虹の架け橋

2004年の44歳から綴ってきたブログ。塾長として、男として、父親として、そして爺として、感じたことを記した記録。

娘へ

2017-01-16 | 男日記




『旅立ちの日に寄せて』

結美子へ

あなたはお父さん似で、おでこが広く、髪の毛が薄く、
女の子にはかわいそうな容姿として生を受けました。
これまで何度もお母さん似だと良かったと思った日もあったと思います。
しかしこればっかりは何とも私の力ではできません。
この場を借りてお詫びします。

あなたが小学校5年生の時にお父さんは上野塾を開塾しました。
3人のわが子を前にお父さんはこれからのことを話しました。
あなたには伝わったのか定かではありませんが、
キッチリ正座してお父さんの話を聞いていてくれました。
あなたも上野塾に入塾し、コツコツ頑張りました。
決して天才とは言えませんが、努力はしましたよ。
頑張る姿を数多く見てきました。
昨年あなたが中3夏の結団式で中3生の前でこんな話をしましたね。

『努力すれば必ず報われるとは言えないけれど、報われた人は皆努力している』と。

正にその通りだと思います。
あなたは、時間を掛けないと出来ないこともコツコツやり切る根気を身に付けました。
夢を持ち、それに向かって歩み続ける尊さも身に付け、
22歳まで立派に生きたと思います。
昨年の10月3日、あなたは中学数学教員の試験に合格し、
今年4月から学校教員として新たなスタートを迎えることになりました。
学校の先生でも塾の先生でも原点は同じ。
自分の目の前にいる子どもたちに、真心を持って接するのです。
若い時は子どもたちと同じ目線で良いでしょう。
しかしあなたが歳を重ねる毎に、クラス担任としての顔、
数学の先生としての顔、いずれ結婚してあなたが母親になった時の母としての顔。
男でも女でも、数多くの顔を持って、言葉も立ち振舞も凛とした雰囲気で
堂々と語れる大人へと成長して行って欲しいと思います。
4年間、上野塾の先生としてよく頑張ってくれました。
講師ではなく先生として頑張ってくれました。
お父さんは講師という言葉はあまり好きではありません。
ただ授業をやればいい。時間だけを担当すればいいと言うのは嫌いです。
自分がこの子達をどう導きたいのか、どう歩んで行って欲しいのかを、
先に生まれた先輩として「人と成り」をこれから磨いていって欲しいと思います。
あなたと隣同士に授業をやれたことは私の財産です。
私の友人の熊谷さんがこんなことを私に話してくれました。
彼はあなたに質問したそうです。

『結美子ちゃん、学校の先生になる上で
どんな先生になりたいかは難しいかもしれないけれど、
どんな先生にはなりたくない?』
と聞いた時があったそうですね。

その時あなたは
『出来ない子をほかっておくような先生にはなりたくないです』と言っていましたと、
私に話してくれました。原点はそこです。その気持ち、大切にしなさい。
いい先生になりなさい。そしていい大人になりなさい。

大学を卒業させるまでが親の務めだと思っています。
一つ責任が果たせました。これからはすべて自分で考え、決断し、歩んで行きなさい。
いくらでも相談には乗ります。そしてお父さんの考えも伝えます。
しかし歩む道を決めるのは「あなた」なのです。


2017.1月吉日 上野塾新年度総会にて     父・塾長:上野義行
コメント
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