いま関西では北陸新幹線の延伸が話題になっている。
東京から福井県の敦賀まで延びてきたけど、新大阪まではどうすんの?ということだ。
先日の保線車両の事故で東海道新幹線が終日不通になっていたときはなおさら、
「なんで北陸新幹線は敦賀なん?」
という疑問があちらこちらで灯り、東海道新幹線の代用で大阪から新快速で敦賀に出て、そこから北陸新幹線で東京へ向かった人たちは、
「ええ加減にせえよ」
と思ったに違いないのだ。
「何がリニアやねん。北陸新幹線のほうが先やろが」
と利用しない私までそう思ってしまった次第なのだ。
ところで、北陸新幹線が取り沙汰されるように日本海側でも北陸方面は重宝がられているのもの山陰地区は蚊帳の外であることに多くの人は気がついていない。
山陰には鳥取や米子、松江、出雲、萩といった大きな街があるにもかかわらず、山陰新幹線どころか山陰本線は一部区間を除いて電化も複線化もされていないローカル本線。
それどころか「山陰本線の不要な部分は廃止してしまおう」という廃止論が立ち上がっているくらいなので、これは大変だ。
同じ中国地方でも瀬戸内側を走る山陽新幹線は開業50年を迎えて数年前から九州新幹線も走るようになり結構な混雑だ。
山陽本線も通勤通学で欠かすことのできない主要路線であり、私は大阪から広島県の福山までしか乗ったことは無いが、その区間で車内がガラガラなところははっきり言ってないくらいなのだ。
なのに山陰本線はローカル線。
米子や松江は北陸方面の金沢や富山と比べても遜色のない街だ。
たまにこのあたりに私も出かけることがあるけれども風光明媚で食事も美味く古代には大陸への玄関口の役割も果たしていたこともあり、神秘的なスポットも少なくない。
なのに主要鉄道は単線ティーゼルの山陰本線。
もっとも米子や松江は電車区間できっちり岡山とつながっていて山陰といえどもインフラ的には瀬戸内圏内な場所でもある。
阪神大震災のときや広島県の豪雨被害の時に山陽本線が不通となっても単線ローカル線の山陰本線はバイパスとしての機能に著しくかけてる。
北陸新幹線を東海道新幹線のバイパスと見るのであれば、山陰本線は山陽本線のバイパスと見るべきで、そういう考えをあまり訊かないところに同じ日本海側でもパワーバランスの微妙な違いを感じざるを得ないのはなぜなのだろう。