<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



装置の概要について色々と説明したあと、
「で、申請等が必要になるんですがどうしますか?」
と訊ねたところ、
「上に訊かないとわかりません」
という答えが帰ってきた。
「で、ご予算に入りますでしょうか」
と訊いても、
「上に訊かないとわかりません」
と。
さらに、
「工事が必要ですけど」
と疑問文でもないのに、
「上に訊かないとわかりません」
と同じ答えが戻って来るのだ。
面白いことに彼らは「上役」でも「上司」でもなくて必ず「上」と呼ぶ。
天の声をもってサラリーマンしているのだろう。
ああ、お気の毒に、と思った。

で、これは10年ほど前、大阪の製薬会社というか製薬会社みたいな名前をした某有名化学メーカーに行ったときの相手の課長だったか係長だったかのセリフだった。
なんだか暗いムードが漂い、商談なのに笑顔が存在しない。
「ご愁傷さまです」
という雰囲気の中の「上に訊かないとわかりません」なのであった。

こういう会社は得てして問題を抱えているものだ。
この会社と打ち合わせをしたときの空気感があまりに変だったので、
「この会社の製品は買わないほうがいいかも」
と思った。
率直に危ないと思ったのだ。

テレビでCMがじゃんじゃん流れている製品の会社だったが、そういう製品が欲しくなった場合は類似した他社のものを買うことにした。

今年になってサプリ製品で問題が露見したこの会社はやり玉に挙げられているのに次から次へと色んな製品スキャンダルが出てくる。
たぶん例によって「上に訊かないと」と所轄官庁への報告ひとつとってもトップダウン。
色々漏れがあっても意見をすることもできなければ、それを単に報告することもできない雰囲気があるに違いない。
今も上に訊かないと何もできない。

そんな「ご愁傷さま」ムードが漂っている、あの雰囲気を思い出しながらニュースを耳にしているところなのだ。


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