ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

ノスタルジックな巻頭文

2013年04月18日 | 現代音楽

先日、佐伯真魚さんの『マリー・アントワネット曲集』の楽譜を手に取って、池田理代子さんの巻頭文を見て思い出したました。

ヤザワも書いた巻頭文があるんです。CDなので購入しないと読めないし、池田理代子さんのように有名でもないヤザワが書いた文なので、そもそも販促効果を期待されて頼まれたものではないとは安心しつつも

ご紹介くらいはすべきでした。

このCDの発売時期の頃は何かと仕事が立て込んでたり、パソコンが壊れたりしていて、すっかり忘れていました。

これは決して忘れていたフリでもなく巻頭文からの抜粋を帯に使ったにも関わらず、帯(しか購入前は読まないのにさ)に『ピアニストー矢沢』と書かれていることへの腹いせでもありません

 

「ほー。巻頭文はヤザワトモコが書いて、帯はヤザワアキコさんて人が書いたんだー。そうなんだー」と、チクリと言う間もなく、発売と同時にヤザワへはお詫びが入っております。

 「いいのよー。ヤザワトモコなんてヤザワアキコさんて人ほど無名なんだしィ~」と軽く流せるほど、ヤザワもオトナになりました

 

コレコレ 松永加也子(ピアノ)『マイ・ソング』

 

巻頭文:

 

松永加也子さんの新作CD『My Song』 を聴きながら、私は彼女と出会った時の、ちょっとした興奮状態になった。

当時、加也子 さんは、武満徹が企画していたMusic Todayの舞台で、武満が日本に紹介する最先端の現代音楽を初演していた。時代はバブル。日本の先駆的芸術に多大な貢献をしていたセゾン劇場の、モノ トーンの舞台にスタイリッシュな照明が入った音楽会で、最先端の作品を演奏する加也子さんは私の憧れの存在だった。クロノス・カルテットなど、前衛でありながらもスタイリッシュな音楽が日本に入ってきた時期でもあり、音大生だった私は強烈にその洗礼を受けたのだった。

ほどなく私も現代音楽を専門に弾くピアニストとなった。加也子さんと同じコンサートにも出演するようになり、楽屋で顔を合わせるようになり、憧れの加也子さんと共演もするようになった。彼女に導かれるようにして私も自分の道を歩き出したのだった。

  現代音楽を専門に弾くピアニストは、普通のクラシックのピアニストとはだいぶ傾向が違う。よく知られた名曲を誰よりも上手く弾くということよりも、誰もまだ知らない面白い曲を見つけて世に紹介したりすることに宝探しのような喜びを感じるのだ。ピアニストでありながらキュレーターのようでもある。そのような感覚を持ったのも、武満の置き土産なのかもしれない。

 『My Song』では大御所に混じり、学生の曲もプログラムに取り上げられている。これがまた何とも面白く、加也子さんが宝探しを当てた!喜びが演奏にも溢れ出ていて、「やるわね!」と聴いてる私もワクワクしてくるのだ。根っから前衛を愛する彼女の伸びやかで躍動感溢れる演奏に刺激されて、私もまた無性に宝探し に出かけたくなるのだ。

 

矢沢朋子(やざわともこ) ピアニスト

 

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丁寧に(やざわともこ)って、ふりがなまでふってあんじゃねーかと改めてムッとすることもなく・大変・素晴らしい演奏なので・もうよしとする。

是非・聞いてみて下さい

 

松永さんのCDのお手伝いをするのは、これで2枚目。

1枚目はコチラ   4世代音楽家 (お手伝い日記)

 

プロデュースとか企画って楽しくて割と好き

これが毎月、専業でアイデア20本とか出すことになったら地獄だろうけどさ。月2本くらいだったら楽しんでやれるかも。

 

ということで・自分自身の企画も計画中であります

 

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