2010年にシネコンで第1作を見たので、先日、続編の本作も見に行った。
以下、ネタバレを含む感想を述べる。まずは第1作の感想を改めて並べる。
- 謎解き映画にあらず。この作品のホームズ&ワトソンは「ルパン&次元」
- 「峰不二子」を務めるアドラー嬢の魅力がイマイチ
- 続編の敵役モリアーティ教授が過去のホームズものと同じ型に陥らないか?
なお、断っておくが、ワタシはこのシリーズのホームズ&ワトソンは「あり」と考える。
「ドイルの原作のイメージをぶち壊した」と批判する人に対しては、
「原作の読み解きが浅いんじゃないの?」と、むしろ冷ややかな目で見ている。
誇張されたきらいはあるが、原作の2人も「危険人物」の要素を十分に含んでいると思う。
でも、本作のマイクロフトは少しひどかった。原作でも多分に変人だが、あれじゃあ、ただの変態オジサン
しかし、残念ながら、ワタシの本作への評価は第1作より低い。
3の不安がもろに的中してしまったからだ
第1作の「かつてないホームズ&ワトソン×新しいタイプの敵役」という構成に比べて、
本作の「かつてないホームズ&ワトソン×旧態依然の敵役」という構成には違和感がある。
犯罪界のナポレオン。
欧州全土に裏組織の網を張り巡らせた黒幕。
多くの国々を戦火に巻き込まんとする陰謀。
そして、スイス・ライヘンバッハの滝での対決。
どれもこれも過去の多くのホームズ作品で描かれたモリアーティ像の枠を出ていない。
これは教授の右腕の「狙撃兵」セバスチャン・モラン大佐にも当てはまる
だから、どんなに格闘シーンやドンパチが派手でも、「ライヘンバッハ」という
地名が出てきた時点で、先の展開がフラッシュのように見えてしまい、興ざめした。
この「先の展開をフラッシュで見せる」という手法は、本作のガイ・リッチー監督の十八番だが
まして、クライマックスの直前に●●●●器が出てきては、ラストはバレバレである。
「本作はシャーロッキアンに向けてのみ作られたものではない」という弁解はあるだろうが、
「ライヘンバッハの決闘」のエピソードは、ライトなホームズ・ファンにも広く知られている。
ホームズ&ワトソンを斬新に仕立てながら、なぜ教授とその一味にそれをしなかったのか?
例えば、「教授も実は傀儡だった」とか「絶海の孤島で決闘させる」とか
大胆な改変をワタシは期待していたのだが。
なお、アドラー嬢の扱いにも首を傾げた。あんな扱いならば、さっさと第1作で退場させればよかったのに
モラン大佐が生きのびたので、もしかしたら第3作の予定があるのかもしれない。
「教授も実は生きていた」という展開をむしろ希望している。
ところで、18日の日曜洋画劇場で第1作を放映していた。
本作を見る上で「予習」を兼ねて、ワタシも改めて見たが、
声優陣が芳忠・周夫・明夫と「大塚祭り」だったのでニヤニヤ。
周夫・明夫の父子が作中でも父子の声をアテていたことに喜んだ人も多かったのでは?
周夫さんが「犬のモリアーティ教授」の声を作中で披露していたことも妙にうれしかった。
芳忠さんは、ワタシ(&3号)には「銀魂」の阿伏兎のイメージが強いが、
ホームズも他の作品で経験済みだけになかなか。「ヤマト2199」の真田志郎も楽しみだ。