アテルイ伝 今こそ生かされるべき「国など知らぬ」

　東北のみなさん　こんにちは

　先日、ＮＨＫで放送されたアテルイ伝を見ていて、３０年前の出来事を思い出しました。

　アメリカ人の英語教師に、「アメリカ人（白人）はインディアンを侵略した」といった時、「日本人はアイヌを侵略した」と返され、返答に詰まったことを。

　アテルイは桓武朝のころに東北にいた蝦夷（えみし）のリーダーです。数度にわたり大和朝廷の侵略を防ぎましたが、ついに降伏。京に連れてこられ、処刑されました。蝦夷とアイヌの関係については諸説がありますが、少なくとも深いつながりがあったと思われます。

　その蝦夷、アイヌへの侵略の歴史を３０年前はほとんど知りませんでした。それから本を読んだり、北海道でアイヌの方々と交流したりして学びました。アイヌの方々の中には「北海道をアイヌに返せ」と仰る方から、「アイヌの伝統、文化、言語を守る施策を」と話される方まで様々です。私たち和人（いわゆる日本民族）は日本に住む多数者として、それらの声に耳を傾ける必要があると思います。まずはその歴史を知ることから始めましょう。

　それにしても、番組の中で、大和朝廷への服属を勧められたアテルイに、
　「命あるものを尊び慈しむ、国など知らぬ」
　と言わせた製作者は肝が据わっていますね。
　今こそ、この言葉は生かされるべきです。

　アイヌの歴史については「アイヌ民族抵抗史」（新谷行著 三一新書）が詳しい。　

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