tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

カジノの魔力? 人間の弱さ?

2019年12月25日 23時29分17秒 | 文化社会
カジノの魔力? 人間の弱さ?
 自民党の元副大臣が、中国のカジノ関係企業から贈賄を受けたという疑いで逮捕されました。
 中国側でも、関係したとみられる3人が逮捕されたとのことです。

 本人は「身に覚えがない」と言っているとの事で、真偽のほどは解りませんが、中国側で、も逮捕者が出ているという事は、何かあったことを感じさせます。

 かつて、 カジノは日本には似合わないと書きましたが、その際、カジノ、つまりギャンブルには必ず犯罪が付きまとうとも書きました。

 まさか誘致の段階から、もう犯罪の匂いがするという所までは予想しませんでしたが、「金そのものが全て」というギャンブルの世界では、ギャンブル、この場合はカジノですが、の魔力に惑わされる人間が蠢く事は避けられないのでしょう。

 まさに「カジノの魔力」なのか、「人間の弱さ」なのか、どちらとも言い難いのでしょうが、事本的には「カネ」の魔力に対する人間の弱さなのでしょう。
 
 考えてみれば、魔力を持つ魔物が、現実の世界にいるわけではありませんから、魔物も人間が心の中に作ったもの、魔力は「カネに惹かれる自分の弱さ」を「魔物」と擬人化したものなのでしょう。

 やはり人間は多様な欲求を持ち、その欲求実現を容易にする「カネ」の魅力に弱いのでしょう。 
 私自身もそうかもしれませんが、清廉潔白、金銭などに惑わされることはないと思っていても、宝くじを買った経験がないわけではありません。

 「黄金のジパング」ではありませんが、日本でカジノができれば胴元をやりたいという方は世界に沢山いるでしょう。そして日本には誘致を競う自治体が結構あるのです。
 今後、参入と誘致の活動が活発になるでしょうから、カジノができる前から、カネの魔力に目がくらむ人が沢山でないとも限りません。

 そして、カジノができれば、カジノを舞台に、色々な問題が起きるのでしょう。どうも、人間というのはそれほどに心の弱い者のようです。

 ギャンブル依存症などという、人間の弱さをさらけ出してしまう人の多発を心配する声はよく聞かれますが、本当は、もっと底の深い、人間の心、それが創る社会文化にまで関わるような問題を考えなければならないのでしょう。

 日本人は、昔から「額に汗したカネ」と「あぶく銭」とを区別する文化を持っていました。そこに日本人の勤勉さの「根っこ」があるのでしょう。
 
 カジノがなくても日本への観光客は急速に増えています。その方がたの殆どは、日本の社会や自然をこの目で見、日本の文化を直接体験したいからこそ日本を選ぶのでしょう。

 こうした、草の根の人間同士の国際交流こそが今後の世界にとって大事であって、ギャンブル・射幸心を餌に、金を落として欲しいからと観光客誘致を目指すなどというのはずいぶん下等な考え方と感じてしまいます。

 今回の事件は、今後を見なければわかりませんが、そこまでレベルを下げた日本の政治家の精神構造を「矢っ張りそうか」と駄目押しするような現象といえるようなことになるのかもしれません。

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