平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

広島市の気温(2)

2012-05-10 22:26:23 | 地球温暖化
はれほれさんのご指摘のとおり、1988年以降の急激な昇温には、観測所の移転の影響が含まれていると思われます。
1987年12月、江波山にあった観測所(旧観測所)が、広島市の中心部にある合同庁舎内(新観測所)に移転しました。





江波山はもともと島で、埋め立てにより陸続きになってできた山です。
旧観測所は、標高30mの山頂付近にあり、周囲に大きな建物もなく、また風通しもよいことから観測環境に恵まれていました。

さて、ここでは旧観測所と新観測所の気温差を推定します。

1960年から2010年までの年平均気温を呉市と比べてみました(図1)。





1987年以前では、呉市の気温が広島市よりも高めに推移していますが、観測所が移転した1988年以降はほぼ一致しています。偶然とはいえ面白い結果です。
呉観測所の観測条件は変わっていないので、呉観測所の気温を物差しにすれば、旧観測所の気温と新観測所の気温の差が判り、ヒートアイランド効果を定量的に知ることができます。





図2は呉観測所の気温から広島観測所の気温を差し引いたものです。
1960年~1981年の平均値は0.81℃、1982年~1987年の平均値は0.35℃、1988年~2010年の平均値は0.00℃です。
以上のことから、ヒートアイランド効果は0.35℃~0.81℃であるといえます。
少し乱暴ですが、0.81℃をヒートアイランド効果と考えて(1982年~1987年の平均値0.35℃は無視)、1988年以降の広島市の年平均気温から差し引くと図3が得られます。





広島市の気温(1)のグラフに比べると、昇温量はかなり小さくなりました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。