がいま何をなすべきかという指針があります。

これは日本学術会議も参加している、世界的な科学アカデミーの
ネットワークであるインター アカデミーパネル(IAP)の

「熱帯雨林と気候変動についての声明」です。

インターアカデミーパネル(InterAcademy Panel-IAP)は、
世界のアカデミーのネットワークで、政府、国際機関に対する諮問・提言、
人々の科学面における国際的関心に対する情報提供などについて協調して
取り組むことを目的として1993年に設立された。
現在、加盟機関の数は80を超えている。


■熱帯雨林と気候変動についての声明[2009年12月]
(IAP Statement on Tropical Forests and Climate Change)(仮訳)
◆声明要旨:
・ 森林伐採問題への対応なしに気候変動問題の解決はありえない。

・ 2050 年までに80%二酸化炭素排出量を削減するという目標を達成するには、
  将来ではなく、今すぐに、熱帯雨林の伐採に対して対応を行わなければならない。

・ 森林は、天然の炭素回収・貯留機能を提供し、降雨パターンを調節すること
  を通じて、気候システムにおいて重要な役割を担っている。
  持続可能な森林管理は、気候変動の緩和に大きく寄与することができる。

・ 熱帯雨林の伐採による二酸化炭素排出は、世界全体の排出量の約17%に相当する。
 この放出源への注目を怠ると、気候変動問題の解決に向けた地球規模での努力が
 大きく損なわれる。

・ 自然のままの健全な森林は、食料、エネルギー、水、災害時の避難所、
  洪水防止等のサービスを提供することで、非都市域に住む人々の気候変動に
  対する脆弱性を緩和し、気候変動影響に対する適応を可能にする。

・ 既存の手段、仕組み、資金等を活用し、開発途上国が自国の森林を維持できるように
 資金を提供すれば、新たな富を産み貧困に終止符を打つ契機となるはずである。

・ 「気候変動枠組条約に関する締約国会議(UNFCCC negotiations)」の中で合意
  されるいかなる事項も、その具体策を計画し実行する際には、
  森林の居住者及び森林に依存して暮らす人々の権利を尊重し、
  かつ森林伐採をもたらさない持続可能な開発の道筋を奨励するものであるべきである。

1. 森林伐採と地球の炭素サイクル
熱帯雨林とその下の土壌は、世界最大の陸上の炭素貯蔵庫の一つとなっているが、
年平均8~15 億ヘクタールの速度での森林の劣化と伐採が進んでいる。

約1.5 Gt(人為起源全球炭素排出量の17%に相当)の炭素、
すなわち人為起源の全球炭素排出量の17%が毎年こうした活動によって放出されている。

人の手が入っていない熱帯雨林は、毎年、人為起源全球炭素排出量のおよそ15%(1.3Gt)
相当量を隔離する天然の炭素回収貯留機能を提供する。

こうした、コストのかからないサービスを保持することは、
高価な炭素吸収貯留技術やバイオエネルギー技術の開発と同様、気候変動緩和戦略
においてとりわけ高い優先度をもつ事項として取り扱われるべきである。__

しかしながら、この天然の貯留能力は既に気候変動により弱体化させられつつある。
温室効果ガス排出(GHG)を低減しない限り、

気温上昇と周期的に乾燥する環境条件によって、森林地域によってはサバンナ化し、
また、世界全体での森林火災の件数が増加することを介して、
熱帯雨林の炭素貯留機能は低減し、逆に炭素の排出源となることさえあるかもしれないこと
を、幾つかの気候モデルが示唆している。

そのような条件のもとでは、既に貯留されていた炭素のかなりの量が大気中に放出され、気候変動に拍車をかけるという危険な正のフィードバックが生じる恐れがある。森林劣化をくい止め、大面積の原生林を維持することによって、気候変動に対する熱帯雨林の抵抗力が増強されるだろう。

