異次元金融緩和の副作用に要注意
政府・日銀は相変わらずインフレ率2パーセントになるまでは異次元緩和を続けるという方針を変えていないようです。最近政治の分野では特に「説明責任」という言葉が流行りますが、なぜ2パーセントがいいのか、なぜそこまで行かなければ駄目なのか、異常な金融緩和の副作用が出たらどうするのかといった問題について、政府・日銀から納得いく説明を聞いたことはありません。
私自身は、アメリカが為替レートにうるさい中で(トランプ政権以前からですが)円高を回避するためにはアメリカと同じ2パーセントインフレ目標に固執することが最も簡便だから、まあいいかと思っていたのですが、対アメリカでは、 2パーセントインフレ目標だけでは言い訳にならないような雰囲気も出てきています。
アメリカはそろそろ2パーセントインフレ目標を卒業するようで、あの国は自分が卒業してしまえば、後は勝手なことをどんどん言うきらいがありますので、日本の円高阻止戦略が2パーセントインフレ目標だけでは役に立たなくなる恐れも十分ありそうです。
同時に、日本の国内で、異次元金融緩和の副作用が出始める様相が、いろいろなところで見られるように思います。こちらはもっと危険です。
1985年のプラザ合意の後、アメリカに唆された「新前川レポート」などで政府は金融緩和を主導し、その結果がバブル経済となり、バブルの崩壊で酷い目にあった経験はまだ多くの日本の経済人の頭の中には残っているはずです。
あの時は、日本人(特に日本の労使)の頭の中には、オイルショックによる深刻な賃金インフレがあり、その失敗の経験から、いくら金融を緩和しても、賃上げにはつながらず、従ってインフレにはなりませんでしたが、 あり余った金は土地に向かい、土地神話(地価は上がり続けるという神話)に後押しされて、地価は暴騰、土地本位制と言われた日本経済ですから日経平均は37,000円まで上昇,序にゴルフ場会員権やリゾート会員権、さらには書画骨董まで価格暴騰、投機の宴は1991年の土地暴落まで続きました。
宴の後は、円高との「 ダブルデフレ」で日本経済は「失われた20年」に入ります。この失敗の記憶は、極めて強烈で、その後、地価は長期下落傾向、株価の低迷も深刻でした。
然しこの所、些か様子が変わりつつあるのではないでしょうか。のど元過ぎれば何とやらでしょうか、一部立地の良い所の地価が上昇傾向にあるようです。転売目的の購入も増えるようで、REIT市場も活発化しています。私の住む都下国分寺市の土地・住宅の折込広告でも、坪100万円を切っていた地価が、100万円を切り上げてくる様子が見られます。
株価の世界では日銀がETFを買うから下げは限られるといった解説も聞かれ、GPIFは前四半期の利益10兆円で過去最高などと発表します。何か、まともな経済状態ではなく、バブルでもいいから景気を刺激しようという政策の匂いが強く匂ってきます。
かつてのバブルの折、有り余るカネはインフレを起こさずバブルを起こしたのと同じように、今回も、異次元金融緩和で余ったカネは、2パーセントインフレには無縁で、上がるのは株価や地価、つまり実体経済でないマネー経済だけの活況を生むという事では、日本の政策当局は過去の経験から何も学ばなかったという事になってしまします。
バブルは一種の心理ゲームです。走り出したら奈落に落ちるまで止まらないのです。政府・日銀の真剣な対応を願うところです。
政府・日銀は相変わらずインフレ率2パーセントになるまでは異次元緩和を続けるという方針を変えていないようです。最近政治の分野では特に「説明責任」という言葉が流行りますが、なぜ2パーセントがいいのか、なぜそこまで行かなければ駄目なのか、異常な金融緩和の副作用が出たらどうするのかといった問題について、政府・日銀から納得いく説明を聞いたことはありません。
私自身は、アメリカが為替レートにうるさい中で(トランプ政権以前からですが)円高を回避するためにはアメリカと同じ2パーセントインフレ目標に固執することが最も簡便だから、まあいいかと思っていたのですが、対アメリカでは、 2パーセントインフレ目標だけでは言い訳にならないような雰囲気も出てきています。
アメリカはそろそろ2パーセントインフレ目標を卒業するようで、あの国は自分が卒業してしまえば、後は勝手なことをどんどん言うきらいがありますので、日本の円高阻止戦略が2パーセントインフレ目標だけでは役に立たなくなる恐れも十分ありそうです。
同時に、日本の国内で、異次元金融緩和の副作用が出始める様相が、いろいろなところで見られるように思います。こちらはもっと危険です。
1985年のプラザ合意の後、アメリカに唆された「新前川レポート」などで政府は金融緩和を主導し、その結果がバブル経済となり、バブルの崩壊で酷い目にあった経験はまだ多くの日本の経済人の頭の中には残っているはずです。
あの時は、日本人(特に日本の労使)の頭の中には、オイルショックによる深刻な賃金インフレがあり、その失敗の経験から、いくら金融を緩和しても、賃上げにはつながらず、従ってインフレにはなりませんでしたが、 あり余った金は土地に向かい、土地神話(地価は上がり続けるという神話)に後押しされて、地価は暴騰、土地本位制と言われた日本経済ですから日経平均は37,000円まで上昇,序にゴルフ場会員権やリゾート会員権、さらには書画骨董まで価格暴騰、投機の宴は1991年の土地暴落まで続きました。
宴の後は、円高との「 ダブルデフレ」で日本経済は「失われた20年」に入ります。この失敗の記憶は、極めて強烈で、その後、地価は長期下落傾向、株価の低迷も深刻でした。
然しこの所、些か様子が変わりつつあるのではないでしょうか。のど元過ぎれば何とやらでしょうか、一部立地の良い所の地価が上昇傾向にあるようです。転売目的の購入も増えるようで、REIT市場も活発化しています。私の住む都下国分寺市の土地・住宅の折込広告でも、坪100万円を切っていた地価が、100万円を切り上げてくる様子が見られます。
株価の世界では日銀がETFを買うから下げは限られるといった解説も聞かれ、GPIFは前四半期の利益10兆円で過去最高などと発表します。何か、まともな経済状態ではなく、バブルでもいいから景気を刺激しようという政策の匂いが強く匂ってきます。
かつてのバブルの折、有り余るカネはインフレを起こさずバブルを起こしたのと同じように、今回も、異次元金融緩和で余ったカネは、2パーセントインフレには無縁で、上がるのは株価や地価、つまり実体経済でないマネー経済だけの活況を生むという事では、日本の政策当局は過去の経験から何も学ばなかったという事になってしまします。
バブルは一種の心理ゲームです。走り出したら奈落に落ちるまで止まらないのです。政府・日銀の真剣な対応を願うところです。