<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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映画「ダウンタウン物語」は出演者全員が子供のギャング映画。
子供が大人の格好をしてマフィアの抗争を演じているのだ。
そもそもミュージカル構成になっていることに加えて出演者が全て子供なので、マシンガンの銃弾はパイ、ギャングの乗っている自動車は足漕ぎ式という具合にディフォルメされて歌のシーンは吹き替えだった。
この1976年の映画。
公開された時は私も子供というか中学生だったので劇場で見ることはなく初めて見たのはテレビの洋画劇場だった。
その感想は面白いのなんのって。
センスのいい音楽と見事な子供の演技に魅了され、今でも好きな映画の1本になっている。
音楽担当はポール・ウィリアムズ。
カーペンターズのヒット曲の作詞やトランザム7000などでは俳優としても活躍していた鬼才だ。
子役ばかりだったので著名な出演者は少ない。
でもたった一人すごい少女がいた。
彼女は非常に美人で私の記憶にもきっちりと刻まれた。
その少女の名前はジョディ・フォスター。
この映画ですでに大女優の片鱗を見せつけていたわけだ。

この「ダウンタウン物語」を監督したアラン・パーカーが先月末に死去していた。
享年76歳。
些か若い年齢だったので昨日このニュースを耳にした時ビックリしたのであった。

アラン・パーカーの映画では他に見たのは「ミシシッピー・バーニング」。
人種差別を扱った社会派映画で主演のジーン・ハックマンとウィリアム・デフォーが印象的であった。

この映画は別のことでも記憶に残っている。
公開された1988年は二度目の海外旅行でLAを訪れていて、丁度その時この映画が現地で封切られていて「見てみるか?」と親戚のおじさんに薦められたのだ。
おじさんは日系二世で私の父の高校時代の同級生でもあり、親戚でもあった。
私は現地の映画館の雰囲気も味わいたく見たいと思ったのだが、よくよく考えてみると字幕スーパーも付いていなければ日本語吹き替えでもない。
画面だけ見てその当時の聞き取り力で理解できたかどうか。
結局、時間がなくて映画館には足を運ばなかったのだが現地で見ていたら「これはわからん」と日本で見た時に思わずつぶやいたことが別の意味で印象に残っている映画だ。

それにしてもアラン・パーカーはダウンタウン物語のようなミュージカルやミシシッピー・バーニングのような社会派ドラマ、私は見ていないがピンク・フロイドの「ザ・ウォール」のようなミュージック映画なども監督していた。
作品数は少ないながらも異なるジャンルで素晴らしい才能を発揮したすごい人だったのだ。

素敵なハリウッド映画を作った映画人がまた一人星になってしまった。


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