tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本は経済対策をやっているのか

2012年07月25日 12時34分28秒 | 経済
日本は経済対策をやっているのか
 先ごろまで、日本経済は少しずつ持ち直しているという見方が結構ありましたが、このところ、「また深刻な不況になるのでは」といった雰囲気が出て来ているのでしょうか。気分を暗くしているのは株式市場の低迷です。

 株式市場が低迷しても、企業収益の先行きが改善見通しであれば、いずれ株価も反転するだろうと楽観するのが多くの見方でしょうが、このところ、企業業績の改善はどうも期待できそうもないといった雰囲気が出て来ています。

 例えば、今日の新聞でも、シャープが大幅リストラに踏み切るのではないかという報道がされていました。
 ついこの間までは「世界の亀山工場」などと液晶では世界をリードするシャープでした。この変わり様、単なる経営戦略の失敗と片づけられるものではないように思うのはわたくしだけではないでしょう。

 その他多くの企業が、収益予想を見直すようです。アジア経済の低迷なども言われますが、他方で、多くの日本企業が海外に工場進出をしたり、海外で生産を開始するといった報道が連日見られます。
 そのたびに日本人は、これでは雇用不安は改善しなくて当然、企業は利益を上げても、国民には活躍の場はないと先読みをして理解することになります。

 政府は政争に明け暮れ、日銀は、様子見で動こうとしません、わずかに財務相が、「最近の円高は日本経済の実態を反映していない」等と呟いたようですが、国際投機資本には無視され、円高はじりじりと進んでいます。国際投機資本は日本の出方を試しているのでしょう。
 
 政府は「不況対策を考えるほど暇じゃないよ」と言うのでしょうか、日銀は、「矢張りインフレを招くようなことはしたくない」と昔に帰ったのでしょうか。

 1日10銭、20銭の円高でも、数日続けば、今の日本企業には決定的な収益悪化をもたら可能性は十分です。この程度の円高と言っているうちに、茹でガエルならぬ凍死ガエルになっていくでしょう。

 いま日本の経済対策を考えるとすれば、それは、まともな経済学による景気対策ではないでしょう。まさに強力で巧妙な「国際投機資本との駆け引き」こそが経済政策になっているのです。それが今日の変動相場制の特徴なのでしょう。

 ならば、政府、日銀は、いかに国際投機資本の意図、思惑を読み、有効な円高対策を編みだしうるかを景気対策、経済政策として問われているのです。
 国際投機資本にしても、ただ闇雲に投機利益を求めて動いているというだけではなく、その背後には、格付け会社なども含め、計算しつくした国際政治、国際経済の戦略の主体の多様な意志もありましょう。

 政府、日銀に、国民のために身を挺して経済対策を考え、実行することを期待します。


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