tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

個人金融資産と国債残高

2019年12月15日 22時55分21秒 | 経済
個人金融資産と国債残高
 報道されていますように政府は13日の臨時閣議で、4.47兆円の補正予算を組むことを決め、そのうち2.2兆円は赤字国債ということになったそうです。
 原因は今年度の法人税収が落ち込むからという事ですが、簡単に赤字国債を発行して済ますといったことでいいのかと気になるところです。
 
 補正予算のほぼ半分が台風被害の復旧や国土強靭化のためという事ですが、この分は建設国債で、後の半分は高齢ドライバー対策や、小中学生に1台ずづタブレットを持たせるためだそうで、これはいわば消費支出ですから赤字国債になるわけでしょう。

 財政に余裕があるならば何も問題はないのかもしれませんが、財政再建が出來そうにない状況の中ですから「ばらまき」という批判も強いようです。
 
  安倍さんは「 財政再建の旗は降ろしません財政再建の旗は降ろしません」といっていますが、客観的に冷静に見れば、現状では「財政再建は不可能」という結論しか出ないような状況の中で、赤字国債を平気で出すより、トランプさんに「アメリカよりひどい財政状況ですので、お宅からの買い物(戦闘機100機etc.?)も難しくなります」と交渉すべきだという意見もあるようです。

 政府の借金である国債発行残高は世界トップクラスという事で、それを支えているのは国民の貯蓄ですが数字を見るとこんな具合です。

    個人金融資産と国債残高の推移(財務省資料、単位:兆円)


 個人金融資産1850兆円といわれますが、その半分近くは政府が国債を発行して借り上げ、使ってしまっているのです(2000年ごろは、まだ良かったですね)。これは中央政府だけですが、官が民から借り上げて使ってしまっている金額の総計は地方政府の借金も入れれば1100兆円という事ですから、これは国民が返せといわないことを前提にして成立している状態です。

 しかも、現状ではプライマリー・バランス達成は出来そうにないのですから、(2%以上のインフレがないと出來ないというのが政府の試算です)多分、いずれは国民の貯蓄は全部政府が借りて使ってしまいましたというようなことになるのでしょうか。
 
 そうなるまで、政府が放っておくかといえば、そうではなくて、何時かは解りませんが、官と民との所得配分を、大きく変える必要に政府が迫られる時機が来るのでしょう。
 まさか徳政令はないでしょうから、纏めて増税でしょうか。
 あとは野となれなんとやらの後始末をする政府が必要になるのでしょう。

 こういう事は、物事が限度を超える前に、きちんと対策を立てて実行するのが政府の役割でしょうが、よく考えると、これは、政府の役割というより、国民が、民主主義という制度を使って、そういった真面目な財政政策をやるような政府を持つ努力をするというのが本筋なのかもしれません。
 
 国民が、財政再建よりもバラマキをすろ政府を評価するような状態では、政府に文句を言っても、責任は国民が負うのですよと言われれば、それまでという事でしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。