2. (気候変動の)緩和の可能性
G8 サミット国の首脳は、2009 年前半に、温度上昇幅を2℃にとどめ、
温室効果ガスの排出を80%削減することに合意した。

この野心的な目標を2050 年までに達成するには、2020 年までに、何も手を打たない場合
と比較して約17Gt の二酸化炭素換算量(CO2e)というすみやかで大幅な排出量削減が
必要となる。

地球全体の森林により、2030 年までには最高年間7.9 Gt の二酸化炭素換算量を減少させる
能力が提供されることが期待されるが、それは主に、開発途上国における伐採の縮小により
可能となる。

そのため、化石燃料の利用緩和と共に森林伐採を抑制することは、
450 ppm の二酸化炭素換算量以下に地球の温室効果ガス濃度を抑制し、
かつ温度上昇幅を2℃にとどめるという目標の達成に重要な役割を果たすだろう。

長期的には、世界の森林の保護と回復(森林再生)および二次林の持続可能な管理は、
大気から二酸化炭素を取り除くことにより、多大な効果
をもたらすだろう。

一般的に、多様な種からなる植生は、1種もしくは少数の種だけで構成される植生と比較して、多くの炭素を大気から吸収する。理にかなった森林再生と在来種による造林により、劣化した生態系を再生(自然的、もしくは人為的援助による手法のいずれであれ)することによっても、炭素の隔離量を増加させることが可能である。

3. 森林伐採と大量絶滅
炭素は林冠で同化され、樹木、根系、及び土壌に貯留される。
これは複雑な生物多様性のはたらきである。地球上の生物多様性の40%は、
もっぱら熱帯雨林の林冠に存在する。

しかしながら、熱帯雨林地域における森林伐採や過剰利用は、地球史上の第6番目の
大量絶滅の主要な原因となっている。

この遺伝的多様性の宝庫の喪失は、地球上の全ての生物の人為起源の気候変動に
適応するための能力を損なうだろう。

伐採を減らすことで、気候変動の速度と程度の両方を抑制できるだけでなく、
生物多様性の喪失も緩和することができることから、
森林保護は当事者の誰もが利益を得ることができる政策である。

生物多様性は、依然として多大な悪影響を受けており、その結果として、
森林からの物品とサービスのフローにも影響が及んでいることに鑑み、

生物多様性を考慮して、ここでの保護策は、自然林の植林地への転換を防止する対策をも含むものとすべきである。

4. 熱帯雨林により提供される生態系サービスは膨大である
海洋の酸性化は、大気中の二酸化炭素濃度上昇により直接的に引き起こされている。

生態系サービスの喪失は、年間2~5 兆ドルと推計されている。

熱帯雨林は、炭素を吸収し、貯留することばかりでなく、大量の水を蒸発させ、
太陽放射を反射する雲を形成することによっても大気を冷やす。

このようにして循環する水は、長大な距離を移動して降雨をもたらし、
農業と水力発電それぞれを通じて食料とエネルギーの安全保障の基盤となる。

森林伐採は、局地や、より広い地域の降雨分布を変化させ、数千マイル離れた場所の
農業にも悪影響を及ぼす。

熱帯雨林の生態系サービスへの支出は、開発途上国に大きな経済チャンスを
もたらすことを意味する。

先住民や森林に住む人々、そしてコミュニティー・フォーレストリーが
森林の生態系サービスにに依存していることや、そうした人々が森林の世話役と

なっていることを考慮すると、補償制度を介して森林伐採を減少させ、
熱帯雨林を再生する努力による主要な利益受給者でありうるし、またあるべきである。

5. 熱帯雨林の維持により、気候変動に対する地域コミュニティーの抵抗力が増加する。

生物多様性に富む熱帯雨林によって、非都市地域に住む人々の食料、水、避難所、
洪水予防もしくは洪水緩和、疾病管理、及び文化的な資産といった重要な生態系サービスが
もたらされる。

熱帯雨林は、14 億人の世界の貧困層の生計を支えている。

旱魃や洪水といった最近の災害事例からは、こうした人々が特に気候変動の悪影響を
受けやすいこと、熱帯雨林を維持することで気候変動に対する地域コミュニティーの
抵抗力を増加させることができることが示されている。

