日経平均が1989年12月の38957円をあっさり超え、39000円を上に抜けました。
この間までアメリカではダウ平均が史上最高を記録といっていましたが、日本もこの先、上がれば史上最高ということになりました。
そろそろバブルという声もあります。勿論バブルではないという声もあります。本当のところはどうなんでしょうと言われても、自信を持って答えられる人はいないでしょう。
バブルが恐ろしいのは、バブルの最中は皆が気付かないからで、気付いた時にはバブルの破裂、価格暴落で大損の可能性があるというとでしょう。
バブルの時はいろいろなものの価格が上がります。1990年代のバブルの時は土地が中心でしたが、今回は株価が中心で、しかし土地の代わりにマンション価格が大幅に上がっているようです。
勿論、マンション自体の品質が良くなっているという事もあるでしょうが、東京で売り出された新築マンションの価格がこの1年で大幅に上昇したなどと聞きますと矢張り気になります。
経済学ではバブルと実需の違いは、実需の場合は、使用価値、利用価値からみて価格が妥当ですが、バブルの場合はそれ以上の価格が一般的なるというように説明されます。
使用価値、利用地以上のものを買うのはなぜかと言えば、将来価格が上がる事を見込んだ場合という説明がされ、そうなると価格が上がったら転売してキャピタルゲインを得ようという仮需要、架空需要が発生する時にバブルは本物になるという事のようです。
1990年台のバブルでは「土地は必ず値上がりする」という土地神話があり、「空き地があれば買っておけ」で地価上昇、「日本の土地を全部売れば、面積25倍のアメリカの国土が4つ買える(土地単価100倍)といった異常状態で、土地を持つ企業の株が暴騰といった事情が株価の支えにもなっていました。
この時の日経平均のピークに追いついたと言っても、まだまだバブルではないといった当時の数字と比較した解説もありますが、あの時の異常さは別格でしょう。
ゼロ金利の銀行預金や国債より株の方が利回りが良いというメリット(実利)が言われ、特にこの所のような株価上昇という中で、政府の政策もあり、株や投信に資金が動くのも解りますが、それは今までの話で、今後は銀行預金や国債にもそれなりの金利が付き、日本の金利引き上げ、アメリカの金利引き下げになれば、状況様変わりという事態が(地震ではありませんが)近い将来来る可能性はほぼ確実でしょう。
政府はいつも「国民の生命と財産を守る」と言っていますが、時にあてになりません。NISAについても、些か説明不足のようです。岸田総理は外国で「私に投資を」などと言っています。
国民が一様に喜ぶのは、日本経済が健全な経済成長路線を取り戻した時ではないかと考えれば、来年度の実質経済成長の見通しが今年度より低く1.3%(前年は1.6%)などとせず、適切な経済政策を考え、もう少し高い見通しを出すべきではないかというのが、前々回の最後に「余計なこと」を付け加えた理由です。