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トラック野郎 望郷一番星


監督 鈴木則文
出演 菅原文太、愛川欣也、島田陽子、梅宮辰夫、春川ますみ 土田早苗

 東映の「トラック野郎」シリーズ3作目。かって日本の、お盆と正月の映画は松竹の「男はつらいよ」か、この「トラック野郎」であった。人気を二分していた。
 小生は「男はつらいよ」も好きだが、この「トラック野郎」も好き。今は、大都市の都心か、巨大商業施設に大きなシネコンがあって、スクリーン1つの映画館は少なくなった、というかすでに絶滅したのではないか。町の映画館は町の本屋さん以上に少ないのではないか。
 ここ神戸は東灘にも昔は各町に映画館があった。青木には大映の大和劇場、甲南には東宝の甲南朝日と東映の甲南銀映。その甲南銀映に、この「トラック野郎」をよく観に行った。
「男はつらいよ」もそうだが、この「トラック野郎」にもパターンがある。主人公一番星の桃次郎が美女にひとめぼれ。美女の仕事の分野をにわか勉強。この「望郷一番星」の場合は競走馬の飼育。その土地の腕っこきのトラック野郎と男の意地をかけたどつきあい。そしてワッパ勝負。そうこうしているうちに荷物をいつまでに、どこそこまで届けなければ大損。だれか頼むと荷主が鳴く。いまからじゃとても間にあわん。で、桃次郎が「オレがやる」そこからは、爆走暴走快走。そのころはライバルトラック野郎も桃次郎と意気投合。桃次郎の陸送を支援する。各地のトラック野郎たちの協力も得ながら桃次郎はぎりぎり間に合う。この「望郷一番星」もそのパターン。
 ライバル映画の「男はつらいよ」とはまったく違う。「男はつらいよ」は上品でおとなしいが「トラック野郎」は下品で騒々しい。派手などつきあい。トラックの暴走。警察は徹底的にコケにされる。こうしてみると製作した映画会社のカラーがよく判る。松竹は女性向け、東映は男性向け。特にこのシリーズは男、それもおっちゃんにターゲットを絞った映画ではないか。
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