6. 森林伐採の効果的な監視に必要な技術は既にある
開発途上国の森林伐採と森林の劣化の監視、報告及び検証は、容易ではないものの、
既存の科学的知識や伝統的な智恵を用いて十分に実施可能である。

森林の監視や炭素測定法については、それぞれ、森林伐採の検知と、炭素排出量の測定とを、

信頼性の高い状態で大規模展開することができる状況にある。

新規の衛星による観測により森林伐採の検出が更に促進されるであろうが、信頼性や透明性が
高く、かつ系統的な森林伐採の測定を確実に行うためには、森林地域のコミュニティーの

技能向上とともに、地球観測システムや標準的方法の開発といった、科学面でのインフラストラクチャーの更なる改善が必要となる。

7. 森林伐採に係る政府助成金や商業上の誘因は見直す必要がある
先進国の消費者の需要は、熱帯雨林における森林喪失に対し、ますます大きな責任を
負うようになっている。

西欧諸国は、例えばバイオ燃料とガソリンとの混合物についての法的目標値を設定すること
により、熱帯雨林がアブラヤシ農園に転換されることを促している。

こうした政策の一つの結果は、泥炭含量の高い森林土壌の焼失による炭素放出の明らかな
増加である。

これらも考慮に入れれば、この種の活動は、ガソリンのみの使用から生じるよりも
大量の温室効果ガス排出につながっている。

気候変動に関する目標の達成のためには、農地にするために自然林を伐採する必要のない
商品の供給を促し、土地利用変更による炭素排出を最小限に抑えることが必要になるであろう。

消費者、企業、そして投資家によってもたらされる「森林フットプリント」は、
持続可能な生産物への需要の創出と供給物の認証によって減少させるべきである。

現在、森林伐採を奨励することになっている政府助成金を見直し、
森林をそのまま維持するための誘導策を提供する一方で土地修復を促すようにすべきである。

品物をその原材料にまでさかのぼって追跡することを可能にするIC チップやバーコード技術
のような革新技術の導入により、先進国の企業や消費者が持続可能な方法で生産された
商品を選択することが可能になるであろう。

セクター間で協調して環境基準を引き上げること、
特に、環境負荷の大きい選択的木材採取の禁止により、競争市場での持続可能性の改善が
図れるであろう。

土地利用を協調して管理することを通して、更なる森林伐採をしなくても、木材、食料、
及びバイオ燃料への需要拡大に答えることができる。

そのため、かつて森林を伐採してしまった場所において食料生産を増加させるための処置
と、長期的に持続可能であり、かつ環境負荷の小さい木材生産を確実に行うための
森林関連の規制を協調させることが必要となる。

全ての改革は、森に住む人々や森林に依存する人々の権利とニーズを尊重した上で計画され、
さらに、強制されることなく、事前に十分説明を受けた上で合意された後に、
実施されるべきである。

8. 森林及び気候変動への資金拠出
主要な諸研究からの推算は、年間150~350 億ドル(米ドル換算)という十分支払い
可能なコストによって、熱帯雨林の森林伐採による二酸化炭素排出量は2020 年には
50%削減できるとすることで一致している。

先進国は、公的資金と民間資金の両方を利用し、また、将来におけるこの二つの資金の
バランスを決めるための注意深いモニタリングと評価によって、
低炭素な開発経路に開発途上国が移行するべく改革を進めることを援助することが
必要となるだろう。

革新的な市場を基礎とする資金拠出メカニズムが求められており、その一例は、
公的資金を補うための特定目的信託、熱帯雨林用証券、及び保険商品等である。

9. 提言
インター・アカデミー・パネル(IAP: InterAcademy Panel on International Issues)を
通して活動している我々世界の科学アカデミーは、世界各国の首脳に対し、
以下を提言する。

