虹の架け橋

2004年の44歳から綴ってきたブログ。塾長として、男として、父親として、そして爺として、感じたことを記した記録。

一般選抜入試発表

2012-03-19 | 塾長日記
今年の最終発表が行われた。

上野塾は全員合格を果たせなかった。

文章を書く力も今出てこない。

落ち着いたら書く。

我々の力が及ばなかった塾生のお宅に行ってきた。

そして深く深く頭を下げてきた。

これは責任者としての務め。

当たり前のこと。

今日はとよ爺先生の言葉をお借りする。

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運良く合格した生徒、力及ばず不合格になった生徒たちへ

私の住む神奈川は昨日、公立高校後期入試の発表があった。
まだ受験をする受験生たちも多少はいると思うのだが、
ほとんどの受験生の高校受験は幕を閉じた。
受験というものは必然的に合格者と不合格者を生む。
そこで子どもたちは人生の厳しさを知るわけである。

心ない大人たちはその両者を勝者と敗者と呼ぶ。
特に私たちの同業者の一部の人たちは子どもたちにそういうレッテルを貼る。
単に受験で言うのなら、それは勝敗ではなく、
合否であり、そんな呼び方は当てはまらない。

私の教え子にも今年は合格者と不合格者がいる。
彼らと正対していた3年間を考えると、
私は人間のひとりとして勝者と敗者に分けることなど出来ない。
私の目の前で最後まで頑張っていた子どもたちは、
私にとっては紛れもない勝者たちである。
あまり好きでない勉強を、時間を惜しんで頑張った子ばかりであり、
不安や希望が交錯しながら、目まぐるしく過ぎていく時間の中で、
失いそうになる自分自身と戦い続けた戦士たちである。
私に言わせれば、最後まで戦い続けたことが勝利であり、
全員の生徒が勝利を勝ち取ったと思う。
高校受験で勝ち負けを言うことは非常に早計で意味のないことである。

受験生たちよ、心ない大人の言葉で傷つく必要などない。
君たちの戦いは始まったばかりであり、
これからもっと人生の中で過酷で辛い戦いが待っている。
高校受験など、サッカーの試合で言えば、相手陣内に攻め込んだくらいのもの、
野球で言えば内野安打を打たれ程度のことである。
それを持って勝ち負けを言うのはおかしいことだし、
「自分が勝者だ」とか、「敗者だ」とかを、
言い放つのも思うのもおかしなことだ。

運良く合格になった者よ!
君たちはこれからの長い戦いの道の起点に立ったと言うだけだ。
違う道を選んだ者を蔑むことや批判することなど出来るはずもない。
自分の歩む道が決まったことを少しの間、
喜んでも良いがその道がどこに行き着くかを
これから一生懸命考えなければならない。
また目的地が決まっても、早く着くためには
自分の全身に負荷をかけて歩かなければならないのだ。
ほとんどの道はまだまだ果てしなく続き、
目的地には着くまでの道のりは長い。
違う道を選んだものを蔑んだり、批判したり、
笑ったりすることはその時点で立ち止まっていることなのだ。
そんなことをしていれば、それはすでに違う道を行く者に
抜かれているのかも知れないのだ。


力及ばず不合格になった者よ!
君たちは違う道の起点に立っただけだ。
そしてその道は歩き方さえ間違わなければ、
どんなところにも必ず行けるはずだ。
君たちは今の逆境を乗り越えて、
歩き始めた時点ですでに他者に差を付けていると思う。
今は自分の気持ちが塞いでいるかも知れないが、
それを割り切った時点で君たちは勝者となる道を歩き始めたのと同じ事なのだ。
大事なことはその道をしっかり前を向いて、一歩一歩着実に踏み出すことなのだ。


運良く合格になった者よ、有頂天になってはいけない。
周りのライバルだった者の健闘を褒め称え、心から感謝をしろ!
そうすれば、君と一緒歩む者が増えて、君が方向を失うことはないだろう。


力及ばず不合格になった者よ!
君たちは敗者ではない、
ここまで来れたことが勝者なのである。
ゆえにこういうときこそ、
前を向いてしっかり一歩を踏み出しなさい!
君たちの受けた試練や経験は、
その後の君たちの人生に大きな影響を及ぼすことになるだろう。
それをプラスに変えることが出来れば、
むしろ君たちの方が一歩先に行ったことになる。
神様が君たちにくれたチャンスだと思え!

毎年、受験生たちを見ると、胸が熱くなり、涙がボロボロこぼれてくる。
一途に何かをしたり、何かを目指すの者は本当に美しいものだ。
君たちはみな選ばれた勝者であると言うことを忘れないで欲しいと思う。

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※とよ爺先生、勝手にお借りして申し訳ありません。

3月24日に「上野塾卒業式」を行う。
心を込めて行う。
未来のある子どもたちをしっかり送り出す責任が
我々大人にはある。

コメント (2)
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