「格差拡大」「将来不安」「政治不信」
先ずは都政のトラブルが一件落着の方向になり、良かったですね。
ところで、前回、今の日本経済の不振の原因は「格差拡大」「将来不安」「政治不信」などで、これは社会学的なものだから、金融政策で直ることはないと書きました。
そのあたりを少しきちんと考えてみたいと思います。
先ず、日本経済は本質的に良くない状態なのかといえば、どうもそうではないようです。これだけ真面目に,しかも十分に賢く国民が働いている国の経済が、本質的に悪いなどということはあり得ません。
1ドル80円という過度な円高の中でさえ、「いざなぎ越え」と言われた経済回復を記録した日本経済です。リーマンショックでさらなる打撃を受けても、立ち直りの早かったことは明らかです。
そしてその後の、(アメリカに倣った)異次元金融緩和で、正常な為替レート($1=¥120)を取り戻してからは、為替差益も含めて企業経営は大幅な増収増益を記録しました。
安倍さんは、恐らくこのペースで経済は急回復し、日本中がアベノミクス万歳というと思ったのでしょう。
しかし現実はそう運びませんでした。その最大の理由は「消費不振」だと誰もが気が付くようになりました。
安倍政権は、消費を増やそうと「賃上げ」を奨励しました。しかし労使ともに『笛吹けど踊らず』です。
この辺からアベノミクスはおかしくなります。日銀の政策変更で為替レートが劇的に円安になったように、財政出動、構造改悪というスローガンを掲げれば、どんどん良くなるはずがそうならないのです。
些か脱線しますが、NHKの世論調査(2016/6)でも、今も「安倍政権の経済政策を評価する」が49パーセントで「評価しない」の45パーセントを上回っています。私が回答するにしても、やはり「効果あり」の方だと思います。
問題は「効果あり」は、円安実現による経済好転がほとんどで、あとは見るべきものはないけれども、しかし円安で、明らかに日本経済は息を吹き返した(日本人の働きの成果が正当な価格で評価されるようになった)ことは評価すべきだということでしょう。
(余計なことを付け加えれば、その後の失敗で、円高に戻りつつあり、今後さらに円高が進めば「元の木阿弥」になりかねないという心配があります。)
日本経済が当面する本当の問題は「では、これからどうするか」そのための政策のカギが、消費の拡大なのです。その消費拡大のカギが「格差社会」「将来不安」「政治不信」の払拭にあるというのが現状の課題なのです。
この3つが、どのように消費拡大を妨げているのでしょうか。皆様も実感として、疾うにお解りのことと思いますが、次回以降、少し整理してみましょう。
先ずは都政のトラブルが一件落着の方向になり、良かったですね。
ところで、前回、今の日本経済の不振の原因は「格差拡大」「将来不安」「政治不信」などで、これは社会学的なものだから、金融政策で直ることはないと書きました。
そのあたりを少しきちんと考えてみたいと思います。
先ず、日本経済は本質的に良くない状態なのかといえば、どうもそうではないようです。これだけ真面目に,しかも十分に賢く国民が働いている国の経済が、本質的に悪いなどということはあり得ません。
1ドル80円という過度な円高の中でさえ、「いざなぎ越え」と言われた経済回復を記録した日本経済です。リーマンショックでさらなる打撃を受けても、立ち直りの早かったことは明らかです。
そしてその後の、(アメリカに倣った)異次元金融緩和で、正常な為替レート($1=¥120)を取り戻してからは、為替差益も含めて企業経営は大幅な増収増益を記録しました。
安倍さんは、恐らくこのペースで経済は急回復し、日本中がアベノミクス万歳というと思ったのでしょう。
しかし現実はそう運びませんでした。その最大の理由は「消費不振」だと誰もが気が付くようになりました。
安倍政権は、消費を増やそうと「賃上げ」を奨励しました。しかし労使ともに『笛吹けど踊らず』です。
この辺からアベノミクスはおかしくなります。日銀の政策変更で為替レートが劇的に円安になったように、財政出動、構造改悪というスローガンを掲げれば、どんどん良くなるはずがそうならないのです。
些か脱線しますが、NHKの世論調査(2016/6)でも、今も「安倍政権の経済政策を評価する」が49パーセントで「評価しない」の45パーセントを上回っています。私が回答するにしても、やはり「効果あり」の方だと思います。
問題は「効果あり」は、円安実現による経済好転がほとんどで、あとは見るべきものはないけれども、しかし円安で、明らかに日本経済は息を吹き返した(日本人の働きの成果が正当な価格で評価されるようになった)ことは評価すべきだということでしょう。
(余計なことを付け加えれば、その後の失敗で、円高に戻りつつあり、今後さらに円高が進めば「元の木阿弥」になりかねないという心配があります。)
日本経済が当面する本当の問題は「では、これからどうするか」そのための政策のカギが、消費の拡大なのです。その消費拡大のカギが「格差社会」「将来不安」「政治不信」の払拭にあるというのが現状の課題なのです。
この3つが、どのように消費拡大を妨げているのでしょうか。皆様も実感として、疾うにお解りのことと思いますが、次回以降、少し整理してみましょう。