1.森林伐採を減らすことは、2020 年までの気候変動緩和策に関連する目標、
長期的な気候変動への適応、貧困の緩和、及び生物多様性によりもたらされる
生態系サービスの維持のために、
世界各国が取り組まなければなない重要かつ緊急案件であることを認識すること。

付属書 I 締約国による化石燃料からの排出削減に加えてこうした森林緩和策が必要である。

2. 「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC: United Nations FrameworkConvention on Climate Change)」の「森林減少と森林劣化による排出の削減( REDD: Reducing Emissions from Deforestation and Degradation in
Developing countries)」のためのメカニズムは、排出削減量を立証するための透明かつ
頑強なモニタリングシステムを含め、2009 年12 月にコペンハーゲンにおいて合意される
予定の「ポスト2012 年気候変動枠組み」の重要かつ必須部分であることを確認すること。

3. 政治的経済的介入の目標設定が容易になるように、より多くの研究(例えば、
貴重な森林種の効果的な栽培についての研究)に資金を拠出すること、及び、
森林伐採のモニタリングと評価の精度向上のため、地球観測における協力体制を
強化すること。

4. 森林に富む開発途上国の気候変動緩和策と適応策への取組みを支援することを
目的とした森林伐採の回避と持続可能な森林保全のための緊急資金拠出メカニズムを
創設すること。

5. 2050 年までに1990 年レベルの温室効果ガスの排出量を80%低減するための
重要な構成要素として、森林伐採、森林の劣化及び森林伐採の諸原因を減らすための
土地改革やその他の手段を大至急講じること。

6. 森林伐採に関連する活動に現在従事している人々に対する代替的な生計手段の提供
 を含む、森林伐採及び劣化を削減するための計画の設計及び実施に、
 森林に住む人々と森林に依存して生計を立てている人々を関与させること。

以上


No forest No Future

~森のない地球に人類の未来はない~

次世代の子供たちに緑豊かな地球を残そう!


オランウータンも気の毒ですが

2018-03-11 11:45:15 | Weblog
オランウータンの支援活動を休止します。
1997年7月に インドネシア東カリマンタン州のバリックパパン市郊外のワナリサットにあった オランウータンのリハビリセンターを初めて訪問した時から20年余りになりました。......


活動休止してもう1年になるんですね。
その間に2度ほどサンボジャのリハビリセンターを訪問し、2015年の山火事あとに森を再生する植林活動に行き、協力はしています。

オランウータンの支援も資金を必要としますが、気候変動による自然災害の増加と被害に拡大を考えると人間社会の立て直しが急務と感じ、人間社会のための飢餓貧困と気候変動の課題に貢献できる活動を目指してモリンガ100億本普及プロジェクトを開始しています。

モリンガ100億本を植林普及すれば、150億トンオーバーしているCO2を吸収できるからです。
そのうえ人間も動物も食べることのできる奇跡的な植物です。
この活動に興味ある方はぜひ、サイトを見てみてください。

世界平和の森を育てたい

2018-03-05 10:05:31 | Weblog
南方戦没者慰霊碑のこと~あなた日本人なんだから~
2003年にバリックパパン市を通じて農民の土地にチークを寄付させていただきました。その時の市の職員との交流会でバリックパパン市の観光局の責任者の方から思いがけず声をかけ......


バリックパパン市訪問の都度、慰霊碑を訪問しています。
これまで訪問を続けていましたが、積極的により良い環境の記念碑にしようとする行動はできていませんでした。
やっと昨年12月現地植林体験ツアーのみなさんと周りの環境保全のためにポンガミアという海岸の砂地でも育つ「ポンガミア」という樹種を選んで、慰霊碑の周囲に100本植えてみました。

この樹種がここで無事に育ってくれれば、より多くのみなさんの協力を頂いて、
もっとたくさん植え、「平和の森」公園に発展させることができればと願っています。

この木は100年以上生き続けられる樹種なのでこの樹を起点にして今後、様々な植物が育って、平和の森づくりになることを願っています。

興味ある方は、お問い合わせください。04-2968-6343
                  メール info@agfn.org