年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

幸田露伴と根岸党の文人たち

2011年11月06日 | 福神漬
幸田露伴と根岸党の文人たち-もうひとつの明治 出口智之著から
江戸の戯作者の時代から逍遥・露伴の活躍する時期まで日本文学の歴史は空白である。しかし、実際はかなりの出版物があって、今の時代の価値に合わないと見られ文学的評価されないでいる。およそ、商品としての本はその読者の需要によって供給されると考えられる。明治20年ころまでの本は江戸時代の状況を知っている人達が生きていて主要な読者であった。その上文明開化で武士が没落している時期でもあった。過去の束縛から新しい束縛が発生する時期でもあった。
 根岸党の評価は難しい。この本にちらほら現れる鶯亭金升は当時記者生活を送っていたので根岸党には参加していないように思えるがしかし彼は名前が示すようにうぐいすの里根岸に明治7年頃から22年頃まで住んでいた。また根岸党の遊びは梅亭金鵞等も行なっていた。根岸党の人たちが福神漬を酒のツマミとして食していたのは上野付近だったし、戊辰戦争の怨念が入っていると思っていたのだろうか。福神漬の周囲の人達は反明治政府の人たちが多い。江戸に郷愁を感じつつ、新時代に対応せざるを得ない人が甘くてしょっぱい濃口醤油(関東の味)の漬物を食べていた。
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