ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

「そして誰も」テレ朝版(ネタバレ含む)

2017年03月28日 | 日記・その他

26日に一挙視聴。

渡瀬恒彦さんの遺作として話題を呼んだ。なるほど、最終盤の独白は圧巻だった。

綾辻行人さんが「ラストのあれが凄すぎて、いろんなことがどうでも良くなった」と

ツイートしていたが、視聴者の多くが同じ思いを抱いたと察する。

あえて「いろんなこと」をほじくり返すと、

探偵役を配して「謎解き」をさせたため、木に竹を接いだ感じになってしまった。

原作では「オトウサマ、オカアサマ」で始まる犯人の瓶詰の独白が流れ着き、真相が明らかになる(一部ウソ)

冒頭で手回しの蓄音機が、終盤でリモコンカメラが何十台と登場する展開もちぐはぐ。

そもそも「コイツが疑わしい」と思ったら、「○○橋」のパクリのトリックを解く前に、

捜査陣がパラフィン・テスト(硝煙反応検査)をしたら済む話だろう。

何のために、わざわざ本庁から出向いてきたのやらwww

脚本の長坂秀佳氏は「特捜最前線」の脚本を長く担当し、その後は乱歩賞作家にもなった

パラフィン・テストを知らないはずはないので、これは「わかりボケ」だろう

クリスティの作品には「プロット魅力的。謎解きガバガバ」という傾向があるが、

今回のドラマもそんな印象に拍車をかけて終わった。

とはいえ、「そして誰も」は「絶海の孤島」&「見立て殺人」という設定に挑んだ意欲作であり、

後に多くの面白い後継作品も生んだ。高く評価されるべき作品であることに疑いはない。

日本でも、横溝正史「獄門島」「悪魔の手毬唄」や西村京太郎「殺しの双曲線」

そして、綾辻行人「十角館の殺人」といった傑作を産み落とした。

というワケで、刊行30周年の今年、多くの人が「十角館」を読むことを望む。


  • センバツ

秀岳館、作新学院の夏春連覇の夢を砕く。

東海大福岡と大阪桐蔭は馬鹿試合の末に8強入り。

何となくだが、早実・清宮は結局、甲子園の土を持ち帰れずに終わりそうな予感がある。