こんにちは。ゼミ4年の及川穂乃佳と申します。
ゼミ合宿一日目に行われた、Session2「3年 ミニ映像作品の上映&討議」について報告致します。
この時間は、昨年度私たちも行ったドキュメンタリー映像の前段階となるミニ映像作品の上映を行いました。
テーマや対象、編集方法など全て本人たちに自由に委ねられ、まずは企画、撮影、編集といった作品作りの流れに慣れようというのがこの取り組みの目的です。
3年のチームは井上班と山野班に分かれ、目的の通りそれぞれ自由に生き生きと映像制作に取り組んだことが分かる作品を発表してくれました。
まず初めに発表したのは井上班です。このチームは、アパートの一室で行われたたこ焼きパーティについての作品でした。
このチームの特徴は、和気あいあいとしたパーティの様子を描くだけでなく、調理の過程から食事まで前編を通して英語縛りで会話が繰り広げられたところです。
英語で話さなければいけないとなると、私は緊張して口数が減ってしまうような印象を受けましたが、仲の良い3年生ならではの皆が物怖じせず発言する非常に楽しそうな様子に驚かされました。
それもそのはず、その後の討議で英語縛りの意図をリーダーの井上くんは「ドキュメンタリー映像制作では外国人コミュニティを取り上げるため」と答えました。現在既に行われている取材を通して、また日頃から取材対象とのコミュニケーションのために訓練していることが見て取れました。
また、討議ではカット数が多いことや複数のカメラを用いたことも良かった点としてあげられました。一方で、ホームパーティならではの当人たちの盛り上がりが伝わってきたのは良かったのですが他者の視点を加え、視聴者を置いていかない作品作りを心がけるべきとの指摘もありました。
次に、山野班です。こちらのチームはメンバーの仲嶋くんを主人公とした一日の様子をMV風に作成してくれました。
この作品の特徴は、何といっても登場人物が仲嶋くん一人であるということです。最初は朝目覚めた仲嶋くんが支度をして外へ出かけるまでの様子が朝の静けさと共に描かれています。部屋のドアを開けた瞬間、音楽がかかり街を歩く仲島くんがゆっくりと歩きながら次々にMVのあるあるを再現していきます。
一人でブランコを漕いでみたり、車道と歩道の間を綱渡りで歩いてみたり、木の枝に触れて顔に近づけてみたり...。オシャレで落ち着いた曲調なのにいかにもMVでアーティストがやっていそうなことを演じる仲嶋くんに私も周りもついクスッと笑ってしまいました。
このチームは、外の様々な場所で撮影していることとフィルム調のフィルターをかけた編集といった工夫が良い点としてあげられ、一方で映像の意図が伝わりづらい点やカメラのアングルについて改善点が指摘されました。
リーダーの山野さんは「仲嶋くんの自然な様子を生かすために、スタートやカットを伝えず撮影した。」と答えており、確かに自然な表情やほのぼのとした雰囲気が漂っていたように感じました。
二つの映像を通して、去年の私たちと異なっている点は大学の外に出て自分たちの視点で主体的に作品作りに取り組んでいた点だと感じました。また、ドキュメンタリー制作と同時並行で行なっておりスケジュールが多忙であったため、スマートフォンでの編集を選択したそうです。PCでの編集作業は簡易的なスマートフォンでの編集と異なり、より複雑で時間のかかる作業です。それを覚悟して、今回の作品作りのイメージを活かしながら制作していって欲しいと思いました。
最後に、後藤先生から「映像の力」について話がありました。「映像にすると曖昧な部分も何となく視聴者に伝えることができる。しかし、何となく様になってしまうということが映像の難しさでもある。社会学としての、台本のないリアリティのある映像を作るために素材をたくさん撮影し、素材から社会学できる要素を見つけることが大切。」とのことでした。
この観点を踏まえて、翌日に行われたドキュメンタリー映像のデータセッションについても様々な意見交換がなされました。ぜひ関連してSession5についてのゼミブログもご覧ください。
Session2の報告を終わります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
文責 : 4年 及川穂乃佳