ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

映画【シン・ウルトラマン】(ネタバレ含む)

2022年05月20日 | 漫画・アニメ・特撮


週末は磐田戦だ天皇杯だオークスだといろいろあるので、
きょうはこの話題作を語る。
公開初日の13日に初回上映を新宿で見てきた3号が
「ネタバレを食らう前になるべく早く見て」と評したので、
ワタシも翌14日夜に錦糸町で見てきた。
ちなみに3号は初回上映後にデザインワークスを即買いしたうえ、
15日も映画館に足を運んだ。この父にしてこの娘あり

以下、感想を述べる。

本作は「シリアスなケロロ軍曹」 この世界観への相性で好き嫌いが分かれる

本作において、人類は「兵器に転用できる生物資源」として価値があり、
  • 人類をめぐって外星人がパワーゲームを繰り広げる
  • とある外星人の種族の一員が人類に惚れ込んでしまう
  • 一方で、その種族は人類への「裁きと滅びの切り札」も有している
という世界観になっている。「ケロロ軍曹」にも共通している構図だ。
  • ケロロ小隊=ウルトラマン
  • ケロン本星=光の星(ウルトラの星)
  • アンゴル・モア=★★★★(バレバレかもしれんが伏せ字)
ワタシはそのような位置付けで見た。
なお「ケロロ軍曹」は現在「STOP!海賊版」のアニメCMになっている
本作の上映直前にも銀幕に流れたので余計に意識したきらいもある

こんな世界観ゆえか、同じ庵野秀明脚本・樋口真嗣監督の作品である
「シン・ゴジラ」に比べて、本作の人類はやや投げやりに映った。
「シン・ゴジ」は、米軍の東京核攻撃のタイムリミットが迫る中で
「巨災対」がゴジラの活動停止に必死に挑んだ。
だからこそ「無人在来線爆弾」のかっこよさが長く心に残った。
対して「シン・ウル」は、知能も科学水準もはるかに上回る外星人が相手なので
「禍特対」がウルトラマンに依存気味で傍観に走りがちだ。
「ウルトラマンに頼るのが最適解ですよ」と口走るメンバーもおり、
「巨災対」をコロ助や航時機を自作する木手英一とすると、
「禍特対」はドラえもん頼みの野比のび太に見えた。
専門チームがこの体たらくなので、政府中枢は言わずもがな。
日和見の連中ばかりで腰が定まらない。
魔人・加藤も墜ちたなと嘆息した<嶋田久作さんが総理大臣役

ただ、人類、特に日本人の実像は、おそらく「シン・ウル」の世界観が近い。
本作にイライラを感じる人は、現在の自分やこの国にイライラしているとみる。
「シリアスなケロロ軍曹」がもたらすイライラを許容できるか否か
そこで本作の好き嫌いが分かれると考える。

とはいえ、初代ウルトラマン好きはマストで見るべきだろう。
バルタン星人やゴモラといったメジャー級は登場しないにせよ、
  • 透明怪獣ネロンガ(電気大好き)
  • ウラン怪獣ガボラ(核廃棄物大好き)
  • 凶悪宇宙人ザラブ星人(にせウルトラマン)
  • 悪質宇宙人メフィラス星人(女性の巨大化)
  • クライマックスに登場する☆☆☆☆と★★★★
各パートとも初代の印象的なエピソードへの敬意に満ちていた。
モーションアクションアクターに古谷敏さん(初代のスーツアクター)を
起用したことからも初代への敬意がうかがえる。
特にメフィラス星人役の飛電其雄山本耕史さんは見事だった。
この外星人の「知性的かつ紳士的な態度に見え隠れする狡猾さ」を怪演していた。
宇宙人ジョーンズと共演するCMが見たいと思ったぐらい。
「鎌倉殿」で演じている切れ者・三浦義村に通じる部分もあったのでは

なお、全くの余談だが、★★★★に打つ手なしの政府中枢に
山崎一さん(仮面ライダーフォーゼの江本州輝)がいたので、
「ダークネビュラに飛ばしてしまえよ」と内心ツッコミを入れてしまった。
我ながら困った特撮脳である。
というワケで、来春公開予定の「シン・仮面ライダー」も楽しみにしている。

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