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るろうに剣心 伝説の最期編


監督 大友啓史
出演 佐藤健、藤原竜也、武井咲、福山雅治、伊勢谷友介、蒼井優

 このシリーズもこの映画でめでたく完結。確かに、日本映画では今までにないアクションを見せてくれた。アクションだけみれば出色の映画である。この殺陣、アクションは千葉真一全盛期に匹敵する見ものである。ただ、アクション映画としては上出来ではあるが、映画として見ればどうかというと、いささか不満が残る。佐藤、武井といった主役の若いのが下手。まるで学芸会。特に主人公役の佐藤。「ござる」なんて侍言葉を使うと噴飯物。原作は漫画で小生は未読だが、練達の剣士で「人斬り」と異名をとった男。漫画の剣心の年齢設定は知らないが、映画化に際して、主人公を初老か中年の男にすれば良かった。もう亡くなったが菅原文太、原田芳雄、勝新太郎といった俳優ならばどんなに素晴らしい映画になっていたことか。福山、伊勢谷、蒼井、田中泯といった芸達者が脇を支えて、なんとか映画としての体を保っている。
 この3作目、前半は少々退屈。剣心が師匠比古清十郎の下で、志々雄との決戦に備えて修行しなおすのだが、なんか、師匠に説教されてるだけ。後半はさすがにアクションてんこ盛りでよかったが。
 このシリーズ、なんかスターウォーズを思い起こさせる。剣心が比古の元で修行するところは、エピソード5のルークがヨーダの元で修行するシーンだし。志々雄の巨大鉄甲船はデススターで、その志々雄は大火傷を負っている剣士ということでダースベイダーだ。その巨大鉄甲船で、ベイダーVSルークではなく、剣心VS志々雄のチャンバラ。しかも、ごていねいにも志々雄の振るう剣はライトサーバーもどきに炎を吹く。で、鉄甲船はデススターのごとき大爆発。と、いうことであるが、この「るろうに剣心」が「スターウォーズ」に絶対に勝っているのが殺陣。この映画の殺陣はすごい。それに比べて「スターウォーズ」は殺陣がヘタ。「スターウォーズ」のシリーズは大好きな映画だが殺陣がなってないのが大きな欠点。今年の冬に新作のエピソード7が見られるが、どんな殺陣をしているのか心配である。

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