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CabaretとTransitionのとりあえず2枚がアメリカでの再販を開始しました。
とか
11月1日のカーサでのライヴの内容を今日、明日で煮詰めたり(笑)
しながら、読書づいてます。 美容本だけじゃなくて音楽本も読んでます。
ピアノの誕生 ~楽器の向こうに『近代』が見える ~西原稔著
ピアノ科の学生に大人気だった音楽史の先生です。専門はロマン派でしょうか。ヤザワは学生時代、日本音楽史(邦楽)と現代音楽史を取っていたというヘンなピアノ学生で、卒業してから初めて西原先生の本を今ごろ読んだという。面白いです。授業も面白いと評判でした。しかしピアノ科の学生をどう思っていたのだろうか?ピアノ教師よりお針子になって世のためになり、自立するのだ。みたいな文が当時の文献から抜粋されています。これはピアニストを目指す人への警告本?まあヤザワの学生時代はバブル真っ盛りだったので、ピアノ科の学生はそんな話をされても、マリー・アントワネットが『セビリアの理髪師』をプチ・トリアノンで自ら上演したように笑い流していたことでしょう。
ピアニストが見たピアニスト ~青柳いづみこ著~
お父様かおじいさまが高名なフランス文学者で、お嬢様かお孫さまの(ああなんてテキトーなの。ファンなのに:笑)ピアニストで著作家の青柳いづみこさんの本です。中村紘子さまより著作はずっと多く、硬質な語り口です。ドビュッシーで博士論文を書かれた初のピアニストで、ドビュッシー本は私も拝読させていただいてます。ごく近所にお住まいのはずなのですが、お会いしたことがないというのは、お互いノーメークで近所は歩いているということでしょうか(笑)
第1話:リヒテル。しょっぱなから「暗譜」の話題です。
つい先日、先輩のピアニストと電話で話していた時:「芸大の学長(ピアニストであらせられます)が、『暗譜をして弾く、ということにこだわらないで、譜面を見て弾きましょう!暗譜が怖くて演奏会をしなくなるなんて、もったいないです!』と仰っているそうよ。本当にそうよね。どうしてピアニストだけが暗譜しなくちゃいけないのかしら単旋律の楽器ですら譜面見ながらなのに!ピアノはオケみたいなものだというのに、こんな理不尽なことはないわ楽譜を見て弾きましょうよ」と仰るので
「ワタシは見て弾いてるけど?楽譜持って行くの忘れなければ(笑)。それと主催者に譜めくりの人の謝金、交通費とかの予算がない場合はしょうがないから覚えるけど」と言ったら黙ってしまったのでした。どうも電話の2日前に英雄ポロネーズとかさんざん暗譜で弾いて疲れたらしい。他の出演者でフルート。とかが譜面立ててメロディーだけ気楽に吹いてる(ように思えたらしい:笑)のを見て、不公平さに猛然とご立腹されたそうだ。
「見ればいいじゃないですかー」と言ったら「見ると『覚えてないんだ』とか言われるのよ」「こんなにいっぱいの音覚えてるほどアタクシ、ヒマじゃないんです。とか言えば?だって忙しいんでしょ?」と言っても黙ってしまうのでした。
要するに愚痴るだけで、やっぱりこれからも暗譜で弾く気なわけだ
だいぶ以前、ヤザワがプロデュースしたコンサートで、ドビュッシーのフルート・ソロ「シリンクス」(3分ほど?)を頼んだことがあるんだけど、その時に「譜面台をお願いします」と言われて:「はあ 何言ってるの こんな短い曲のために舞台転換なんて出来ません 暗譜で吹いて下さい」と言った覚えがある。その時は「暗譜しないなんてどういうことしかもメロディーだけで3分だというのに」と思った思った(笑)
その後、考えが変わったというか、コンサートの形式がお話付きだったり、照明が入ったりと色んな要素が増えるにしたがって、「出番前まで舞台の袖で楽譜を見て暗譜のチェックをし、ステージに出たらお辞儀の後は集中が途切れないように弾きだす」という無言で登場、退場、ということがなくなったのと同時に暗譜にもこだわらなくなってきたという。「こんなに長くて難しい曲を暗譜で弾いてすごい!」というスタイルは19世紀のものと考えるようになったというか。ヴィルトゥオーゾ、ということよりエンターテインメントを聴衆が求めていると思うのよね。19世紀とはクラシック音楽の客層も違うわけだし。
楽譜を見てると音を外しちゃう、というような曲は難しい所ほどよく練習して暗譜してるので、簡単なページ(←だからあんまり練習していないので覚えてない:笑)だけコピーして見て弾いてもいいしね。例えばショパンのバラード4番なら最初の3ページ見れば後は要らない、という感じ。プログラムの楽譜全部持ち歩くのも重いし。なんたってソロなら60~90分弾くんだから。もう学生でもないし試験で10分とか1年かけて60分のプログラムを勉強するだけの生活じゃないから、音楽の質とかで勝負でいんじゃない?と思ってるんだけど。暗譜が前提だとプログラムも毎回新しくは出来ないので、いつーも同じ曲+「1曲だけ新しいレパートリー」になりがち。暗譜も「芸」だけど、記憶力を披露することが芸術じゃないでしょう?認知症テストじゃあるまいし。
ヤザワもン十年前に暗譜で同じ場所を2回ほど弾いた曲のことをずーっと覚えてる人(そんな人もピアニストに決まってる:笑)にそのことを言われたり書かれたりしているようだけど、まあそんなことは同業者の足の引っ張り合いと思ってあまり気にしていません。でもずっと言い続けているというのは、その人にとってやはり暗譜がピアニストにとっての生命線なんでしょうね。ご苦労さまです。暗譜に気をとられて萎縮した演奏にならなければいんですがネー。。
あ、でも学生は暗譜ですよ!
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