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黒幕 裏社会の案内人


  伊藤博敏  小学館

 石原俊介なるおっさん。2013年に71歳で亡くなった。何屋さんかというと情報紙の発行人である。「現代産業情報」という1000部に満たない情報紙を発行していた。もちろんそのへんの書店では入手できない。大企業や官庁の関係者、そして総会屋、そのスジの関係者といったわけありの紳士諸君が読者の情報紙である。
 石原は情報屋である。石原の発する情報は役に立つ情報である。その情報を求めていわくありげな連中が集まる。政界、官界、財界、報道関係、そして暴力団関係。この国ではわれわれ善良な国民が知らないところで、政、官、財、報、暴が有機的に繋がりうごめいている。その中心にいたのが石原俊介なるおさんである。
 石原は右から左に広い分野に顔が効く。若いころ共産党に入党。ソ連に留学させてもらうほど党員として期待された。その後党を抜け、広域暴力団住吉会系の客分となり、任侠系右翼と事務所を同じくしていた。その後情報屋を始める。いろんな大企業の顧問となり、毎夜毎夜、銀座の高級クラブでキーとなる人物と会い、飲み、話し、じっこんになる。圧倒的な情報収集力、分析力、発信力で、信頼のおける情報を発信する。石原さんに聞けば間違いない。時の与党の幹部、野党の幹部、大企業の経営者、検察、警察のエライさん、報道局長や編集局長といった報道関係者、暴力団の親分さん、こういった人たちが石原のもとに足しげく通う。撚糸工連事件、平和相銀事件、リクルート事件、東京佐川事件、金丸脱税、ゼネコン疑惑、武富士問題、といった戦後の大型経済事件のキーとなる情報をにぎっていたのが石原である。
 で、この石原俊介なるおっさん。われわれ国民にとって益だったのか害だったのか。それは判らない。もし石原がいなければ、これらの事件が知らない間に闇から闇にうやむやにされたかも知れない。また、石原はこれらの企業組織の顧問になっていた。もっとひどい許されざることが隠されていたのかも知れない。
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阪神、最下位脱出

ヤクルト相手やったら強いな。それによう打つ。きょうも鳥谷以外先発野手全員安打。先発藤浪もよう投げた。完投勝利。これで最下位脱出。かわりにヤクルト最下位。で、阪神、来週のDeNAと巨人戦が今年前半の試金石やな。これで4勝2敗ぐらいで乗り切ったらいけるんやないかな。
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